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ソレア心理カウンセリングセンター

2020.07.23 |愛着とトラウマ(虐待)

【愛着障害のカウンセリング】回復のための2つのポイントが重要!



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先日こんなツイートをしました。










愛着障害から回復するためのポイントは2つあります。

・自分が愛着障害であると理解する

・欠如している安全感を分厚く構築していく

この2つの難しさは、

→親へのファンタジーが邪魔をして、自分がおぼろげにしか見えない

→安全感は薄皮のように重層的に張るので、すぐに流されてしまう






今回はまさに愛着障害回復のためのド真ん中の記事です。





これを知ることで、当事者は今の自分の回復の現在位置がおぼろげながら見え、

カウンセラーは、回復へ導いている方法への自信が出てくるでしょう。





今回解説するのは、下記です。





  • 愛着障害の回復のための2つのポイント
  • 月から地球になるための2つの存在
  • 愛着障害は回復します 愛着不全は時間がかかる
  • 捏造された記憶




前半は理論的な話、
後半は具体的な話になります。





■愛着障害の回復のための2つのポイント





  • 自分が愛着障害であるという理解
  • 安全感を成長させていく




この2つのポイントは、何度確認しても確認しすぎることはないものです。なんなら、毎回のセッションで確認してもいいものです。





そのくらい愛着障害の人は儚(はかな)くて、自信が最低のラインで生きているのです。





◇愛着障害であるという理解





ここがまずスタートですが、この理解が難しいのです。説明されると頭では理解できるのですが、実感を伴って理解することが難しい。





そして、理解することは大きな苦痛を伴います。だから余計に難しい。なぜなら、後で解説しますが、記憶が捏造されているからです。





そのため180°真逆な認知へ、変更を強いられることになります。これがまず大変なのです。





何を強いられるかというと【親に虐待されてきた】という事実を受け入れなければならないのです。ここは自分のいろんな気持ちを否定していかなければならないので、大変なのです。





カウンセラーは、この話をする機会をうかがいながらカウンセリングを進めます。1回目で話すときもあれば、数回した後に話すこともあります。





相談者との信頼関係が出来てきてから、この話をするのがいいでしょう。ここを話すのはカウンセリング場面での、初めの、1つの大きな山です。





相談者がカウンセリングを中断するリスクもあります。そこを見極めながら話します。





注意点としては、このことは受け入れがたい事実なので、カウンセリングを継続中、何度も確認することになります。親が変だったという話が話されるたびに、カウンセラーは、意識的に、何度も確認してください。「虐待されてきたね」と。





◇安全感の成長~安心のシャワー体験





もう1つのポイントは、【安全感を、薄皮の張るごとく、少しずつ成長させていく】ということです。





これはどういうことかというと、愛着障害の人は、安全感がまったくありません。愛着障害の人の感情でもっとも集中的に扱う感情は【恐怖】です。





普通の人は、恐怖という感情の周囲には安全感でおおわれています。だから何か刺激するものが入ってきても恐怖に到達する前に消えてしまいます。何も影響を受けません。





愛着障害の人は、この安全感が希薄なので、刺激するものが、ダイレクトに恐怖に突き刺さってしまい、激しい衝撃を受けます。





この違いがあるのです。ですから、この安全感を形成していく必要があります。それが治療の最大方針になります。





安全感というものは、非常に弱いものなので、安心してもすぐに流れ去ってしまいます。ですから、何度も何度も、安心を浴びるような体験が必要なのです。





この【安心のシャワー体験】は、





  • カウンセラーとの間
  • 実生活で




体験していくことになります。カウンセラーから得られる安心とは、カウンセリングを繰り返すことで得ていきます。実生活で得られる安心とは、





  • 子ども
  • 配偶者
  • 友人
  • 自然の中で感じる実感 などがあります。




ただ、注意していただきたいのは、愛着障害の人は安全さえ怖いのです。ですから、シャワーと言っても、無尽蔵に浴びさせると恐怖が出て逃げてしまいます。なので、故障したシャワー装置くらいに、弱めに、少しづつ浴びる感じがベストです。





◇地球モデルと月モデル





Apollo 8 Mission image, Earth over the horizon of the moon
月から見た地球の出(Apollo 8 Mission image, NASA )




恐怖と安心の関係を図解してみると、地球モデルと月モデルに行きつきます。私はこの関係をカウンセリングの中で、いつも話しています。





普通の人は地球で生活しており、愛着障害の人は月で生活をしているイメージです。





地球は分厚い大気でおおわれているので、隕石が突入しても地表に到達する前に燃え尽きてしまいます。地上から見ていると流れ星として見えますね。大気があるので、われわれは安心して生きていられます。





  • 地球=恐怖、大気がある=安心感がある これが地球モデルです。




一方、愛着障害の人は、安心感が希薄なので、大気がほぼない状態です。月のようです。ですから突入してくる隕石を食い止める手段がありません。隕石は燃え尽きることなく、地表に到達して、地表には大きなクレーターが開きます。月自身もダメージを受けることになります。ひょっとすると軌道が変わるかもしれませんね。





  • 月=恐怖、大気がない=安心感がない これが月モデルです。




人間には、いや動物、生き物には、恐怖という感情が必ずあります。それがないと生命の存続にかかわります。天敵からは、恐怖感情を発動させて逃げなければ、あるいは戦わなければ、種が淘汰されてしまうからです。





しかし恐怖が適切に作動するためには、いつも恐怖がむき出しのままだと、刺激に絶えず反応することになってストレスで疲弊してしまうので、恐怖を覆うための安心感が必要なのです。





ここまでが愛着障害の理論的な話で、これから具体的な話に入っていきます。





■月から地球になるための3つの存在





安心感を得るための具体的な方法としては、次の3つの存在との関係性の中で安心感を作っていきます。





◇子ども、配偶者の存在





【子ども】はあなたにとっては宝物。あなたの安心感を作るコアになります。あなたにとっては、子どもは怖い存在かもしれません。無条件で愛着を向けてきますから。





ムリをしなくてもいいので、少しずつ彼らとの距離を縮めて、あなたの中にゆるぎない安心感を形成していきましょう。





焦らなくていいので、何度も何度も作っていきましょう。





【配偶者】が、普通の人であれば、彼らとの間の関係も、あなたにとっては至福の時をもたらします。「普通の人」とは、心理学的にいうと「精神発達が成人期まで達した人」です。





この見極めは難しいですが、愛着専門のカウンセラーならできるはずです。カウンセラーに相談しながら配偶者との関係も活用していきましょう。





◇第三者の存在





あなたにとってかけがいのない【友人や先生】がいるかもしれません。彼らの存在も、あなたの人生にとって福音となるはずです。





そのような人が見当たらない、あるいははるか昔のことになっている場合は、あなたの周りの【自然】も、第三者の存在になりえます。





あなたのほおを撫でて、渡っていく風。そこに立ちつくすあなた。その瞬間に、なにか永遠の一瞬を見るかもしれません。【今】そのときの自然の流れの中に身を置いていること。それを実感するのです。何度も、何度も。





「自然」とこころの回復については、またいずれお話ししましょう。





◇カウンセラーの存在~毒親カウンセリングとは?





愛着のカウンセリングにおいては、カウンセラーの存在はあなたにとっては【空気】のようなものです。存在を感じたりはしないけれど必要不可欠なもの。





そこまで関係性が出来上がると、あなたにとって大切な存在になっていきます。





毒親カウンセリングという用語があるようですが、毒親と愛着障害は切っても切り離せないもの。このカウンセリングが成功するには、カウンセラーが毒親とは何であるかを十分に理解していることが必要です。





先に、自分が愛着障害であるという理解が必要といいましたが、カウンセラーも同時に、愛着障害とは何であるのか、毒親とは何であるのかの理解が必要です。





ここでは詳しく申し上げませんが、毒親とは次の定義に当てはまる人々です。





  • 軽度知的障害あるいは境界知能域の親
  • 知能は問題ないが、子どもの感情を理解できない親で、(社会的)ネグレクトの程度がひどい親




■愛着障害は回復します。愛着不全は時間がかかる





愛着障害は、上の2つの定義に当てはまる親に育てられると発症します。つまり、これまで話したことを実践できれば、愛着障害はキレイに回復します。





回復とは、他の人と一緒のようになるということではありません。一緒ではないけれど生きやすくなる、ということです。イメージとしてはムーミンのスナフキンを思い出してください。彼はムーミン谷の他の住人とは一線を引いているでしょう。あの感じ、です。





愛着不全は、毒親とは言えないかもしれません。愛着はもらっているけれど十分ではなかった。その一点が、普通の人とは違います。その一点ですが、この一点が回復に時間がかかる要素です。





虐待されてきたわけではない、というのは、回復に時間がかかるのです。それをときどき意識しながらカウンセリングを中断せずに、進んでいきましょう。





◇愛着障害を学ぶには?





数々の本を出版されている精神科医の高橋和巳先生、彼のメインフィールドは、なんと言っても、異邦人の造語で知られるように、愛着障害です。愛着障害や毒親を学ぶには、高橋先生の門をたたくのが良いでしょう。





そのほかには、Peter Fonagyのメンタライゼーションという理論があります。たくさん本が出ていますので、精神分析の領域から理解を深めてください。愛着理論を作ったボウルビーも精神分析です。





精神分析家で自己心理学の Kohut の「自己に障害をもつ患者」という概念も愛着障害のことです。コフートの臨床は、優しさを運ぶ臨床とも言われています。アメリカ産ですが、全然マッチョではありません。





愛着障害と精神分析は切っても切れない関係でしょう。まずは高橋先生に学びつつ、Fonagy や Kohut でバックボーンを作っていく感じがいいかと思います。下記の記事も参考にしてください。





▼【愛着を癒す】じぶんだけのいろ~カメレオンが見つけた深イイ話





■捏造された記憶





こちらもツイートからの引用です。










ロフタスの【捏造された記憶】は、虐待された事実がないのに、子どもが親に虐待されたと訴えるときに使われる概念です。しかし実際の捏造は逆です。【虐待されていたのに虐待されていない】と捏造する。そうやってファンタジーを捏造しておかないと子どもは生きのびることができない。これが真実です。






愛着障害の回復のための2つのポイントの1つ目の、「自分が愛着障害であるという理解」に関わってくる事実です。こちらを最後に解説します。





虐待されてきた子どもは、その事実を受け入れがたいのです。それを受け入れてしまった瞬間、自分には親が存在しなかったという事実に直面しないといけなくなるからです。それまでの何十年という人生が空虚な中に放り込まれるので、彼らは記憶を捏造します。





それは彼らが生きる戦略なので、そこはちゃんと称(たた)えるべきところです。彼らの勇気に敬礼しつつ、そこを崩していくという作業が延々と続きます。当事者も、カウンセラーもしんどい時間ですが、そこがないと、愛着の臨床は進んでいきません。





この捏造した記憶から目を覚まさせること。これが成功すれば、愛着障害は順調に回復してきているといえるでしょう。





■愛着障害の間違った考え方





世の中には愛着障害について、まだまだ誤った考え方があります。それらを簡単にまとめてみました。





  • 大人は皆、児童虐待の加害者になる可能性がある→間違いです。加害者になるには、加害者になる素質が必要です。その主たる原因は、脳機能の問題で、特に軽度知的障害が大きく関係しています。
  • 虐待(愛着障害)は世代間連鎖する→間違いです。愛着障害を受けた人に、脳機能の問題がなければ、その人の子どもには愛着障害はありません。世代間連鎖はしません。




■まとめ





愛着障害の回復のために重要なのは次の2つのポイントです。





  • 自分が愛着障害であるという理解
  • 安全感を成長させる




ここで、知っておくことは、地球モデルと月モデルです。普通の人は地球モデルで、愛着障害の人は月モデルです。





回復はこの月モデルから地球モデルへの変更になるのですが、そこで重要な役割を果たすのが、





  • 子ども、配偶者の存在
  • 第三者の存在
  • カウンセラーの存在 でした。




そして愛着障害は回復するということを申し上げました。そして、治療の方針を誰から学ぶかというと、





  • 高橋和巳
  • Fonagy
  • Kohut




この3人の著者です。ちなみに、私も愛着関連の著書を出しています。よろしかったらお読みください。
▼孤独と愛着~ダブルファンタジーへ生きのびる人々





最後に捏造された記憶と愛着障害の間違った考え方を紹介しました。





愛着に問題があったという事実が、あなたの人生において、重要な意味を持っているのです。どうぞ、あなたらしい人生を送れますように。幸運を祈ります。





慢性うつ病、睡眠障害、長期の希死念慮等は、愛着の問題かもしれません。ソレア心理カウンセリングセンターへご相談ください。







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