当センターの方針(マインドフルネス)

身体の言葉は、頭で考える認知の言葉とは違い、無意識の深い記憶や思いが表現されたものです。

ここには、「いないことにしてきた自分」が深く息をしており、その訴えが「身体の言葉(フェルトセンス)」として現れているのです。そして身体の言葉は、感情の言葉や感覚の言葉に連結しています。

相談者とカウンセラーの間には、柔らかなノン・バイオレンス(非暴力)な空気が流れており、そこで相談者は安心して「いないことにしてきた自分」へ降りていけます。その柔らかな関係性の中でカウンセラーは、相談者が語るファンタジーを大切に取り扱い、そのファンタジーを乗り越えてゆく創造的なものを読み解き、フィードバックしていきます。

そうして、相談者はさまざまな感情を体験することになるのです。

この治癒過程は、まさに「感情の大冒険」と呼べるものです。この大冒険というハードボイルドな物語を経て到達できる場所が、心理学的には、規範と逸脱を越えたところ、つまり葛藤の解消になります。

これはヘーゲル哲学でいうところの弁証法であり、ファンタジーとそれを越えるもの、これらの2重性の中で治療は進みます。

不安や怒り、恐怖、絶望といったさまざまな感情が、静かなかなしみに変わってホッと一息つけるようになることが回復です。

マインドフルネスな空間では、さまざまな自分を発見するでしょう。マインドフルネスとは没入しながら俯瞰している感じ、静けさの中にいながら目覚めている状態です。これによって気づきが促進されます。禅や老荘思想で語られる感覚で、日本人には馴染み深いものといえます。

この没入と俯瞰という2重性の確認こそが回復の過程です。そしてこの2重性の深い体験によって、治療が終了しても、そこからさらに回復し続けることができるのです。

具体的には、傾聴と受容をベースにしながら、精神科医・高橋和巳氏のカウンセリング理論を見立ての拠り所としています。そこにいくつかの心理療法を暗喩的に用いながら、相談者の自然治癒力に柔軟に働きかけます。

カウンセラーの静かな傾聴と深い受容によって、ひそやかな微風がこころに吹き出すでしょう。それはこころの最深部にあるあなたの命が、息を吹き返している証なのです。

スタッフ

所長
高間しのぶ
(臨床心理士・公認心理師)
1956年生まれ。三重県出身。
現在、すべてのカウンセリングは、高間しのぶが対応しています。
もの心ついた頃にはすでに吃音でした。その障害ともいえぬ障害が、私をここまで連れてきてくれたように思います。そういう意味では、吃音は私の「師」ですが、そんな大げさなものではありません。

学歴・職歴
1983年東北大学理学部物理学科卒、2007年目白大学大学院修士課程臨床心理学修了
2001年ソレア心理カウンセリングセンター開所。精神科医の高橋和巳氏にカウンセリング理論を、臨床心理士の田中勝博氏、角山富雄氏にアートセラピー、力動的心理療法を学ぶ。

実績
(1) 相談実績
愛着障害
パーソナリティ障害(含むBPD・NPD)やトラウマ(含む重症うつ)
アダルトチルドレン(含む依存症)・HSP
その他(上記を除く家族関係や発達障害等)
日本臨床心理士会定例電話相談員
埼玉県市町村の保健センター等の心理相談

(2) 講師実績
マインドフルネス研修(埼玉県鴻巣市等)
境界性パーソナリティ障害の治療(千葉県秋元病院等)
埼玉県のFM放送局のラジオ心理相談等

アートセラピーの研究
小さい頃から手作業が好きで、その感性の延長線かどうかはわかりませんが、アートセラピーの研究をしています。治療の中でもアートセラピーを取り入れる場合もあります。
また量子力学にも親しんだためか、宇宙の成り立ちというものは、人間の空虚性に似ているように考えています。宇宙は何もないところからビッグバンして現在に至るわけですが、相談者の語る空虚な思いというものも、空(うつ)虚(うつ)として何もないように見えますが、そこにはビッグバンする何かがうごめいているのです。
何かとは何か、それは相談者が未だ見えていない「本当の自分」です。空虚というものは何もないことではなく、実は、とてつもないエネルギーを秘めているわけです。カウンセリングをするという行為は、相談者の空虚な思いの中にある、幽かなうごめき(本当の自分)へ接近していくことなのです。

所属学会
日本心理臨床学会
日本心理カウンセリング学会
日本描画テスト・描画療法学会
日本芸術療法学会
日本臨床心理士会・東京公認心理師会

カウンセラーを選ぶコツ

このサイトをお訪ねになったということは何かしらの援助を必要とされている方でしょうか。援助はできるだけ早いうちに求めてください。

このサイトがあなたにとって役に立たないものであったり、カウンセラーとの相性(関係性)がいま一つだったとしても、こうやって援助を求める行動を起こしているという自分を信じて、他のカウンセラーを探すことを止めないでください。また、カウンセラーは、見つけられる限り、あなたにとって「最高」と言えるカウンセラーを選んでください。

最高というのは、その道の専門家である、ということです。どんな資格を持っているのか、どんな学会に所属してどんな研究をしているのか、そしてどんなカウンセリングをするのか、それらがあなたにとって最高と思えるカウンセラーを選んでください。毎日精進して体験を肥やしにし、常に新しい知識を身につけ腕をみがいているのか、という姿勢もプロフェッショナルにとっては大切なことです。

このカウンセラーとなら一緒に頑張れそうかということを探ってみるために、一度カウンセリングを受けてみるということも大切です。どんなに優れたカウンセラーでも、あなたにとって「最高」かどうかはわかりません。カウンセリング代は払うことになりますが、これから治療をまかせる相手になるかもしれないので、どんな人かをあなた自身の目で見極めるための安い投資だと考えてください。カウンセラーとの最初の出会いのとき、あなたがカウンセラーを査定するわけです。

そして、この人ならやっていけそうだ、と思ったら、ひとまず自分を少しだけ預けてみることです。全部を預ける必要はありません。ほんのひとかけらの自分で十分です。自分を預けるのはとても恐いことですが、それによってあなたのカウンセリングは着実に進んでいくでしょう。

そして一般的な話になりますが、良いカウンセリングを受けたあとは時間の流れが違って感じられます。ゆったりと「たゆたう」ような時間の流れを感じることもあります。ほどよい疲れを感じることがあります。ですから日常へ戻る前に、その時間を楽しめるように、カウンセリングのあとはたっぷりと時間を取って、余韻に浸っていることも大切なことの一つでしょう。

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