この記事を読むと、
・ダメンズの正体
・ダメンズに惹かれる女性の心理
・ダメンズから卒業する方法は?卒業しないといけないのか?などが、分かります。
先日こんなツイートをしました。
被虐者は、ガマンして生きてきたので、自分をガマンさせる人をパートナーに選びやすい。自己イメージが最低ラインで生きているので、自分がボロボロがちょうど良いのです。
— しのぶ@ソレア心理 (@soleapsy) June 7, 2020
普通の人ならとっくに離婚している人とくっついています。それでも彼らは回復していけば、そのことをはっきりと自覚します。
被虐者は、ガマンして生きてきたので、自分をガマンさせる人をパートナーに選びやすいです。自己イメージが最低ラインで生きているので、自分がボロボロがちょうど良い感じなのです。普通の人ならとっくに離婚している人とくっついています。それでも彼らは回復していけば、そのことをはっきりと自覚します。
ダメな男性(ダメ+メンズ)を掛け合わせてダメンズですが、今回はダメンズ側の男性の心理と、ダメンズにハマる女性の心理を解説します。
- 前半は、ダメンズの心理
- 後半は、ダメンズにハマる心理
- 最後は、被虐者の女性の心理 です。
これらをまず理解できると、リスクを回避する行動がとれるかもしれません。あなたがあなたらしく居られる恋愛に恵まれますように。
■ダメンズの心理
まずは、ダメンズと呼ばれる男性の心理を攻略していきましょう。
◇ダメンズの定義はどうなっているのか?
漫画家・倉田真由美の「だめんず・うぉ~か~」の造語で、「見た目はいいが性格に難ありな男たち」と定義されています。
性格に難ありというのは抽象的ですね。もう少し具体化すると、女性を言葉巧みに舞い上がらせて、甘い蜜を吸い取ろうとする男性です。さらに具体的にいうと、働かない、浮気性、お金にだらしがない、となります。こういう男性とは…、そうです、【DV男性】ですね。彼らはほぼダメンズのど真ん中と言っても過言ではないでしょう。
では、DV男性の特徴をみてみると、
- 自分の意に沿わせようと女性をののしり暴力をふるう(支配)
- その後、俺が悪かったと下手に出て女性にやさしくふるまう(懐柔)
- 鞭と飴を繰り返すことで女性を依存させる(依存)
【支配→懐柔→依存】、このサイクルを繰り返すことで特別な人間関係を作っていきます。この特別な人間関係って何でしょうか?
答えは【女性との共依存】の関係です。つまり、共依存関係を作ろうとする男性をダメンズといいます。そうすると、結構範囲が広くなるかもしれません。ちょっと怖いですね。あなたの彼氏大丈夫ですか?
共依存に陥っていないか、まずチェックしてみてください(*1)。このチェックシートはあくまでも参考です。自分が共依存かどうかを正しく見極めたいときは、共依存の臨床に詳しい専門の心理士にかかってください。
さて、共依存という言葉が出てきましたが、相互依存とは違うものです。その違いを簡単に解説すると、
- 共依存:お互いにべったりとくっつきあって、片方が倒れたら、もう一方も倒れる関係。DVの男女関係。
- 相互依存:お互い適切な感じでもたれあっている。お互いに離れたとしても、お互いが自立している関係。こちらは普通の配偶者関係です。
相互依存であれば女性も安心ですね。もちろん、男性も。
◇ダメンズの心理
共依存に陥る男性の心理を考えると、簡単にいうと中二病を想定するといいかもしれません。つまり【学童期やら思春期やらを脱しきれていない男性】ということになります。
- うまくいかないことがあると他人のせいにする。自分を責めない。
↑これ一択ですね。この言動に象徴されます。
下記の3つも中二病に該当しますが、これはダメンズ予備軍ともいえるもので、ダメンズへ移行する場合もあるし、そうでない場合もあります。
- 優柔不断で自分がない感じ。自分で決められない。
- 会社ではうつ状態だが、家へ帰ると元気→新型うつ病がコレ。
- 自分のアイデンティティが確立されていない。
ということは中二病でなければ、自分を責めている彼氏なら、行動はダメンズにみえるけれど内実は違うということにもなります。
じゃあ、そういう彼氏はいったいどういうこと?という疑問が起こると思いますが、それは関連リンクで。
▼ダメンズにみえて、実はそうでもない彼氏とは?
脱抑制型対人交流障害については、こちらの記事も参考になります。
ここから後半は、ダメンズにハマる心理と被虐者の女性の心理を解説します。
■ダメンズにハマる心理
女性の基本的な心根(こころね=こころの奥底)として、ダメな男にハマりやすいという傾向があります。少し前にはやった「ちょいワルおやじ」ですね。
◇リスクの高い男の魅力は生殖能力が高い
潜在リスクの高い生き方の男性には魅力があったりします。潜在リスクとは、危険な環境を生きているということです。
なぜなんでしょうね。リスクを乗り越えるために強くならなければならない、ということはすぐに思いつくと思います。
けれど、それ以上に、リスクが高いと男性は生殖能力が高まるのです。子孫をちゃんと残さないといけないという動物的本能が高まるのです。危険に遭遇すると骨からオステオカルシンが放出されて生殖能力が高まるという研究があります。(*2)
その生殖能力の高さに女性は無意識的に惹かれるのでしょう。いわゆる男性の出すフェロモンに女性が反応している感じですね。
だからリスクの高い、危険なにおいのする男性に惹かれるというのは、女性が子孫を残すための正しい反応ともいえます。
しかし危険な男=ダメンズではありません。自分で責任を取るハードボイルドな男性はたくさんいます。ダメンズは「偽の危険性」を醸し出しているので、そこにまんまと女性は騙されるわけです。
そうならないために、女性がやることは、その男性の行動を見るのです。
- うまくいかないことがあると他人のせいにする。自分を責めない。
これ一択が、ダメンズの原点でした。もしこういう感じの危険な男性だったら、その危険さは、偽の危険なので、距離をとっておいたほうがいいでしょう。
ちゃんと自分で責任を取る危険な男だったら、付き合うかどうかは自己判断してください。どちらでもお好きなように。付き合って冷たくされて、こんなはずじゃなかったと、泣かされることもあるかもしれませんが、ご自身で選んだ道ですからね。
◇女性側の3つの心理
ダメンズだと分かっているのに惹かれる場合もありますね。そのような場合の女性心理は3つあります。
- ①ダメンズと同じような心理構造になっている。他人に依存したい構造、つまり他人のせいにしたいということですね。お姫様型の【悲劇のヒロイン】タイプの女性に多い。
- ②ダメンズより精神的には大人だが、思春期以降どこかの時代で心理的なつまずきがある場合。
- ③虐待を受けて育った人
①は、専門的なカウンセリングが必要です。心理士へ相談してください。数年は必要です。お姫様は、結局は結婚してもうまくいきません。一般男性なら逃げるでしょう。
②は何らかの原因で自己肯定感が低い場合です。関連記事をご覧ください。この関連記事については①~③のすべてで有効です。TPOに合わせてご利用ください。
▼【自己肯定感】を育てる最強の習慣はコレ!~自分編【保存版】
③については下記の「被虐者とダメンズ」を参照ください。
◇発達障害の女性の場合
こちらもダメンズにハマりやすいです。親がちゃんとしっかりと性教育することがまず必要でしょう。自分でコントロールがなかなか難しいので、周囲がどのようにサポートしていけるかを考えなければなりません。中心になるのは親御さんのサポートです。
親御さんがカウンセリング受けて、子どもの発達障害をどのようにフォローしていけばいいのか学んでください。
■被虐者とダメンズ
「被虐者は、ガマンして生きてきたので、自分をガマンさせる人をパートナーに選びやすい」というツイートは、まさにこの、被虐者とダメンズの関係です。
被虐者は、これはもうダメンズにとってはまたとないカモです。ヒモと言われる男性にカモにされる好対象です。なんでも言うことをききますから。
しかし被虐者は盲人ではありません。被虐者はカモにされているということをちゃんと理解しているのです。その上であえて、そこに飛び込んでいるのです。それは【自分が最低にならないといけない】と思っているからです。
この認知を変化させないといけないのですが、考えを変えようとしても、ここは変化しません。なぜなら、この認知は【安全感】のないこころの状態から発生しているからです。アラート(警告)と結びついた認知は変えてしまうと、自分が危険にさらされてしまうので変化しません。
ということは、まずは被虐者の【安全感】を回復させることが先決になるということです。
先生や友人という安全基地の中で【安全感】を回復させること。これはかなり難しい作業ですので、専門的な訓練を受けた心理士のサポートが必要なケースも多いでしょう。
その安全感の回復の中で、自己肯定感がアップし、これじゃいけないということがだんだんと分かってきます。数年という時間はかかりますが、地道にやっていきましょう。
■まとめ
ダメンズの心理として、DV男性の【支配→懐柔→依存】の法則があることを知りました。これは共依存の関係です。
そしてダメンズは、【学童期や思春期を脱しきれていない男性】で、
・うまくいかないことがあると他人のせいにする。自分を責めない男性です。
ダメンズにハマる心理としては、
・リスクの高い男の魅力は生殖能力が高いという生理的なものから、
- ダメンズと同じような心理構造になっている。他人に依存したい構造、つまり他人のせいにしたいということ。お姫様思考。
- ダメンズより精神的には大人だが、何かどこかの時代で心理的なつまづきがある場合。
- 虐待を受けて育った人 の3パターンがあります。
特に被虐者の場合は、根が深いので、専門家につながることが必要です。
ダメンズに惹かれるということは悪いことではありません。ふぐの毒を食するような甘美さがあるのでしょう。ただふぐ毒なので、付き合うのはリスクが高いということです。それを承知で付き合う。
またダメンズのように見えて、ダメンズでない男性もいます。そのへんを見極めることも大切です。ダメンズという甘い罠は魅力的ですが、【あなたがあなたらしく居られる恋愛】ができますように。
Reference:
(*1) 共依存スクリーニングテスト, 四戸智昭嗜癖行動学研究室
(*2) Gerard Karsenty: Bone, Not Adrenaline, Drives Fight or Flight Response, Columbia University Irving Medical Center, 2019
ダメンズと共依存の関係から抜け出したいときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ 相談する