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2020.09.09 |こころカフェ(最新の心理学)

【50代からの孤独とむなしさを生きる】中年期は人生が大きく動く



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この記事は、のべ2万人の悩みを聴き続けている、マインドフルな臨床心理士が学んだことを中心に、最新の知見をお伝えします。





・50代になって、最近特に虚しさを感じることが多くなった。子どもが巣立ったせいなのか?うつ病にならないか心配だ。いったいどうしてしまったのだろう。
・社会から一人置き去りにされたようでさみしい。ついつい誰かを求めてしまって、気がつくとドロドロな人間関係の渦に巻き込まれている。いつもそんな人生、うまくいかない。





中年期とは、40代~50代を指します。
この年代は、社会の中心になりつつ、日常生活でも育児やら夫婦関係やらで、色々なわずらわしさやいらだち事に翻弄されます。
それによって、心配ごとも増えて、人間関係に疲れ、めんどうくさくなる時期だったりしますね。
どうしてそうなるのか、そんな理由が少しでも分かれば、快晴は望めなくても、少しばかり晴れやかな気分になるかもしれません。





この動画を見ることで、
・孤独と孤立という軸をポイントにして、
・中年期という時代の秘密が分かります。
その秘密を、これからの人生の羅針盤にして、そこから出発していきましょう。





前半では、中年期の秘密を明かします。キーワードは、孤独です。(動画はこの前半部になります。)
後半では、孤立と孤独について、解説します。





具体的には、次の3つのことです。





  • 人が変わるとき、孤独になる(←動画はこの話です。)
  • 拝啓、深遠なる孤独さん
  • 孤立せず、孤独しよう~孤独は力




■人が変わるとき、孤独になる





Puddle
1人で行くんだ、幸せに背を向けて。




次のようなツイートをしています。










思春期には、一人になる時間が必要です。孤独が必要。1人にならないと【自分】というアイデンティティを形成できないからです。同様に、50歳を過ぎた中年期も、この孤独の時間が必要です。なぜならアイデンティティの再構築の時期だからです。1人になりつつ、社会参加の中で再構築がはかられていきます。






50歳と言えば中年期の真っただ中です。この時期に孤独感や虚無感を感じる人も多いのではないでしょうか。なぜなら、20代で形成したアイデンティティの変革を迫られる時期だからです。この大仕事をするために、自分に向き合わざるを得なくなります。そのため、孤独が必要とされます。結構、20代前半(思春期後期=青年期)よりもハードな時期だったりします。





人には、40代後半から様々な人生模様が立ち現れます。レビンソンのライフサイクルの心理学にも同じような体験が複数載っています。





この時代は、もっとも人生が変わる時期、激震が走る時期。思春期も孤独になる時期ですが、なんというか思春期の比ではなく、ガラガラと人生が音を立てて崩れ落ち、今まで何だったのか?と膝から崩れ落ちる経験をされる方も少なくありません。





◇私の中年期





私自身も、40代後半~50代前半(2001~2011)の10年を振り返ってみると、ずいぶんとそれまでとは違う人生を歩きだした時期だと記憶しています。急速に心理の世界へ接近して、その中をあっちへこっちへ彷徨っていた時期でした。まさに【人が変化を必要とするときは、孤独が必要】なのです。





無防備な状態で心理の世界へ入ってくると、確実に体調を崩します。もし体調を崩していない人がいたら、それは真剣にやってないのでは?と思うくらい、まぁ、言ってしまえば危ない世界です。





その10年を、なんとか騙し騙しすごして、一息つけるようになったのが、50代後半からですね。それ以降の10年はそれほどの心配もなく来ています。生活習慣病を患ってしまったのは、不摂生のタマモノですが、そんな中年期をなんとかクリアしてきた勲章のようなものかもしれません。





この年代で生活習慣病を患う人が多いのは、この中年期という時期の特質(アイデンティティの再構成)があるのかもしれませんね。疲労、焦燥感、虚無感、そんなものが一気に押し寄せる時期ですから。





◇孤独のリスク





Man standing under the green aurora borealis
孤独には意味があるのだろうか。




孤独については、心理を生業(なりわい)にしているので、しょうがないことではあります。セラピストはいつも孤独です。でも、そういうことだけでもなさそうです。





また、私の体験になりますが、新しいセラピーに出会って、大学院へ行って、その師のもとで働いていた10年です。仲間がそばにいるような感じですが、振り返ってみると、私はひとりでした。そんなに打ち解けていたとも思えません。中年期、わが道を行くしか、自分を作り直すことはできません。自分に問うて、自分で答えを出していく。これは孤独な作業ですね。でも、青年期の孤独との違いは、中年期の孤独は【危険だけれど、楽しくもある】という結論です。





この中年期に、私に起こった危険なことは、日常生活でも色々ありましたが、もっとも精神的に危険だったことは、電信柱の影にキツネが見えてしまうこと、家の壁が盛り上がって人面に見えてしまうことでした。これまでキツネなどは察知はしていても見えることはありませんでした。見えたときは、やっぱりそうか、という感じでした。数年続きました。しかし、50代も半ばになるとそれは消えていきました。孤独のリスクとは、こういうことが起こることです。





こういう一過性の精神病のようなものは、10代の思春期には頻発します。しかし、中年期にも起こりうるのですね。この幻覚は、中年期に初発ですので統合失調症ではありません。自分が孤独の中で体験したものですので、似たような話を聴いても動じることなく聴けるようになった、というメリットはありました。





私はシャーマンではありませんが、沖縄のユタが巫女になる過程で経験するカミダーリという状態と似ているのでしょうか。(*2)





◇思春期と中年期は似ている?





このように考えを巡らせてくると、意外かもしれませんが、10代と50代は、親和性があることが分かります。孤独というものを媒体として自分の変革を、外からお互い迫られている時期だからです。





例えば、親と子の関係を例にとると、子どもの思春期と自分の中年期がかぶって、お互いのアイデンティティが揺らぎ、その揺らぎが響き合う中で、子どもと自分が変化していくという時期です。





■拝啓、深遠なる孤独さん





次のようなツイートをしています。






【あなたにとって一番大切なものは何ですか?】数分考えました。今の私に大切なものは孤独でしょうか。カウンセリングでは孤独の話が多いです。孤独を大切に扱えないと、クライエントの話をだまって聴いていられません。つまり、孤独が大切でなくなったときが臨床心理士を辞める時なのでしょう。






どういう人を相手にカウンセリングしているかという、カウンセリングルームそれぞれの特徴がありますが、うちには孤独な人が多くやってきます。孤独のリスクを抱えたまま生きている人々です。





そのため、孤独の扱いには神経を使います。孤独には「コドク」で向かい合う必要があるからです。先に紹介した、思春期の孤独と中年期の孤独が響き合うような感じです。そうなれば、孤独のリスクも越えていけます。





「コドク」とはカウンセラーの持つ孤独の意味で使いました。





サガンの「悲しみよこんにちは」という小説があります。あれは思春期の孤独を描いた本ですね。中年期の孤独を描くと「拝啓、孤独さん」というタイトルになるのでしょうか。思春期と違うのは、感傷的なものが排除されていること。





村上春樹の本でいうなら、「風の歌を聴け」は思春期の孤独、「ねじまき鳥クロニクル」は中年期の孤独でしょうか。あくまでも、私の個人的な評価です。





中年期のカウンセリングは、相談者の方の語りの中からは、感傷的なものは徹底的に排除されています。それは中年期だから、いいのです。中年になっても感傷的な話をしていると、それはそれで孤独として深まっていきませんから。





■孤立せず、孤独しよう





下記のようなツイートをしています。






【孤独は良いが孤立はNG】精神を病んだり、貧困で生保になったりすると、人は孤立していく傾向があります。そうやって人間関係が限定されていくと、気がつかないうちに人生まで狭まっていきます。孤立すると死の匂いが忍び寄ってきます。解決策は、できるだけ集団を感じられる場所に顔を出すこと。






中年期は孤独な時期であるとともに、社会との関係に亀裂が入り、孤立する時期でもあります。その場合は、まずは孤立から手当しなければなりません。





それには、社会とのつながりを取り戻すこと。社会の中で生きている感覚を取り戻すことです。社会から離れていると、その人の生活圏が狭まって、死に近いところにフラフラと落ちていく場合があります。だからできるだけ早く社会側へのつながりを取り戻せること。そうやって一服できるところまでくると、だんだんとガチで【私の孤独】の話ができるようになっていけるでしょう。





もちろん、孤独の話は、匙(さじ)をそっちへ向けるのではなく、自然と方向がそっちへ定まるように。カウンセラー側が操作するものではありません。なぜなら、孤独というものはリスクが高いので、取り扱いに注意が必要だからです。





今回は、中年期に孤独になるという話でしたが、生まれてからずっと孤独の人もいます。それは今回の話とはまた違った話になりますが、中年期の孤独のリスクは、普通の人よりもハイリスクになるように思います。関連記事をリンクしておきます。





▼愛着障害の人は、スナフキンの文法を使って、空や風の言葉を紡ぐ





■まとめ





Woman standing on a road while holding an umbrella
降っても、晴れても、ひとりで行こう。




人が変化の波にさらされるとき、つまりそれは、一生において思春期と中年期にやってきます。そのときは孤独になることが必要です。





中年期の孤独には虚無感などがつきまとっていて、リスクの高い孤独な時間を過ごすことになります。それが50歳前後であるということを、私の体験を交えて話しました。





また50歳頃が一番幸福度が低くなるという統計もあります。リンクを張っておきます。





▼関連記事:
人生最大の危機―50歳を生きる人への3つのヒント





孤独はリスクが高いものですが、それがないと中年期を乗り越えられないというジレンマがあるのです。孤独と仲良くなるのも、中年期なのでしょう。思春期の感傷をベースにした孤独とは違う質を持ったものなのです。





また中年期は社会との軋轢(あつれき)で孤立しがちですが、社会とのつながりを取り戻すことで孤立を手当てし、ガチで孤独に向かいましょう。それが孤独をパワーに変えていく道です。





Reference:





(*1) レビンソン:ライフサイクルの心理学(下), 講談社学術文庫, 1992
(*2) 塩月亮子/名嘉幸一: 「肯定的狂気」としてのカミダーリ症候群, 日本橋学館大学, 2002





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