【感情(怒りや恐怖)コントロールの方法】まず感覚を知ることから

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・感情をコントロールするのが苦手だ
・怒りや嫉妬、負の感情が爆発してしまう
・家族や恋人の前で感情的になってしまう

感情をコントロールすることは簡単なことではありませんね。ただ、いつもそれに振り回されているのもつらいことです。そんな人のために役立つヒントをお伝えします。

この記事は、のべ2万人余りの悩みを聴き続けている、マインドフルな臨床心理士が学んだことを中心に、従来の知見に止まらず、最新の知見を解説したものです。

この記事によって、感情をコントロールする原理が分かります。つまり、感情と感覚の親和性に気がつきます。その結果、豊かな生活は、まず感覚中心にすべきだと分かります。

前半では、感情のコントロールという問題についてのヒントを、
後半では、感情と感覚の関係について解説します。

ここでは、次の3つのことを解説します。
・感情を出せない人へのヒント
・怒りのマネジメントへのヒント
・感情を制するには、感覚を制すること

■感情を出せない人へのヒント

NASA/GSFC/Solar Dynamics Observatory
こころに秘めた様々な気持ち

感情をコントロールするには、まず感情の正体が分からなければなりません。自分の感情を把握する必要があります。カウンセリングで扱う主な感情は、次の7つです。

  • 不安
  • 怒り(嫉妬)/さみしさ
  • 恐怖
  • かなしみ
  • 絶望/孤独
  • 諦め(明ら目)
  • 楽しみ/喜び

先日、次のようなツイートをしています。

感情を出すのが苦手な人は「ごめん」とか「ありがとう」とかも表現しづらい傾向があります。そういう場合は、感覚を出してみることです。感覚を出すのは感情を出すよりもハードルが下がります。「このご飯、美味しい」とか「この歌のココ、いいね」とか。感覚から始めれば感情に接近していきます。

感情というのは、隣で認知が監視しています。そして自分の感情に対して、チャチャを入れてくるのです。それはいいとか悪いとか。だから、親の否定的な言葉が認知に刷り込まれている人は、感情を消して、認知に監視されないようにします。認知というのは、だいたいバカ(笑)なので、まんまとだまされます。

だから、認知の監視をかいくぐるためには、認知から遠いところにある、そして圧倒的なパワーを持っている【感覚】を感じるといいのです。認知が地球だとしたら、感情は月であり、感覚は太陽です。感覚(太陽)は認知(地球)から離れていますが、絶対的な存在感をもっています。

そして、「夕焼けキレイだね」「雨が冷たくて気持ちいい」など、感覚の言葉を使っていれば、その言葉は、感覚と隣接領域にある感情に接近してくるのです。その結果、感情の言葉を使えるようになってきます。

感覚→感情→認知の関係については、アートセラピーの大御所 Lusebrink の参考資料 (ETC)を参照ください(*1)。中心理論を図解したものを貼っておきます。

ETCの中心理論

例えば、私たちは、かなしいとき味(味覚)さえ分からなくなり、音楽(聴覚)さえ聞こえなくなりますが、人から握られた手のひらの感覚(触覚)は分かるかもしれません。

感情の津波にさらわれたとしても、感覚を感じていれば、助かる確率は高くなるでしょう。

ありがとうとか、ごめんとかは、言ってしまえば何てことはないのでしょう。行動してしまえばそれで終わり、と考える向きもあると思います。普通の人ならそれで問題ない、とにかく行動でOKでしょう。

しかし、感情がその言葉をストップさせている場合は異なります。いくら認知が「言え!」と感情に命令してもテコでも動きません。感謝の気持ちは沸いてきません。より強い感情で感謝の気持ちをストップさせに行きます。そのため【感覚からの支援が必要】という視点で見てください。

■怒りのマネジメントへのヒント

Multicolored hand
多彩な気持ちがあなたの中に在る

怒りの問題で悩んでいる人は多くいます。また怒りはすごいのに、悩んでいない人もいます。それらをまとめると半数くらいは怒りの問題があるのでしょうか。怒りをマネジメントする本が売れているのはそのためです。では怒りの何が悪いのでしょうか?

怒りに支配されている人は、他の多彩な感情に気がついていないということが重大な問題です。怒り自体は悪いものでもないのです。それが強烈すぎるところが問題なのです。では怒りのマネジメントをするには、どうすればいいのでしょう。結論は、他の感情に気づくことです。

次のようなツイートをしています。

感情はコントロールできません。感情の問題のある人にとってはアンガーマネジメントもストレス以外の何物でもありません。コントロールしようとすると大爆発が起こります。ですから、まずその感情を見ることです。感情は、怒りだけではありませんが、ひとまず怒りを見てみる。眺めている。それが第一歩。

まず自分の怒りを知ることから始めましょう。怒りを十分に【理解】できなければ対処のしようがありません。

次のような怒りのマネジメントが提案される場合もあります。

  • 深呼吸で鎮める
  • だまる
  • 目線を上へあげる
  • 体を動かす
  • 場所を変えて時間を置く(タイムアウト)
  • 感謝する
  • 意味付けを変える

意味付けを変えるとは、「最悪!」と感じていることを「これを糧にできる」というリフレーミングのことです。しかし、これは認知的にやっても失敗します。こういうときは、最悪という風に吹かれながら、90°方向へ飛行することです。参考記事を張っておきます。

▼気の流れや感情をマネジメントせず健康になるには?【結論:ゾーン】

しかしこれらは応急処置です。怒りをこのやり方で抑えたとしても必ず再燃します。なぜなら、根本にある理由の部分が手当てされていないからです。

手当てとは、怒りを良く観察して、自分がどうしてこの強烈な感情を抱くのかを見ていくことです。それには伴走者が必要な場合もあるでしょう。そのときはカウンセラーに相談することをおススメします。

でも怒りが爆発しているときはどうしようもない、早く納めないと大変なことになる、と思う人もいるでしょう。

そういう人に、とっておきのアートセラピーをお伝えしておきます。これは怒りを鎮めるというよりも、怒りそのものにアクセスしています。そして、これは視覚や聴覚や触覚にアクセスしているのです。

◇怒りのためのアートセラピー

用意するもの:
A4コピー用紙数枚、クーピー12色

  1. 黒でコピー用紙に四角の枠を描く。サイズはお好みで。
  2. その四角の中に、怒りを表現する。どんな表現でもいいですよ。抽象的でもOK. 具体例を貼っておきます。
赤→黄→オレンジという順で描きました

アートセラピーではありませんが、動画でヘンガオをやっていますが、あのヘンガオで、感情表現してもいいと思います。特に怒りの表現は、やりやすいのではないでしょうか。

また、怒りの問題は長い目で見ていくと、自己肯定感の問題につながってくるかもしれません。関連記事をご覧ください。

▼【自己肯定感】を育てる最強の習慣はコレ!~自分編【保存版】

■感情を制するには、感覚を制すること

Lusebrink の図版で分かったように、感覚は感情の下位にあるものです。ですからまず感覚を制すること。豊かな生活は感覚を中心に回っているのです。例えば、

  • 不安が襲ってきた
  • 手に温度差があったら、温かいほうで、冷たいほうの手を握る
  • その温かさを味わう
  • 逆の手で握り返して、冷たさを味わう

こうやって、感情を、感覚に戻しているのです。

コツ:1つではなく、色々な感覚を味わうこと。

■まとめ

感情を出せない人は、自分の感情を知るために、まず感覚を感じてみる。

怒りについてもコントロールしようとせず、感情をまず分かってあげ、感覚のほうからアクセスするやり方をお伝えしました。

最後に、感情を制するなら、まず感覚が第一歩という話をしました。

感覚を中心に豊かな生活を送れることを、お祈りしております。

Conversation with fresh green leaves
植物と交流してみましょう

Reference:

(*1) Kagin, S. L., & Lusebrink, V. B.: The expressive therapies continuum, Art Psychotherapy, 1978

なかなか感情を抑えきれないときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ

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