コミュ障の治し方4選!自分の感情に気づいて他人に集中してみよう

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・コミュ障の原因について知りたい
・コミュ障を改善する方法を知りたい
・コミュ障だから社会人になるのが怖い

こんな悩みを解決するための方法を紹介します。
臨床心理士がお伝えするコミュ障解消のための知恵は、のべ2万人の悩みを聴くなかで学んできたものです。もっとも重要な4つのことは下記になります。

  • 感情を表現する
  • 相手の話を傾聴する
  • 他人へ貢献する
  • 弱点をみせる

前半ではコミュ障の定義、誤解、原因について、
後半ではコミュ障の治し方について 解説します。

■DSM-5でのコミュ障の定義

先日こんなツイートをしました。

【コミュ障が治る人はコミュ障ではない】という当たり前のこと。精神医学的にコミュ障は脳機能の問題ですので治りません。諦めてください。しかし治る場合もある。それは単にコミュ障ではなかったからです。従来コミュ障はずいぶんと重い診断ですが、最近は意味もわからず使う人が多い。動画で解説します。

アメリカの精神疾患の分類と診断の手引の5版目がDSM-5によると、コミュニケーション障害が正式な病名です。

DMS-5では、まず【神経発達障害群】というのがあって、次の6群に分かれています。【発達障害】の区分がこれです。

  • 知的能力障害群 (ID)
  • コミュニケーション障害群
  • 自閉症スペクトラム障害 (ASD)
  • 注意欠如・多動性障害 (ADHD, ADD)
  • 限局性学習障害 (LD)
  • 運動障害群

コミュニケーション障害群は【発達障害】に入っているということです。つまり脳機能の障害です。人生の早期に発症して、次の4つに分かれます。

  • 言語障害→話す、書くなどが困難。知的能力障害は除外する。
  • 語音障害→言葉を発する困難さ。脳性麻痺などは除外する。
  • 吃音→いわゆるどもり。脳損傷による吃音は除外する。
  • 社会的コミュニケーション障害→自閉圏の障害と似ている。しかし知的能力障害や自閉症スペクトラム障害は除外する。

つまり、コミュ障とは、DSM-5によると社会的コミュニケーション障害であり、それは自閉症スペクトラム障害に似ているが、それには該当しないもの、というあやふやな定義になっています。私自身、コミュニケーション障害という見立てを付けたことは過去1度もありません。だいたい、知的能力障害か自閉症スペクトラム障害になるのではないかと思っています。IQ70-90の境界知能域あたりが該当するかもしれません。これらを見立てとしてまとめると、下記になります。

  • コミュ障とは発達障害の1つで、脳機能の障害である。
  • 知的能力障害か自閉症スペクトラム障害に近い障害である。あえて疾患名をつけるなら境界知能域。

こんなざっくりな見立てでいいのか?というと、これで十分と思います。脳機能の障害ならそれは心理カウンセリングよりもトレーニングが重要になってくるからです。さて、精神医学的にはこのような定義ですが、世間的にはどう定義されているのでしょうか。

■世間でのコミュ障の定義

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コミュ障とは病気でなく、つき合いにくい人。

世間ではコミュ障は、コミュニケーション障害として捉えているわけではありません。ややこしいのですが、【病気ではないが付き合いにくい人々】として定義されています。かなり幅が広いのです。

だとすると、これは病気ではないので、治す必要もなくなってくるわけです。ですから心理士としての出番もなくなります。治らなくてもいい【性格】だからです。

それでも、世間はそれを治そうとします。これはいったいどういうことなのでしょうか。まず、世間ではどう見られているかをまとめてみます。次に原因がありそうなら、その原因に対処できれば、改善はしそうですね。まず「コミュ障 治し方」で検索して、トップ10の記事からソレア流に構成しなおして、まとめてみました。

◇コミュ障の特徴

コミュ障の一番の特徴としてあげられるのが【感情を出さない】という性格です。英語でいうと Shyですね。かつての日本人ですね。いまはどうでしょう。ということは、昭和生まれはコミュ障だらけということになります。なんと!人口の70%以上です(*1)。

  • シャイshy→かつての日本人=【感情を出さない人】

コミュ障とは、この【感情を出さない】という性格の上に、【学童期・思春期心性】が乗っているイメージです。10代と呼ばれるこの時代のこころの特徴は、次の3つです。

  • 完璧主義
  • 人の目が気になる
  • 思い込み(マインドセット)がはげしい

その結果、次のようなコミュ障状態が出来上がります。

  • 雑談が苦手(軽度コミュ障)
  • 人見知り(中度コミュ障)
  • ひきこもり(重度コミュ障)

◇コミュ障の原因

Bullying
原因は、いじめと親の育て方の二択。

軽度コミュ障の場合は雑談力が足らないというだけなので、今回はそれは外します。中度コミュ障、重度コミュ障についての原因を解説します。
いろいろとある原因のうち臨床心理学的に重要になってくるものは、2つでしょう。

  • 親の育て方(心理的に学童期でストップしている親による子育て)
  • いじめ

特に親の育て方は大きく影響するところです。コミュ障の人は責任を他人におしつける傾向があります。これは本人も問題というよりも、親自身も責任をおしつける育ち方をしたので、それが世代間連鎖しているだけです。

「だけ」と書きましたが、この「だけ」がとっても高い山なんですね。エベレスト級の高山を無酸素で登る感じです。それくらい治療は困難を極めます。

これらの悩みで相談に来られる方も多いです。つまりコミュ障の原因は、臨床心理学的にまったくもって妥当とされているものなのです。そして着目してほしいのは、この2つは、【不可抗力】なのです。不条理な話なのです。本人のあずかり知らないところで、気づかないうちに進行していく病巣といえるものなのです。10代、20代は普通に過ごしていても、30代頃になって生きづらさが噴出してしまう。そして本人はその理由がよく分からない。

この2つが原因の上流とすると、下の2つの状態が導き出されます。ということは、上流の2つを解決すれば下流の流れも良くなります。

  • コンプレックス(劣等感)が強い
  • 自己肯定感が低い

ただ、上流の2つは治療期間の全般に渡って改善していく部分ですので、実際は、上流の2つと下流の2つを同時並行しながら進みます。ここまでがコミュ障の原因の理論的な解説です。ここまで分かれば、治療法も自ずと見えてきます。

■【コミュ障】の治し方

繰り返しになりますが、コミュニケーション障害は治りませんが、コミュ障は治ります。

◇ソレアのおススメの4つの対策

コミュ障の最大の特徴は【感情を出さない】ことでした。ですから、コミュ障を治すための最大の戦略は、

  • 自分の感情に気づいて、感情を表現する

表現は、言葉だけに限りません。絵でも、音楽でも、詩でも、なんでもかまいません。あなたにとって、一番やりやすい形で【感情を】表現してみることです。

記事は情報量が少ないですが、動画は傾聴について話しています。心理士にとって傾聴がいかに重要であるかという話です。ということは、心理職でない一般の方々にとっても同じように重要なスキルです。

コミュ障の人は【話す必要はありません】。相手の話を、全力で集中して聴く。このことだけでコミュ障の大半は解決すると言っても過言ではないでしょう。高橋和巳先生の本も紹介しておきます。

▼【高橋和巳】精神科医が教える聴く技術

コミュ障の原因の下流の2つが、コンプレックス(劣等感)が強い、自己肯定感が低いでした。関連記事を参照ください。この記事でできることを始めるとよいでしょう。そして最強は、【誰かのために何かをする】でした。

このことを粛々(しゅくしゅく)と続けていると、そのうち見える地平が違ってくるでしょう。

自分の強みを知るのではなく、自分の弱みを知って、それをさらけだすこと。カッコ悪い自分を認められるようになると、人生ほんとうに楽になりますよ。関連記事もぜひお読みください。

以上のソレア流のおススメをまとめると、コミュ障克服へのロードマップは、次の4つのことです。「かけっこ、弱い!」と覚えましょう。

  • 感情
  • 傾聴
  • 他者への貢献(自己肯定感)
  • 弱点をみせる

これだけカバーしていればコミュ障を克服できるのですが、最後に一般的にはどういう方法が実践されているのかをざっと見てみましょう。

◇一般的なコミュ障克服への対策

一般的な方法は、下記の会話スキルのトレーニング(*2)です。例えばYouTubeを1年もやっていれば話し方は慣れてきますが、それはコミュ障が治ったわけではありません。小さな成功体験を積み重ねることになり自己肯定感はアップしますが、根本の部分が脆弱ですので、なかなかブレイクスルーには至りません。

会話のトレーニングとは、以下の6つのスキルの習得です。

  • 相手に興味をもつ→人に興味が持てない場合、相手の仕事に興味をもつ。
  • 会話は協力型のゲームと考える→具体的には、どんどんと楽しい話をする
  • 会話には時間制限があると考える→だから、そのゲームを楽しもうとする
  • 質問力をつける→質問するには、相手の話をよく聴くことが前提。傾聴が必要。
  • 優位に立とうとしない→協力型のゲームであるので、自分が愚者になること。
  • 反則行為を知る→自慢しない、否定しない、「でも」という言葉の使用禁止

■まとめ

DMS-5の【神経発達障害群】にコミュニケーション障害があります。つまり発達障害の1つです。しかし、一般的にコミュ障という場合は、【病気ではないが付き合いにくい人々】というジャンルです。

コミュ障の特徴は、

  • シャイshy→かつての日本人=【感情を出さない人】
  • 完璧主義
  • 人の目が気になる
  • 思い込み(マインドセット)がはげしい

などで、軽度~重度まであるようです。

  • 雑談が苦手(軽度コミュ障)
  • 人見知り(中度コミュ障)
  • ひきこもり(重度コミュ障)

原因は、

  • 親の育て方(学童期)
  • いじめ
  • コンプレックス(劣等感)が強い
  • 自己肯定感が低い

治し方としては4つあります。

  • 自分の感情に気づいて、感情を表現する
  • 傾聴→聴くのみ。話す必要なし
  • 自己肯定感→他人へ貢献する
  • 弱点をみせる→恥をかく

最後に一般的な会話トレーニングの方法について解説しました。

Running through puddles

Reference

(1)総務省統計局, 人口推計(2018年(平成30年)10月1日現在) https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/index.html
(2)吉田尚記, コミュ障でも損しない方法38, 日本文芸社, 2018

自分はコミュ障で治したいと思っている方は、ソレア心理カウンセリングセンターへ

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