このテキストはビデオの補足です。ビデオを見ながらお読みください。
カウンセリングで一番大切なことは、聴くことです。ただ聴いているだけではありません。ただ聴いているだけですと、それは聞き流しているだけです。そうではなく、その人のことを理解しながら聴いているのです。
相手に理解されたと思うと、話し手はそこで緊張が緩んでホッとします。その結果、自分は大変だったな、と自己受容が進みます。これが傾聴の目的です。
カウンセラーが傾聴して、相談者のこころを理解することで、相談者の自己受容が進むこと。これがカウンセリングの目的です。つまり傾聴とは専門的な聴き方なのです。傾聴とは、話を遮らずに聴くことですが、ただ聴いているのではないのです。これをマスターするには何年もかかるでしょう。
けれど誰でも最初は初学者だったわけです。最初からそのような聴き方ができるわけではありません。ただそれに向けての熱意のようなものはあるでしょう。それがあるから、なかなか聴けなくても諦めることはないのです。
初心忘れるべからずとは、熱意を忘れるな、向上心を忘れるな、ということです。ある程度見立てられる聴き方ができるようになっても、それで終わりではありません。向上は永遠に続くわけです。それはその道からリタイアしても、その人の人生として、それは続いていくわけです。