海外生活とアイデンティティ【モンキーマジックx岡崎体育の留学生】

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10代からの留学生活(海外生活)が長いと、アイデンティティの形成に時間がかかることがあります。そのため、日本に帰ってきたときのリエントリーショックが長引き、長い抑うつ感に襲われることがあります。

留学生の学費が無料の国

モンキーマジックと岡崎体育のコラボ曲「留学生」は、タモリ倶楽部の空耳アワーのコンセプトで作られたトリックソングです。面白いです。

留学生といえば、ノルウェーは留学生の学費が無料で、かつ条件を満たせば返済不要の奨学金もあるそうです。

日本は知らないうちに学費がするすると値上がりしました。私が大学へ進学したときは、国立大学は学費が年間数万円でした。

今回の話は、アイデンティティの形成に難儀している留学生の話です。

海外生活とアイデンティティ

カルチャーショックは、海外へ行って数か月後に受けますが、2つめの谷は日本へ帰ってきたときのリエントリーショックで、これが長引く人がいます。

通常は学童期までにその人の生き方、つまり倫理規範が作られます。これを【R】とします。Rinri-kihan のRです。その倫理規範は親からもらったものです。ですから思春期に入ると、その規範を自分のものに建て直すために、倫理規範を崩す作業に入ります。これが反抗期です。崩したものは足元に散乱しており、それを再度組み立て直します。必要なら違う規範というパーツも入れ込んでいきます。この作業を10年近くかけて行うのです。ですから思春期という時間はとても大切な時間なのです。

この建て直した規範を【R’】とします。すっかり建て直されるのが20歳~25歳くらいでしょうか。その後は【R’】を拠り所として大人の人生を送ります。この【R’】はアイデンティティと呼ばれます。

翻って、10代からの留学生活(海外生活)の長い人の例を考えてみます。学童期に【R】が作られるまでは同じですが、思春期に入って、海外という環境、カルチャーショックの環境に置かれますので、この【R】の崩れる度合が大きくなるのです。ドカーンと遠くまで吹っ飛んでしまうのです。つまり、通常では目の届く範囲に崩れ落ちたパーツがあるはずなのに、海外にいてカルチャーショックを受けているゆえに、目の届く範囲に自分のカケラを見つけることができなくなるのです。そのため、規範を再建するには時間がかかります。

短い留学生活ですと、数年後には日本に帰ってくるので、崩れ落ちて見失ったはずのパーツも取り戻しやすいようです。ですが、5年以上、留学生活が及んでくると、特に15歳から25歳くらいまで長期に海外生活をしていると(つまり高校&大学&就職くらいの長さですと)吹っ飛んだパーツを探すことが難しくなり、倫理規範を建て直すにも時間がかかり、途方に暮れたりするようです。

このような人は30歳をすぎても依然としてアイデンティティが未完成であり、生きづらさに直面することになります。アイデンティティを形成する力がないというわけではありません。途方に暮れているのです。私のカウンセリング経験でも、このような人は数名いました。

またリエントリーショック(カルチャーショックの2つ目の落ち込み)も長引くことがあるようです。つまりアイデンティティが未完で自分を見失っているため、母国に帰ってきてもなかなか抑うつ感が取れないのです。

では、長期海外生活者のアイデンティティの完成や抑うつ感の改善はどうすればいいのでしょうか。この人々は倫理規範を再建する力は十分に備わっている方々です。ですから、時間をかけてご自身の10代~20代を整理していくことです。そこで見えてくるものがあり、吹っ飛んでどこかへ行ってしまったと思っていた自分のカケラを探し出すことができるでしょう。

さらに彼らは、海外生活という他の人では経験したことのない経験をしているため、倫理規範を再建するときに、国内にいる人では手に入らないようなカケラを自分の再建物(アイデンティティ)の中に取り込むことができるのです。倫理規範を再建できたときには、他の人より柔軟なものを作り上げることができるでしょう。

最近はダイバーシティという多様性という言葉が言われますが、この多様性に優れたアイデンティティを形成できるチャンスはあるのです。そういう作業をカウンセラーとしていくといいでしょう。途方にくれていることがその人にとってメリットとして働くのです。

10代のうちの短い留学や20歳を越えての留学(海外生活)については、問題にならないようです。なぜなら前者は倫理規範が吹っ飛んでもすぐに発見しやすく、後者は倫理規範が再建されてしまってから海外へ行く話ですので、倫理規範構築という視点では問題にはなりません。

海外から帰国後の抑うつ感が長引くときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ。

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