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ソレア心理カウンセリングセンター

2020.05.15(更新日:2020/05/19)  |愛着とトラウマ(虐待)

臨床心理士が学んだ【HSPと虐待】の密接な関係と生き方、9つのコツ



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・幼いときから緊張して(恐怖を感じて)生きてきた
・他人のささいな言動にすぐ動揺してしまう
・大人数がダメで、人込みが苦手で、帰宅するとぐったり
・音やにおいに敏感





こんな悩みをお持ちのあなたへ。





あなたはHSP(Highly Sensitive Person)か被虐者の子どもかもしれません。





この記事ではHSPと被虐者2世との関連を理解しながら、どうすれば楽に生きられるのか、9つのコツを紹介します。ガイドの臨床心理士がお伝えする知恵は、のべ2万人の悩みを聴くなかで学んだものです。





・HSPチェックリスト
・HSPの4つの特性 DOES
・HSPと被虐児の子どもとの関係
・生き方の9つのコツ





具体的なコツに行く前に、HSPと被虐者の子どもとの関係の理解を深めましょう。





■HSPチェックリスト





Sprout and water drops
一瞬で零れ落ちそうなほど繊細なひとしずく




HSP(Highly Sensitive Person)とは超敏感な人。アメリカのエレイン博士が考えた性格です。病気の症状ではありません。博士の全21項目のチェックリストがあって、12以上該当するとHSPであるといいます(*1)。人口の20%がHSPらしいです。





1 自分を取り巻く環境の微妙な変化によく気づくほうだ

2 他人の気分に左右される

3 痛みにとても敏感である

4 忙しい日が続くと、ベッドや暗い部屋など、プライバシーが確保されていて、かつ刺激から逃れられる場所に引きこもりたくなる

5 カフェインに敏感に反応する

6 明るい光や強いにおい、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい

7 豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい

8 美術や音楽に深く心を動かされる

9 とても誠実である

10 すぐに驚いてしまう

11 短時間にたくさんのことをしなければいけない場合、混乱してしまう

12 人が何か不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐ気づく(例えば電灯の明るさを調整したり、席を替えたりするなど)

13 一度にたくさんのことを頼まれるといやだ

14 ミスをしたり、忘れ物をしたりしないようにいつも心がけている

15 暴力的な映画やテレビ番組は観ないようにしている

16 あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経がたかぶる

17 生活に変化があると混乱する

18 繊細な香りや味、音楽を好む

19 普段の生活で、動揺を避けることに重きを置いて行動している

20 仕事をするとき、競争させられたり、観察されたりしていると、緊張していつも通りの実力を発揮できなくなる

21 子どものころ、親や教師は自分のことを「敏感」とか「内気」と思っていた





どうでしたか。あなたは何項目あてはまりましたか。たしかにこれは何かの病態ではありませんね。こういう人いるなーという感じを受けます。HSPについてもう少し続けます。





■HSPの4つの特性 DOES





HSPは、大きく分類すると4つの特性があると言われます。DOES と言われるもの。





【Depth of processing】考え方が複雑で、深く考えてから行動する。この特性によって効率的に行動でき、細かいところに引っかかることができます。IT業界とか出版業界とかでは重宝しそうですね。





【Overstimulation】刺激に敏感で疲れやすい。人間関係ではすぐ疲労しますが、そんな自分の特性を理解しているため、守りに強かったりします。あきらめない性格ですね。





【Empathy and emotional responsiveness】人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい。人の目が気になってしかたないですが、共感能力が高いというのは、人間関係を継続していく上では最も大切な能力です。親友と呼べる友人がいます。そのことで困難を乗り切れる資質をもっているといえます。





【Sensitivity to subtleties】あらゆる感覚がするどい。これも疲れる原因ですが、より深く物事の陰影をとらえることができ、芸術活動には必要な資質ですね。





余裕がないときはマイナス面として働きますが、十分に余裕があるときはプラス面に転じる特性をもっているということです。





■HSPと被虐者の子どもとの関係





Blue water drops
ひとしずくが零れ落ちてしまうと。




(動画はここがメインです。私の臨床経験から得た独自の知見になります。)





エレイン博士のHSPの特性を見てみると、被虐者も、被虐者の子どもも、カウンセリングで話を聴いていると、上記のようなHSPの特性を見出すことができます。ですから、このチェックリストは、HSPかどうかを見るためのものではありますが、被虐者か、あるいはその子どもかを見立てるうえでも十分に使えるリストになります。





カウンセリングでは、被虐者か、被虐者の子どもかを見立てるのは重要な作業になりますから、その補助として、このHSPリストが使えるかもしれないのです。ここでは、愛着臨床をやってきた経験をふまえて、HSPと虐待の関係についての気づきをお伝えします。





HSPとは、そういう診断名はないし、病態でもありませんでした。いわゆる「そういう人」という状態を表したものです。病態ではないので、カウンセリング的には「そういう状態」ですからそれを治す必要もありませんし、エレイン博士も、HSPは性格だから治らないと言っています。





ここで虐待関連の言葉で、異邦人2世という概念があります。こちらはHSPよりは知られていませんが、精神科医の高橋和巳先生の造語で、異邦人の子ども、つまり被虐者を親にもつ子どものことです。





私がときどき話す、藤圭子と宇多田ヒカルの関係です。藤圭子は被虐者で、宇多田ヒカルは異邦人2世です。





HSPも異邦人2世も、どちらも診断名としては使えませんが、心理学的な拠り所としては、つまり見立てをしていく上では、使い心地の良い言葉かと思います。分かりやすい言葉ということです。そして、この両者は互いに関係しているのではないかというのが、私の知見です。





HSPと異邦人2世、これらの言葉を見直しつつ、相談者の方々を眺めてみると、より確かな見立てに修正されていく感覚を何度か持ちました。HSP、異邦人の言葉を知って10年くらいになりますが、ようやく座り心地のよい言葉として私の中に定着したようです。





これらの関連性から見えてきたものがあります。それは大まかにいえば精神発達的には、どちらも成人期まで達しているということです。





さて、ソレアのカウンセリングルームには異邦人の方が多く来談しますが、異邦人2世も多いです。そしてHSPの人々の多くには、この異邦人2世が居るように思います。結論としては、HSPは異邦人ではないけれど、それに準じる人々であるということです。つまり異邦人2世である確率が高い。





異邦人2世の人は、成人期まで通常の心理発達をしているので、通常の成人期のカウンセリングとなります。葛藤の解消を主体にしたものになります。それプラス、自分の母親が異邦人であったという理解をしてもらうことになるのです。





通常のカウンセリングではありますが、思春期などを引きずっている人もいます。その葛藤は解消していくべきところでしょう。また異邦人の母親に育てられているので、愛着たっぷりに育ったわけでありませんから、人生がキツイことには変わりありません。他人を批判することのない異邦人は、自分だけを責めて生き方がキビシイですから、異邦人2世もその特性を持っているということですね。





HSPとACとBPDの概念は、重複しているように思います。1990年代はAC、2000年はBPD、2010年以降はHSPが話題になっていますね。そんな時代の変遷があります。そうなると、HSPは病態ではないが、臨床疾患を考えるうえで非常に参考になる概念でしょう。





ここでHSPと虐待の関係が見えてきました。次に彼らがどう生きるかという問題について、簡単に触れたいと思います。





■生き方の9つのコツ





大きな視点でみると、一般的に言われているコツとソレアのコツは少し違っています。その差をお伝えします。私としては、両方を適度に使っていけばいいと思います。一般的なほうはNPLとい技法がベースにあるように思います。





◇一般的な(NLP的な)4つのコツ





一般的なコツは、ちょっとキツイかな、アメリカ人なら考えそうなところでしょうか。無理せずにやっていきましょう。HSPにも、異邦人2世にも使えます。やれなくて凹む必要はありません。そのときは、すぐにソレアのコツに移行してください。





・【DOESをリフレーミングする】リフレーミングとは短所と思えるところを長所と意味づけることです。フレームを変えるから、リ・フレームです。ただ、本当のリフレームというのは難しいのです。結構ムリクリやっている人もいます。そんな気がしたら、そのリフレーミングはリフレームされていないのでしょう。本当のリフレームは自然な感じですから。





エレイン博士は、「HSPは、高い創造性、洞察力、情熱や思いやりなど、社会が高く評価しているものを持つグループに属しているのだが、そんなことは思いもよらない。これはひとつのパッケージなのだ。私たちの特徴である敏感さは、用心深さ、内向性、ひとりでいる時間の必要性などと一緒にセットになっている。(*2)」とリフレームしています。





・【物事を客観的に映画のようにみる】自分が遭遇している状況を、目の前にスクリーンをイメージして、まるで映画を見ているように客観的にみます。これはマインドフルネスということです。





・【映画を高速でコマ回ししたり、逆回ししたりする】こちらもNLP的な、催眠的な技法ですね。さきほどイメージした映画を、高速でコマ回ししたり、逆回ししたりします。そうすると嫌な人だと思っている人の行動が非常に滑稽な動きになって笑いさえ出てくるでしょう。





・【他人を気にするスイッチを切る】他人の目を気にするという敏感さのスイッチを切るということです。「はい、これからスイッチ切ります。1、2、3、はい!」という掛け声を実際に口に出してスイッチを切ります。まあ、強引なやり方ですが、こういう行動療法的な方法もあるということです。





◇ソレアのおススメする4つのコツ





・【気質だから治らないし治す必要もない。それと共存して生きる】コロナと共存するような感じですね。戦わない、競争しないということです。そうやって日常をすごすのです。実際に、それは治す必要もなく、DOESの内容のところで触れましたが、良い資質としても使えるのです。





・【サラリーマンを捨てて、本道から外れて、わき道を生きる。社会不適合者を生きる、なるべく緩くサボリながら生きる】社会に対しての不適合者と、自分をリフレームして、その人生を生きてみるのです。今風の言葉でいうとノマド的といいますか、フリーランスといいますか、フリーランスは不適合者多いですかね笑。





・【IT業界(プログラミング、SE)で生きる。FXなどの金融商品はNG】IT業界や芸術系は非常にマッチしているでしょう。ただ、お金がからむ株やFXは止めたほうがいいでしょう。常に気になってしまって、今を生きている感じから遠ざかってしまいます。幸せから遠ざかってしまって、HSP的な良さが逆にマイナスに働いてしまうかもしれません。





・【睡眠確保(8時間)、徹夜はNG】徹夜がNGの人が多いので、しっかりと睡眠はとってください。成人なら7時間で十分なのですが、それをもう1時間多めにとる。朝の時間が少なくなるじゃないかという意見もありますが、それだったら早く寝てください。そのくらい睡眠はしっかりと確保することです。





◇道具





こんな道具があります。静寂が欲しい人には最適なものです。ADHDの方も使ったりしていますね。一番有名なところを紹介しておきます。どこのメーカーでもいいです。





・【静寂を得るために】BOSE社のノイズキャンセリング機能がついたイヤホン





■まとめ





HSPと被虐児の子ども(異邦人2世)は非常に似ているのではないか、これは臨床上の回復を進めるうえでの羅針盤になるかもしれないという話をしました。また生きやすくなるための9つのコツを紹介しました。





・【DOESをリフレーミングする】
・【物事を客観的に映画のようにみる】
・【映画を高速でコマ回ししたり、逆回ししたりする】
・【他人を気にするスイッチを切る】





・【気質だから治らないし治す必要もない。それと共存して生きる】

・【サラリーマンを捨てて、本道から外れて、わき道を生きる。社会不適合者を生きる、なるべく緩くサボリながら生きる】

・【IT業界(プログラミング、SE)で生きる。FXなどの金融商品はNG】

・【睡眠確保(8時間)、徹夜はNG】





・【ノイズキャンセリング機能がついたイヤホン】





生きるうえでの何かの参考になれば幸いです。





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Reference





*1)『ひといちばい敏感な子』エレイン・N・アーロン、一万年堂出版より
*2) エレイン・N. アーロン(2000).『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』講談社





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