こんにちは。高間です。
これまで、のべ2万人の悩みを聴き続けているマインドフルな臨床心理士です。
この記事は、毎日を健康に生きるエッセンスをお伝えします。
・自分は大人になりきれていないのではないかと、自問自答する日々だ。
・いったい自分探しって何なのだろう。
・自分探しって必要ないって言う人もいるが…
そんな悩み(不安)を持って生きているあなたに、何かのヒントになればと思い、記事にしました。この記事のポイントは、
- 自分探しは一生続く。ダイアモンドの原石磨き。だから楽しい。(前半)
- 自分探しは、自分の【感情を】探すこと。そしてどの時代の感情を探すのかは人によって違う。(後半)
■自分探しは一生続く
自分というものはよく分かりません。だから自分探しは一生続きます。探そうとしても探せないというジレンマがあります。次のツイートにあるように、これは、障害者が「障害を受容する」ことの難しさと同じです。
【自分探し】は障害の受容と似ています。障害は受容しようとしても受容できない。自分探しは、探そうとしているうちは探せない。この法則は、シンプルなものを探したりするときに、すべて当てはまるでしょう。シンプルって、近そうに見えてとても遠い感じ。シンプルは簡単なことではないのですね。幸せの【青い鳥の法則】です。(ツイート改訂)
チルチル・ミチルの青い鳥を探しにいく話は、幼少期に皆さん読んでますよね。あの話は、幸せを探しに出た彼らが見つけた幸せは、実は身近にあったという、人生の真実を解いた作品ですね。しかし、それは身近にあるけれど、それを見つけるまでは長い旅が必要だ、ということも解いています。
さて、【思春期】は代表的な自分探しの時間といえます。長い時間をかけて、自分というもの、心理学的にいうと【アイデンティティ】というものを探す旅に出ているわけです。その旅の果てに、つまり思春期が終わる頃(だいたい25歳くらい)に、その自分のアイデンティティを発掘するわけです。
発掘したこのアイデンティティは、自分の原石ともいえるものです。採掘されたままのダイアモンドの原石は、まだ光り輝いていません。磨きを何度もかけることで、キラキラとした個性豊かなダイアモンドになっていきます。
人の生き方も同じです。アイデンティティに磨きをかけていく。そう考えると、自分探しは一生続くということになります。長い道のりですから、自分探しを楽しく続けられるといいですね。
また、真実というものはなかなか見つけにくいということがあります。これは、私の人生を振り返ると、そういう法則があるように思います。これを意識的に感じたのは私の催眠体験でした。
◇真実に近づいた催眠での体験
催眠療法家としては、さまざまな催眠の誘導を学ぶのですが、その中で「ハイヤーセルフ」セッションというものがあります。簡単にいうと、自分の中の「内なる神さま」に会いに行って、いろいろと指導してもらうような感じです。このセッションを誘導していると、皆さん、だいたい神さまに出会うんですね。しかし、そんな簡単なものなのか?とずっと思っていました。
実際、出会う神さまは、ほとんどはその人が作り出したイメージなんですね。それだから本物ではないよ、というのはそのセッションの目的ではありません。どんなイメージだったのかが重要なだけですから。イメージに出会うことが催眠の目的ですからね。なにごとも心理的なアプローチは、この【イメージ】を取り扱うものですから、神さまのイメージに出会うこと自体は問題ではありません。
ただ、この出会った神さまを、ほんとの神さまと勘違いしないでほしいのです。本物ってのは、そう簡単に会えません。あるとき、別の催眠誘導セッションを受けているとき、私は夜の海辺で座っていました。そして私の右側に、何かが座っている気配がしました。それを見ようとすると消えます。視線を海へ戻すと、やはり「その気配」を感じます。また見ようとすると消える。
真実のようなものって、こういう感じなのだと、そのとき催眠の先生は話していました。見ようとすると見えないものなのです。そういうふうに自分を探していく。そしていつか出会っていくのでしょう。それまで原石を磨く作業は続いていきます。
この作業、大変だなって思う人もいるでしょう。しかし、ダイアモンドが磨きあがっていく工程は、ワクワクもするでしょう?楽しくもあるのです。「磨けば光る」ってのは、まさに真実なのでしょう。磨いている間って楽しいものです。
「世の中にはデータというものがあるじゃないか、あれがすべての真実だ」と断言する人もいます。それはマーケットの法則に沿った真実ですね。それだけです。自分探しというものはそういう部分とは切り離されたところにあると、私は思うのです。いかがでしょうか。
■自分探しは自分の何を探すのか?【結論:感情です】
自分探しは一生続きますが、【アイデンティティ=自分の原石】探しは、思春期が終わる頃、完了します。しかし、この時期を長く引きずる人がいます。それを解説したのが次のツイートです。
自分探しっていうのは何をやっているのか?ここで長い間つまずいている人は、自分の【何を】探しているのか考えてみるといいですよ。ヒントは、自分の【感情を】探していることが多いです。自分の感情が分からなくなっているので、自分も分からなくなっています。ということは、感情を発見できれば自分探しが終わるということです。しかし、感情というのは重層的につならっているので、感情のアーク(インディ・ジョーンズ!笑)を発見するのは簡単ではありません。(ツイート改訂)
自分探しといっても、なんだか漠然としていますね。目的語がないからです。ここで自分の【何を】探しているのか?を明確にすると、少しは漠然とした中に輪郭が見えてくるでしょう。この【何を】に入るものは、人によって違うでしょうし、時期によっても違うでしょう。
しかし多くの人の場合、【感情を】探していると補足すると、しっくりくるでしょう。この文章に興味があって読んでいるあなたは、おそらく感情のことで悩むことが多いのではないでしょうか。人間って感情豊かな動物ですから。一日のうちで感情が認知を飛び越えて暴走することだってありますからね。
例えば、心理カウンセリングを考えてみましょう。カウンセリングは何をやっているのでしょうか。それは【自分に気づく】作業をやっているのです。これはある意味【自分探し】ですね。そして、カウンセリングは、自分の感情を幾重にも重層的に、長い年月をかけて見て行くのです。まさにツイートした内容のことをやっているのです。
そのくらい感情を探す(気づく)というのは大切で、時間のかかる作業になります。まさに自分探しです。
■自分の【どの時期の】感情を扱うか?
自己啓発という分野があります。アドラー心理学、最近ヒットした自己啓発系心理学です。その領域では自分探しはやりませんね。認知行動療法でもやりません。それは自分というものがあまりに漠然としすぎているからでしょう。
私も「自分探し」とはあまり言いません。「自分の原石」探しくらいでしょうか。先に紹介したツイートでは【自分の感情を探す】と、自分というものを少し限定的に明確にしました。
さて、次のツイートをご覧ください。
【自分探し】は自己啓発界隈では否定される行動の1つです。しかし、これは一括で否定されるべきものでなく、まず自分探しといっても3つあるのです。それは、①小学生、②高校生、③大人の3つ。そして自分がどの自分探しをやっているか分かってくると、そこから新しい世界が広がっていくことを体験する。否定してくる自己啓発界隈の人々は、否定しながら実は、小学生の自分探しをしていたりします。(ツイート改訂)
「自分探しは、①小学生、②高校生、③大人の3つ」という表現はいいかえると、次のどの時期の自分の感情を探しているのか?ということになります。
- ①学童期
- ②思春期
- ③成人期(今)⇒この文章を読んでいる方は「大人」であると想定しているから、「今」です。
つまり、どの時期の自分の【感情】を探しているのか?といいかえると、もっと限定的に照準が定まってきます。どの時期に、どんな感情がつまずいているのか?ということです。専門的にいうと、どの時期に固着しているかということ。そして、そのつまずいた感情を、自分で分かってあげることが自分探しの究極の目的になります。
アドラー心理学は、成人期向けの心理学ですが、そこへ流入していく人の中には、学童期でつまずいている人も多いような印象をもっています。
■まとめ
自分というものはそう簡単には見つかりません。一生くらいかかります。それはダイアモンドの原石を磨くようなものです。だから楽しい。
自分探しは、自分の【感情を】探していると補足してみると、これらの人生の歩いていく道筋が、より鮮明に見えるかもしれません。
感情を探すとき、自分の【どの時期の感情か】も明確にするといいでしょう。どの時代かは、人によって違います。
長い人生です。あなたの感情を見つける旅を楽しんでやっていきましょう。
自分の感情になかなか触れられないときは、ソレア心理カウンセリングセンター(埼玉県)へ