LGBTはよく聞きますが、LGBTQのQ(クエスチョニング)についての話です。性別違和の一ジャンルとして登場したクエスチョニングですが、それは正しいのか?性別の混乱の本質は何かについて考えます。
その前にマツコとはるな愛について整理しておきます。
自由に葛藤を話して整理したいときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ。
相談するマツコデラックスはG、はるな愛はT
マツコデラックスと、はるな愛の違いは何でしょうか。彼らは身体的には男性です。LGBTを考える上で重要なポイントは、身体性と性自認の関係です。
L:レズビアン
G:ゲイ
B:バイセクシャル
T:トランスジェンダー

LGBまでは身体性と性自認が一致しています。Tのトランスジェンダー一致していません。逆になっています。これを確認した上で彼らのことを考えましょう。
マツコは身体的に男性であり、自分のことを男だと認識しています。ですからゲイということになります。
はるな愛は身体的に男性であり、自分のことを女だと認識しています。ですからトランスジェンダーになります。
性同一性障害(性別違和)で問題になりやすいのは、このトランスジェンダーの人々です。自分の性別の違和感を感じて、葛藤が生じ、カウンセリングへ来たり、性転換手術を受けたりします。
レズビアン、ゲイ、バイセクシャルの人々は身体性と性自認が一致しているので、スッキリしています。一般の人と違うのは性的指向が違うだけなので、それについては当事者は問題視していない人々が多いでしょう。
LGBTQのQは何か?
ところで最近は、LGBTQとも称され、Q (Questioning)クエスチョニングというものも入ってきています。このQは、自分の性自認にいつも疑問を持っている(いつも質問している)人と定義されています。
つまり昨日は女性と思っていたが、今日は男性だな、と性自認が変動するのです。常に変動しているわけなので心理的には落ち着かない状態です。LGBの人々のようにスッキリとはいきません。
LGBTという4つで俯瞰してみると、これらの人々は、性自認はどちらかにはっきりとはしているのです。自分は男だ、自分は女だ、という視点でみるとはっきりしています。
トランスジェンダーの人も身体性と性自認は反対ですが、自覚しているという点ではハッキリしているのです。それに比べてQは、はっきりしていないのです。
ということは、このQは性同一性障害に入れていいのか?という問題定義も出てきそうです。つまり、LGBTQのQの人々は性別の悩みが本態ではないのではないかということです。
解離性障害との関係
解離性障害の定義を考えてみましょう。以下の5つでした。
(1)健忘 (amnesia):自分の経験を忘れる。
(2)離人 (de-personalization):自分が自分でないような感覚。
(3)疎隔 (de-realization):外界が馴染みなないような感覚。
(4)同一性混乱 (Identity confusion):同一性の不確実さ。性的同一性の混乱も含む。
(5)同一性変容 (Identity alteration):交代人格の出現
ここで(4)同一性混乱 (Identity confusion)に注目すると、性的同一性の混乱も含むとあります。LGBTQのQの人々の悩みと一致するのです。
ですから、Qの人々というのは、性同一性障害として見立ててカウンセリングするのではなく、解離性障害としてカウンセリングするという視点も保持しながら話を聴いていくことが大切です。性同一性障害と解離性障害は、その背景が全く異なるからです。
また思春期の人々もまだ自己同一性が確定する前ですので、性的な同一性も不安定なことがあります。性別に対しての混乱もあります。ジェンダーの混乱はよくある話です。少女マンガはジェンダーの混乱が花盛りです。
これを踏まえて、性別の不安定な訴えをする人々は、それが性同一性障害なのか解離性障害なのか、はたまた思春期の問題をひきずっているのかを、注意深く話に耳を傾けていることが重要になります。こちらから何かそれに関する質問をするのではなく、相手がポツリポツリと話す中から、それらを読み取っていく傾聴力を発揮させることが必要です。