家庭が虐待環境にある子どもたちのことを考えるなら、早期の学校再開を検討してください。3つが提案があります。
・教師とSCによる定期的な家庭訪問
・児童館の再開
・学校の再開
大人は会社を閉鎖してテレワークしていていいので、学校は被虐児にとっては家庭も同然なので、閉鎖しないでくださいというお願いです。
■被虐児の割合
いったいどのくらい家庭が虐待環境なのでしょうか。最低でも1%はあります。
◇厚生労働省 平成30年度の児童虐待相談件数
2019.08.06の発表によると(*1) 159,850件です。約16万。しかしこれらは4つの虐待の総数であり、社会的ネグレクトは含まれません。
社会的ネグレクトとは、養育者との情緒的な交流が阻害されている状態をいいます。幼児期に養育者が頻繁に変わった、養護施設で多くの子どもに担当者一人という薄い愛着関係なども含まれます。
4つの虐待とは、心理的、身体的、養育放棄、性的です。これらは一時保護など行政が関われますが、社会的ネグレクトは関わることができません。できるとすれば、彼らの逃げ場の確保です。それが、学校や児童館などの公共施設です。
この社会的ネグレクトはどうすればカウントできるのでしょうか。SCの力がここでは必要です。十分に虐待研修を受けたSCが担任と連携して一緒に児童の家庭へ行って調査するのです。SCなら行動観察、環境観察でおおよそのことは分かるでしょう。
◇総務省統計局 子どもの人口
2019.04.01 の発表によると(*2) 1533万(15歳未満)です。単純計算で、社会的ネグレクトを含まない数として、1%、子どもの100人に一人が虐待環境にあることを示している。
1% というと少なすぎる印象があります。私としては 5%くらいを見ています。つまり1クラス1.5人です。
最低でも1%いる子どもを助けるために、学校を開くという選択肢はアリなのではないでしょうか。
■児相や警察の介入のない多くの被虐児が助かる場所は?
・学校
・児童館(公共施設)
・友だち
この三択です。しかしこれらは、自粛によって使用できない状況です。すると、自宅でひっそりと暮らすしかない、つまり虐待環境に継続的に置かれて、彼らは高ストレスを浴び続けることになります。
■どうすれば救えるのか?
・教師とSCによる個別家庭訪問をする。今は先生は授業がないし、SCも学校へ行動観察へも行かないので、代替仕事としてやるリソースは十分にあると思います。
・公共施設のフルオープン(夜遅くまで)。ここはゼヒやってほしいです。子どもたちができるだけ家に帰らないようにするために、夜遅くまでやってほしいです。定時は夜8時でしょうか。
・学校を再開する。これに尽きます。
これが結論です。
Reference:
*1) 厚生労働省 報道発表資料 平成30年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数 (速報値), 2019.8.01速報 (2019.08.06)
*2) 総務省統計局 統計トピックス No.120, 2019.5.4 (2019.04.01データ)