旅が楽しめない人への2つのヒント【遠くへ行きたい】

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・旅を楽しめない
・旅をしたことがない
・観光をしたことがない
・なじみの店を持つのが怖い

そのような愛着に起因するかもしれない悩みをお持ちのあなたへ。

この記事では親密さが怖い人々が旅をするためのヒントを2つ紹介しています。

・コロナ的な店舗システムの距離感
・ジャズ喫茶的なシステムの安心感

■遠くへ行きたい

1970年代初頭の、永六輔がメインパーソナリティだった旅番組です。日本に留まらず世界へ足を延ばしていく、いまでこそ旅番組はたくさんありますが、当時は少なかったのです。その希少性に輪をかけて永六輔という個性的なパーソナリティを持ってきたのですからウケないわけはない。

あの番組をきっかけにJR(当時はまだ国鉄)の Discover Japan という名コピーが生まれます。そういえば番組の提供は国鉄でしたでしょうか。

旅に出て、さすらいながら人と交流することが番組のテーマでした。そういうものがないと見ているほうも面白くないでしょう。それは普通の人々は、愛着のある(In-attachment)の世界で生きているからです。

◇旅をするのは愛着ベースの行動

日常から別の体験をするために旅に出かけるわけですが、その日常、我々は愛着というものに縛られて生きています。つまりIn-attachmentの世界です。そこからちょっと自由になるために旅に出ます。これはIn-attachmentが前提なので、自由な行動をとれるのです。つまり愛着が切れていないので、安心して外へ(旅に)出られる。

これは宇宙船の船外活動と同じでしょう。命綱で結ばれているから、船外へ出ていけるのです。

若い頃は、日常が面倒になってひとり旅をしますが、あれも「つながっている感覚」があるからイキがって、ひとりで旅ができるのです。Out-attachmentを目指そうとしているように見せながら、実はIn-attachmentを生きている。旅はその愛着をベースにして、知らない世界をみたいという欲求で動いているだけです。

しかし、つながっている感覚を持たない人が旅に出ると、旅というものを体験している感じがしない。

■旅をしたことがない

旅行に行った感じがしないという人がいます。観光というものをしたことがないといいます。人は楽しみのために旅をするのですが、そういう人の旅は、移動するためです。新婚旅行さえも、新婚移動になってしまうのです。家族旅行も家族移動。移動なので、そこに楽しみなどはありません。

旅行でなく移動という感じは、家族がうっとうしくなる反抗期の10代の頃はあるかもしれませんが、旅をしたことがないという人は、反抗しているわけではありませんし、その感じが10代で終わることもありません。

移動している感じが40代、50代とずっと続くのです。ですから家族旅行していても何も楽しくありません。

このような人は愛着に苦悩する人といえます。根っからのOut-attachmentです。In-attachmentの人と根本的に生きるシステムが違っているのです。

■店に長く通えない

なじみの店が出来ても、当初は遠くから見てくれていたマスターがだんだんとこっちへ近づいてくる。そういう、親密になってくるのがイヤで、いい場所だったが行けなくなってしまう人もいます。

行くたびに親しくなってくる。この感じがダメなのです。この感じは「旅をしたことがない」という人と似ています。愛着に苦悩してきた人です。Out-attachment なのです。

マスターが遠くから小さく声をかけたりできればいいのですが、マスターが普通のIn-attachmentの人だとちょっと難しいかもしれませんね。近寄るのがなぜ怖いのか、その理由が理解できないからです。

■そんな人が旅ができるようになるための2つのヒント

◇コロナ的店舗システムを求めて

2020年の春先は、世界はコロナで沸き立っています。それで店舗の場合、客どうしの間隔をかなり開けて接客しています。テレビのキャスターもそんな感じ。みんな遠く距離をとるのが常識になっています。

この常識、「旅をしたことのない」Out-attachmentの人にとっては好都合です。

距離が離れているので親密にならなくて済むし、また一人でいても全く普通の世界が現実化しているからです。

この時期にできるだけそういう環境に慣れておくことがいいかもしれません。外出自粛ですが、店に行ってみると歓待されますし、ポツリ、ポツリと座ることができる。

こういうことに慣れるためにはもってこいの環境が作り上げられています。

話は変わりますが、引きこもりで家から出られない人も、こういう時期に、逆に、家から出て、町の様子を体験しておくのもいいでしょう。

◇ジャズ喫茶のシステムは画期的だった

昔のジャズ喫茶は「しゃべってはダメ」というシステムが出来上がっていたので、Out-attachmentの人は楽なのです。マスターも不用意に近づいてこないし、客として座っていても、ジャズ喫茶のシステムに乗っかっていればいいだけなので、安心してひとりで居られます。都合のいい空間でした。

気さくな空間でなかったので安心できたのです。そこを勘違いしてか、たまに愛想よくしてくるマスターのジャズ喫茶やジャズバーがあったりして、そういう店には二度と行かないでしょう(笑)。

今21世紀になって、ひとりでいることが許されなくなってきているようです。SNSの普及は、その世界をもっともっと縮めていきます。In-attachmentの普通の人には都合よくできた世界になっていますが、Out-attachmentのマイノリティーの人には、だんだんと住みづらくなっていっています。

でも彼らはひとりで生きてきたわけですから、人工衛星になったり深海魚になったりして、何かしら生きていくのでしょう。

クラシック中心の名曲喫茶もジャズ喫茶のような香りを持っています。数が少なくなっていますが、そういう場所を求めていくことも、それ自体がOut-attachmentの人にとっては旅の楽しさにつながっていくでしょう。

■まとめ

2020年の春は外へ出るチャンスです。外出自粛で屋外では親密さが低下しているめったにないチャンスです。家を出て、店へ行ってみましょう。

そしてジャズ喫茶や名曲喫茶を訪れてみる。これが愛着に苦悩する人々の旅の第一歩となるでしょう。

それらの環境を楽しめるようになります。これが旅です。

愛着の問題を解決したいときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ

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