【満員電車にダッシュ】のは世界に乗り遅れないため

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満員電車へダッシュする人々は、心理的にみると色々な人がいます。その中に、世界に対しての恐怖にせっつかれるように猛ダッシュする人もいるのです。そういう人の話を聴くにはどうしたらいいのでしょうか。

地下鉄に乗って、浅田次郎と猫

電車というと私はテッチャンではないのであまり思い浮かぶものはないのですが(余談ですが、娘の旦那はテッチャンです)、連想するのは、地下鉄に乗ってという歌です。

1972年頃の歌でしょうか。高校生の頃、猫というフォークバンドがいて、彼らの唯一のヒット曲でした。吉田拓郎の作品でした。まあ、「ねぇキミ」と呼びかけで始まるのんびりした歌だったので、今日の話題の満員電車とはちょっと違いますね。

浅田次郎の小説もありました。1990年代です。猫から20年たっています。映画化もされました。地下鉄で時空を越えるというファンタジーですね。浅田次郎ですから、SFっぽいけれど人生を語っているわけです。鉄道員(ぽっぽや)という秀作もありました。こちらも、そうだ、電車ですね。考えてみると、鉄道員も古いイタリア映画でした。1956年、私の生まれた年です。

満員電車にダッシュする人々

満員電車が駅から出ようとしています。それをめがけてダッシュする人は大勢いますね。色んな人がいます。高校生やら会社員やら。

昨晩ゲームで貫徹したのでしょうか。深酒すぎたのでしょうか。または動くものに反応しているだけかもしれません。それぞれ色んな理由がありますね。それについては、何らかのアドバイスは無用です。彼らは遅れたことは重々承知していて、それを挽回しようとダッシュしようとしているわけですので、カウンセラーがとやかく言う必要はありません。「あ、そうなの」それだけです。

動くものへの反応の場合は、本能的なものなのか、発達の問題なのか、適切な返答が必要な場合もあるでしょうか。そこはちゃんと勉強してください。

しかし、カウンセラーなら、これらとはちょっと違う理由でダッシュする人がいることにも目を配っている必要があります。

恐怖によるダッシュ

満員電車とはその人にとって社会の縮図であり、そこに乗り遅れることは、社会から取り残される、隔絶してしまう恐怖のためにダッシュしている人がいるのです。そういうことを分かって話を聴いている必要があります。これには深い理解が必要です。どうして彼女が満員電車に乗れないことを怖がっているのか、そういう理解です。

これを理解するには、彼女の成育歴から考え抜く必要があります。それを理解した上で満員電車へ突入しようする彼女の気持ちに寄り添うのです。反応はやはり「あ、そうなの」ですが、その言葉に乗っているカウンセラーの感情は先の人々のものとは違います。怖かったね、という感情です。

そういう言葉にならない反応は、相手へ必ず伝わります(メラビアンの法則*1)。伝わりにくいときもあるかもしれませんが、そのときは少しだけ感情を上乗せして反応することもあるでしょう。声のトーンを変えながら。そういう微妙なさじ加減で、彼女の話を聴いてみましょう。

参考文献:
*1) Mehrabian, A. (1972). Nonverbal communication. Aldine-Atherton, Chicago, Illinois.

安全な空間の中で傾聴され、自由に葛藤を話して整理したいときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ。

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