運転中に意識がバラバラになる人がいます。解離の一種ですが、この場合は車を止めて深呼吸するか気のボールを作ってください。もし高速などで止められないときは、スピードをキープしながら深呼吸をするようにして危険を回避してください。
中央フリーウェイ
ユーミンが結婚前、荒井由実だった頃の歌です。確か3枚目のアルバム、コバルトアワーに収録されていました。彼女はこのコバルトアワーでブレイクしたのですが、個人的には2枚目のミスリムが一番好きなアルバムです。
コバルトからは、ちょっと「技(わざ)とらしい」ところが感じられます。「技とらしい」は、「技術」とかけています。コバルトからは彼女は職人(プロ)になったのです。しかしプロだけれどまだ初期の感性中心主義を引きずっていました。それが極まったのが4枚目の14番目の月ではないでしょうか。
その後は松任谷由実としての活躍は皆さん知るところです。彼女はここから初期のソングライターとしての自分から決別したのでしょう。他人に楽曲を提供しながら職人として道を歩いていきます。私は、4枚目を最後にユーミンから離れていきました。
これはユーミン論ではないので、このへんにして(笑)、中央フリーウェイは中央高速道路の歌です。調布のあたりの風景も歌い込まれており、なかなかスピーディでシティポップな雰囲気満載です。
このスピード感に怖さを抱く方もいるのではないでしょうか。高速を走るのは怖いという人々は少なくないと思います。免許取りたての人ばかりでなく、長年乗っていても高速は嫌だとおっしゃる人はいます。それらの人々は恐怖症というくくりで話されてしまうかもしれませんが、今回の高速恐怖の話は、それらの人々とはちょっと違う話です。
高速道路で意識がバラバラになる
高速道路を運転していたら恐怖がやってきて自分がバラバラになってしまいました。スピードをコントロールできなくなって、このまま停止してしまうのではないか。そうなると後ろから車が突っ込んでくる。そんな想像が膨らんで、余計にアクセルを踏む足が凍り付いてしまいました。
自分というセルフが断片化するのです。自分が失われるのです。自分の内実がスカスカになって空っぽになってしまうので、コントロールもできないのです。何もなくなるのでコントロールするものもないのです。自分がないとはこんなに怖いものだったのか。コントロールするには自分が戻ってこないといけないのです。焦っていました。
この人は、運転しながら解離してしまっているのです。そして、自分を戻すために深呼吸をしたのです。運転しながら深呼吸するのは難しい人もいますが、この人は一生懸命に深呼吸をした。しばらく続けていたら、断片化した自分が、セルフの中に戻ってきたのです。覚醒したわけです。そこでようやく車のコントロールができるようになったのです。
どうしてこの人に恐怖が襲ってきたのか。運転歴は長いし高速も日常的に使っている人です。最近の生活を聞くと、最近、対人関係で恐怖を感じるようなことがありました。その恐怖で呼び起こされたのかもしれません。
色んな恐怖症はあります。狭いところや広いところが怖いというのは、一般的な広場恐怖として誰もが何かしらもっている恐怖です。先端恐怖なんてものもありますね。とんがったものをみると、自分に突き刺さるのではないかと思ってしまう。それも珍しくはありません。
これらは不安症の一つですが、この人の長年の恐怖のベースは対人恐怖でした。対人恐怖は恐怖症の範疇には納まりません。この人は、そこから抜けては来ている方ですが、日常の怖い体験によって、また引き戻されて、自分がバラバラになる感覚に陥ってしまったのでしょう。一時的なものでしょう。
意識が断片化したときは深呼吸していたら必ず戻ってきます。気のボールもいいでしょう。しかし運転しながらは気のボールは難しいので、深呼吸(*1)をするのがいいでしょう。
参考文献:
*1) Breathing control center neurons that promote arousal in mice(呼吸中枢に存在してマウスの覚醒状態を促進する神経細胞), Science, March 31, 2017
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