【死と再生】受け入れる痛みと許す痛みの果てにみえるカウンセリング

この記事は約4分で読めます。

受け入れるとか許すとか、簡単に言うは易く行うは難し、ということを話しています。両方とも大きな痛みが伴います。なぜかと言うと、そこには死と再生のプロセスが流れているからです。

死を乗り越えて生へ転じるカウンセリングは、ソレア心理カウンセリングセンターへ。

相談する 

死ぬのは奴らだ 、ポールマッカートニー

1973年のジェームスボンド007の映画「死ぬのは奴らだ」です。

テロップではLive & Dieと書きましがたが、映画のほうはLive and Let die。これは正しくは、Live and let others dieという意味らしいですね。「自分は生きて他人は死ね」という、自己中の歌なのでしょうか?

歌詞をみてみると、「若い頃は希望にあふれてみんなと分かち合いながら一緒に生きていたが、夢破れてしまうとみじめな気持ちになって他人の死を望んでしまう情けない奴」、そんな内容です。中年の悲哀がにじみ出た歌になります。まるで中年になったボンドがつぶやいているような。

主題歌は、ポールマッカートニー&ウイングスです。この年、彼らはMy Loveという名曲もリリースし、乗りにのっていた頃ですね。映画はシリーズ8作目でジェームスボンド役がショーンコネリーからロジャームーアになっています。

今回の話は、死と(再)生、Live & Dieです。Live and Let dieではありません。

受け入れる痛み、許す痛み

受け入れる痛みと許す痛み。これらも、死と再生の話の一部として捉えられます。以前、タロット占いでカウンセリング過程の話をしました。葛藤→死→再生→回復、そのような順序で死と再生が進みます。つまり死と再生は、カウンセリング過程の一部というか、最も大切な局面でした。Die and Liveです。

この話しは、何もタロットカードを使わなくても、古人が言っていることです。

ここで「生」に入るのは、みっしりしている、しみじみしている、許す、受け入れるなどの感覚です。みっしり感覚は鬱のビデオ、しみじみ感覚はしんみりのビデオで説明しました。

そして「死」の側に入るのは、飢餓感や空っぽ感や虚無感などです。

受け入れられる、許されると、人は満たされて飢餓感は消えていき、空っぽの感覚も消えます。そして、みっしり感が出てきます。虚無感はほぼ絶望に近い、死に最も近い感覚で、ほぼ死んでいる臨死状態と言ってもいいでしょう。それを超えていくと、生へ転じて、しみじみとした地平が見えてきます。

この死と再生をめぐっては大きな痛みが伴うでしょう。精神的に死ぬことを体験するわけですから当然苦痛に直面します。ですから、受け入れるとか許すとかは、とても苦痛が伴うのです。ここを一人で乗り切ることはとても大変な作業なので、カウンセリングがあったり、宗教があったりするのでしょう。

宗教は五戒、十戒という道徳的なフォーマット(枠組みとか基準、あるいは不自由さ)がありますが、カウンセリングはそのようなフォーマットはありません。なぜ無いかと言うと、フォーマットという倫理基準は個々人が自分の中から作り上げるものだからです。

無いというのは語弊のある言い分かもしれないですね。成人のためのカウンセリングという視点では、成人のもつ不自由さは持っています。不自由さの中の自由さというものを求めていくのがカウンセリングと言えそうです。

認知行動療法はマニュアル的な部分が大きいので、フォーマットはあるといえばあります。フォーマットがあるから治療者は助かるのですが、相談者はそれが足かせになってセラピーが進まなくなることがあります。フォーマットのために自分を内省しにくくなるためです。自分の細やかな気持ちを観察していくことがセラピーなのに、それを適当に切り上げて方法論へシフトしてしまうと、カウンセリングは座礁します。

フォーマットが不要だということではありません。フォーマットは生に転じてから使うといいのでしょう。幸せになってから、宗教をやったり認知の改善をやったほうが良く治るのです。苦しいので瞑想や宗教に走る人がいますが、瞑想や宗教は楽になってからやったほうが効果が大きいのです。先ほどの不自由の話でいうと、不自由だから自由の良さが分かるという感じでしょうか。

カウンセリングの現場では、このように常に死と生をめぐる冒険をしているのです。これまで配信した以下の動画も見ていただくと、参考になります。

【関連動画】

タロット占い★カウンセリング過程 死と再生 臨床心理士 公認心理師 さいたま

【しんみりと、ビリージョエル】しみじみ話す、しみじみと聴く★沈黙 傾聴 公認心理師 さいたま

【ピンクフロイドの鬱】うつ病★生い茂る ゴーギャン さいたま

タイトルとURLをコピーしました