見立てを誤るときは誤ることがあっても、継続的に何度も練り直す

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今回は、診断や見立ての誤りについてのお話しです。

人間がやる診断や見立てですので、誤診や見立て違いはあります。(と開き直ることも変ですが。)これらの診断や見立ては、初回の面接のときに、インテーク面接といいますが、立てるのが良いと言われます。初回にできなくても、2回~3回のうちに診断しろと言います。

精神科医の高橋先生からカウンセリング理論を学んでいると、最初の5分で見立てなさいと言われます。そのように、こちらも頑張って、聞き逃さないようにしっかりと傾聴するわけですが、5分での見立て…それは神業と言えるでしょう。相談者の方には申し訳ないのですが、私の能力の範疇を超えています。

精神科医の神田橋先生は、最初に感じた違和感や感想を病名につけなさいといいます。精神医学の名前でなく。

私は、神田橋先生のやり方にしたがって、そこに高橋先生のやり方をフュージョンさせながら見立てるようにしています。最近、このやり方に定着しました。例えば、今日インテーク面接があったのですが、数十年もアスペルガーでやってきた人でしたが、診断もついていますが、何か違和感、違うような印象があったのです。「アスペルガーと言うには〇〇なところは普通すぎる症状、とくに▲▲はASDではあり得ない病」と見立てました。そこに「親との愛着についての検討が必要」と副タイトルをつけました。

2段ロケットのような見立てです。これが初回インテーク面接で得た私の見立てです。

2回目の面接では、この主題と副タイトルは、もっと精緻化していくでしょう。そして3回目くらいで精神医学的な診断も交えて、治療方針も兼ねた見立てに変化していくでしょう。そこまでくれば4回目くらいからは安定したペースのカウンセリングになっていきます。

このようにインテーク面接は見立てまでもっていかないといけないので、なかなか労力が要ります。ですから、継続面接よりも高い代金を取っているところもあります。私の場合は色々と計算などが面倒なので、継続面接と同額です。舞台裏の本音はこんな感じです。(^^ゞ

どういうところで見立て間違いをするかというと、私の場合は、愛着をベースに見立てていくのですが、その判断が甘くなることがあるのです。愛着がないにもかかわらず、愛着不全(愛着あり)と見立ててしまう。これは虐待のある家族が改善される(再構築可能)と見立てるのと全く同じ意味ですので、本当に注意しなければなりません。家族として回復すると見立てているわけですので、昨今の児相の誤対応のことをとやかく言えません。自戒いっぱいです。私の見立ての数%は、このような誤った見立てをしているのです。

誤ったなと思ったら、途中で見立てを修正して治療方針も変えるというのは、言うまでもありませんが、誤った見立てをしないためにも、どんなに経験を積んだとしてもスーパービジョンを受けることは必要なのです。

しかし、フォローをすると、愛着ベースで見立てているので、見立てがちょっと違っていても、リカバリーが利いたりします。そのためカウンセリング全体にはさほど影響はでないということになります。なぜ愛着ベースで見立てると誤診でも影響が小さいかについては、また違う記事でお話しします。

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