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ソレア心理カウンセリングセンター

2020.04.20 |カウンセリングA to Z

ビックリ!「もう一度言って」はNGなワケ【臨床心理士のスキルを盗む】



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・何度も聞き返してイヤな顔をされた
・コミュニケーション能力が低くて困っている





この記事は、プロカウンセラーのスキルを一般の方にも応用できるように、いくつかあるスキルのうちでも、おそらく一番重要なコツをお話します。これを理解すると、





・プロカウンセラーのような会話のフレームができる
・上手に話を聴けるようになって、少しは好感度が上がる





■「もう一度言って」はNG





プロカウンセラースキルのNo.1は、コレです。





聞き直しは、コミュニケーションエラーを防ぐために使われる方法です。分からないところは、ちゃんと聞き直しなさいと教えられます。そうやって小さいときから教育されてきました。





結論を言うと、それはカウンセリングの場ではマイナスに働くことがあります。カウンセリングでの対話は普通の会話とは違うからです。





このことはもう少しあとで詳しく話します。





K-POPのTwiceの楽曲のタイトルが、そのものズバリ!「もう一度言って」。歌詞の中に、もう一度言ってと出てくるのが、ユーミンの「11月のエイプリルフール」です。





相手にもう一度言ってもらうことは、誤解をしないためにも、話が分かりづらかったりするときに、確認するために発せられる言葉です。これは話を進めようとするため、あなたに興味ありますよ、という肯定的な意味を持った言葉として使われます。





しかし…





■コミュニケーションエラーと対策





指示内容や伝達情報が、送り手の意図どおり相手に伝わらないことをコミュニケーションエラーといいます。これを防ぐための対策は2つあります。復唱と確認会話(*1)です。





復唱は、相手の言った内容を繰り返して言うことで、指示内容の正しさを確認する方法です。「もう一度言って」というのも、相手に言わせるわけですが、この復唱の亜流に位置づけられます。





確認会話は、「それは、こういうことですね」と別の表現で言い直すことです。自分が言った表現と異なる表現が相手から返ってくると、自然と違和感が生じて注意が向くのでエラーが防げるという手法です。





この2つが重要とされます。しかし…





■びっくり!?カウンセリングでは確認会話はNG





ここからが、今回の記事のハイライトです。





カウンセリング中、相談者の言葉が聴きとれないときがあります。そんなときカウンセラーは、もう一度言ってほしいなという意味を込めて、「え?」とか「ん?」とか言うのではないでしょうか。





しかし、これはしないほうがいいのです。つまり確認はNGなのです。聴きとれないのは、こちらの集中が途切れて聴きとれないときで、こちらのミスともいえます。そしてそのミスを挽回するために確認するのは、話の流れを止めてしまうために、NGなのです。





話の流れを止めないのが傾聴です。もう一度言ってというサインは好ましくないのです。





聴き とれなかったところは、話を聴き続けていくうちに、あぁ、こういうことを言ってたのだなということが分かる場合が多々あります。集中を続けていれば、 聴き とれなかった部分が、他の文脈からあぶり出されるのです。だから聞き返さなくても心配は要らないのです。





このスキルが一番です。これを使えるようになると、日常会話でも生かせるようになります。





つまり、聞き返して流れを止めようとしないこと。聞き返したいという欲求を我慢して、何だったかなと頭の中に引っかけながら聴いていくことです。





これが相手への興味の持続につながります。あなたのことが興味ありますよ、そういう非言語のメッセージは、必ず伝わります。





聞けば終わりじゃないか、だから聞こうと、普通の会話をしてしまうカウンセラーが多いかもしれません。しかし確認会話は普通のコミュニケーションでは当たり前ですが、カウンセリングの場では違うということです。





これを意識して会話をすると、自然と傾聴モードに入っているのです。





このカウンセラーの技術を一般の会話でも応用すると、相手とのコミュニケーションがうまくいくはずです。





■カウンセラーのスキルその2「言葉でなく気持ちを理解する」





普通の会話でも、言葉を理解するのではく、自分の気持ちを理解してほしいという場面があるでしょう。そういうときは、聞き返すというのはよくないかもしれません。





言葉を聴けていなくても、この人は悔しかったな、悲しかったなと理解できていれば、何を言っていたのかは問題ではなく、感情の理解が進めば人間関係は円滑に行きます。





主語がよく分からなくてもしみじみとした話ができるのは、この感情の理解が進んでいる証拠です。





カウンセラーも言葉を聴くのではなく、感情を聴くことが仕事ですので、そういう意味でも確認会話は必要ないのでしょう。もう一度言ってと聴き返さないほうがいい。感情を理解してほしいときはこの言葉は必要ありません。





来談者中心主義であるマイクロカウンセリング(*2)では、要約という手法があります。これも確認会話の一つと言えるでしょう。しかし、この要約は、やったとしても最後で少し使うくらいがちょうどいいでしょう。別に要約もしなくてもいい。





カウンセラーにとって大切なのは、相談者が気づいていない頑張りを、相談者の話す文法・文脈を使いながら伝え返すことですから。





■まとめ





プロカウンセラーは聞き返さない。このフレームを一般のコミュニケーションの場で活用すれば、カウンセラーのような応答ができるでしょう。またこのことで傾聴する時間をたっぷり取れることになります。





Reference





*1)中村 竜:コミュニケーションエラー防止対策:復唱・確認会話の学習方法と効果について(安全性), 電子情報通信学会, 2018
*2)アレン・E・アイビイ:マイクロカウンセリング―"学ぶ‐使う‐教える"技法の統合:その理論と実際, 川島書店, 1985





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