メンヘラへのカウンセリング|相互依存になれば回復完了

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メンヘラってどんな症状か?

「メンヘラってどんな症状ですか?」と聞かれました。メンヘラという特別な症状はないでしょうが、そして色々定義はあるのでしょうが、ちょっと考えて、「依存」っぽいことかなと答えました。

メンヘラは治る?

次に出た質問が、「それは治るの?」。「①治るものもあれば、②治りにくいものもあり、③治らないものもあるよ」と答えました。

これは、身もふたもない答えかもしれませんが、それぞれに症状を思い浮かべながら答えました。①治る症状、②治りにくい症状、③治らない症状を思い浮かべながら答えました。

かなり自分としては正直に答えているつもりです。

我々のような町中で開業しているカウンセリングルームには、①治る人と、②治りにくい人の両方がやってきます。そういう人が多い。

③治らない人はあまりやって来ません。治らない人は、病院へいく人が多い。なぜならカウンセリングが効かないのです。脳機能の障害の人々が多い。これはカウンセリングでは治りません。

我々はカウンセラーは、カウンセリングが効く人と効かない人も見立てます。(そうだと信じたい。その見立てがないままカウンセリングなどしてほしくないという気持ちも込めています。)そうしないと、お互い辛いだけになりますからね。そんな意味のない時間は回避したい。それが本音です。

治るか、治らないかの判断基準は?

では、治る、治らないはどこで見立てているのか。色々あるのでしょうが、一つには、葛藤の取り扱いパターンです。この人は自分の葛藤をどのように取り扱うのか、取り扱えないのか。立ち向かうのか逃げるのか。

この「伸るか反るか」の瀬戸際―ここは大きなポイントの一つになるでしょう。

この葛藤の取り扱い方を見立てるには、相談者に自由に語ってもらって、どのように物語を紡いでいくのか、その語りに注意深く耳を傾けることが必要です。これが専門家による傾聴です。相談者のこころの構造を見立てながら聴くことを、傾聴と言います。ただ聴いているだけではなく、見立てながら聴いているのです。見立てができれば、治療方針が立てられます。そこまで行くために、傾聴が必要なのですね。

傾聴の中から、相談者の悩みのパターンが見えてくる。「傾聴なくして診断なし」とは実にマトを得た名言です。

さて、治る依存、治りにくい依存があるのは分かったとして、依存が治るとどうなるのか。

メンヘラが治ったらどうなる?

メンヘラから回復すると、それは相互依存の状態になります。相互依存はコフートが言及しています。お互いの頑張りを認めながら依存していることです。これは、精神科医の高橋和巳先生の言葉を借りれば、「良い共依存」と言えます。

つまり共依存が悪いわけではないのです。相互依存なら良いわけです。「人」という字をみると、左から右から相互にもたれかかっているわけです。お互いの様子を見ながらもたれかかっている状態。これが良いわけです。

精神科医である土居健郎の言う「甘え」ということでもあるでしょう。お互いの様子を見ながら甘えあっている。甘やかされあっている。これは親友との関係もそうであるし、夫婦の関係もそうであるでしょう。相互依存になれれば、そのときはもう、メンヘラ卒業です。

共依存と相互依存

次のようなツイートをしています。

【 共依存 と 相互依存 】
・お互いがもたれ合いすぎるのが共依存→倒れる
・ほどよくもたれ合っているのが相互依存→倒れない
夫婦の関係は、相互依存だといいですね。「ほどよく」の程度は、お互いに離れることがあっても一人で立っていられる状態です。もたれすぎるとお互い倒れます。

ここで共依存と相互依存の違いを確認しておきましょう。似たもの通しで少しもたれかかっている感じです。少しなら、長くもたれかかることができますね。がっつりだと、すぐに疲弊してしまいます。Love me little, love me long. - 少し愛して、長く愛して これが相互依存ですね。☺

非売品ですが、私の書いた文章に、「SONGS : 歌と心理学 (Side A: 1960 – 1980)」というものがあります。ここに、相互依存の話が出てきます。サイモン&ガーファンクルのOld Friends/Bookends Theme で歌われている歌詞の解説です。ブックエンドとは相互依存そのものですね。興味のある方は、リンクから友だち登録ください。返信でPDFファイルをお送りいたします。

ダメンズに惹かれる女性の心理も共依存です。関連記事を紹介しておきます。

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