・子どもの自己肯定感が低すぎてもう手遅れだろうか?
・自信のない友だちがいる、なんとかしてあげたい
そんな悩みをお持ちのあなたは、子思いの親、友だち思いの人ですね。その気持ちがあれば何とかなります。臨床心理士がお伝えするこの知恵は、のべ2万人の悩みを聴くなかで学んできたものです。今回は3つのコツを紹介します。前半はそのコツの話、結論は、
- 共感する
- 比較しない
- 待つ
後半は、この3つをさらにまとめてみます。つまり【受容】です。
■子どもや友人の自己肯定感を育てるには
次の3つを意識しましょう。
- 共感する
- 比較しない
- 待つ

◇共感
自分以外の人を変化させることは、「原則としては」できません。よく言うように他人は変えられないのです。けれどある方法を取れば、可能になる場合があります。
それは【共感】して話を聴いてあげるということです。カウンセラーなら当然のことですが、意外とこれができていない人もいます。つい助言モードに入ってしまう。
私のツイートです。
大切な人が落ち込んでいたら励ますのではなく
— しのぶ@ソレア心理 (@soleapsy) May 12, 2020
・一緒に暗くなってみましょう
一緒にダークになってみる。これが【共感】ということです。
相手が小学生なら引き上げてもいいですが、中学生以降ならそれは逆効果でしょう。
暗くなるより引き上げのほうが簡単ですが、勇気を出して暗くなってみる。
大切な人が落ち込んでいたら励ますのではなく
・一緒に暗くなってみましょう
一緒にダークになってみる。これが【共感】ということです。
相手が小学生なら引き上げてもいいですが、中学生以降ならそれは逆効果でしょう。
暗くなるより引き上げのほうが簡単ですが、勇気を出して暗くなってみる。
相手の感情と同じ感情を感じてみる。これ以上の方法はありません。もう一つのツイートです。
暗いことをしゃべったとき「そうじゃなく明るく考えて〇〇をやってみなさい」と親から言われると、自分の暗い気持ちに自信がなくなって、子どもの自己肯定感は↓ダウンします。
— しのぶ@ソレア心理 (@soleapsy) May 28, 2020
自分の暗い気持ちを親が【一緒に】感じてくれると、自分の感情に自信を持ち、子どもの自己肯定感は↑アップします。
暗いことをしゃべったとき「そうじゃなく明るく考えて〇〇をやってみなさい」と親から言われると、自分の暗い気持ちに自信がなくなって、子どもの自己肯定感は↓ダウンします。
自分の暗い気持ちを親が【一緒に】感じてくれると、自分の感情に自信を持ち、子どもの自己肯定感は↑アップします。
つまり、
- 一緒に暗くなる
そうすると相手が自分の感情に自信が持てます。これがゴールデン・ルールと言えるものです。これによって、親なら子どもの自己肯定感が、友人なら友だちの自己肯定感がアップします。自信がつきます。
親や友人としては、自分の子どもや親友が落ち込んでいたら、ついはげましたくなって余計なことを言ってしまいがちになります。ここを耐えるのです。余計なことは言わない。やってみるとわかりますが、とってもしんどいです。でも親なら、耐えられますね。友人だと…ちょっと分かりません。ムリのない範囲でやってあげてください。
◇比較しない
自分編の「自己肯定感をダウンさせる2つの罠」で解説したように、【比較ウイルスに感染】してしまうことが一つの罠でした。もう一つは【過去と未来にもっていかれる】ことでした。詳しくは関連記事をご覧ください。
▼【自己肯定感】を育てる最強の習慣はコレ!~自分編【保存版】
これは、親や友人にも同じことが言えます。自分の子どもや友人を、他人と比較しないということです。他人と比較せず、その人の感情だけに焦点を当てていることです。
◇待つ
こんなツイートをしました。
そのように思える人は、母親と一緒ではありません。きっと娘とうまくいくでしょう。
— しのぶ@ソレア心理 (@soleapsy) June 1, 2020
時間はかかりますが、待って、待って、待っていましょう。あなたは十分に待てます。待つことが子どもを育てます。子どもに自主性と自信を与えます。子どもを信じて、そこで待っていましょう。
そのように思える人は、母親と一緒ではありません。きっと娘とうまくいくでしょう。
時間はかかりますが、待って、待って、待っていましょう。あなたは十分に待てます。待つことが子どもを育てます。子どもに自主性と自信を与えます。子どもを信じて、そこで待っていましょう。
母親が待てない親だと、子どもは自主性が発揮できなくなります。子どもが動く前に母がやってしまうので、子どもの行動が消えてしまうのです。これが続くと、子どもは行動できなくなっていってひきこもりのような状態になることがあります。親は子が何かをするまで【待つ】こと。子育て場面で一番重要です。
子どもや友だちが、自分を表現できるようになると、自分で行動できるようになります。この積極性が自己肯定感や自信をアップさせます。そのためには【待つ】ということが必要です。
待つことは、待っているほうとしてはしんどいです。じれったくなります。しかし、動けない本人もしんどいのです。お互いしんどさを感じあっていること。この一緒にしんどい感じを味わっていること。これは先に述べた【共感=一緒に暗くなる】に通じることですね。
■【共感、比較しない、待つ】を一つにまとめると
これら3つのことをまとめると、【受容】することです(*1)。【すべてを受け入れる】ということ。シンプルですが、これ一つにまとまります。

すべてを受け入れるというのは、なんでもOKということではありません。必要なときには、全力で怒ったり、叱ったりすることもあります。受容というのは【気持ちを受け入れる】ということです。行動の話ではなく、感情の話なのです。ここを間違えないように。だから怒る場面では怒ってもいい。
親御さんにとっては、子どもを怒っては肯定感が下がると勘違いされている方がいらっしゃいます。親が子どもをちゃんと愛していれば、どんどん怒っていいのです。あなたのやり方で子育てをすればいい。その親の自信が、子の自信を高めます。
つらかったね、くやしかったね。そういう気持ちは受容すること。十分受容できていれば
- 相手の気持ちに共感しているし
- 相手に寄り添っているため比較などしません。
- そして相手が動くまで待つこともできます。
■まとめ
子どもや友だちの自己肯定感を高めるにはどうしたらいいのかを解説しました。
- 共感する
- 比較しない
- 待つ
でした。これらはひとくくりにでき、つまり、
- 気持ちを十分に受容すること
でした。

Rererence
(*1)角南 なおみ:子どもに肯定的変化を促す教師の関わりの特徴, 教育心理学研究, 2013
関連記事もご覧ください。
▼【自己肯定感】を育てる最強の習慣はコレ!~自分編【保存版】
▼【自己効力感】を高める~自分はできるという感覚を持つには~
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