臨床心理士の高間です。
・毎日、会社の仕事のことを考えると、うつっぽくなる。
・人間関係って難しい、いろいろ考えだすと、ぐるぐると止まらなくなる。
そんな悩み(不安)を持って生きているあなたに、何かのヒントになればと思い、記事にしました。この記事のポイントは、
- 生きるためのバランスは、ライフスキルにあった!
- ライフスキルとは何か?!
■生きるためのバランスとは?
こころが軽やかでないと、生きているバランスが非常に悪い状態です。これではうつ病になってしまいます。次のようなツイートをしています。
ヒトは外ばかり向いているのでバランスが悪い。外を向くとは勝ち負けの結果にこだわる認知の世界。疲弊してうつ病になっちゃいます。
内側も向くようにしましょう。つまり、あなたが持ち上がるコトをするのです。
例えば、夜が明けてくる東の空を見るのが好き、寒い夜に一人でホットミルクを飲む、など。
残念ながら、私たちが生きるこの世界は、いまのところ勝負をし続ける世界で、結果を出し続けなければ注目されないという特性を持っています。これによってうつ病がどんどんと製造されているのです。この「外側を向く」ということは、何をすればベストかと、頭で考えて行動する【認知】的思考の世界です。
それとは違って「内側を向く」ということは、自分を観るということです。何をすればこころが元気になるのか、穏やかでいられるか、それを発見して行動していく【ライフスキル】的行動の世界です。これは【こころが軽やかなフロー状態】のことでもあるのです。
この認知的思考(結果思考)とライフスキル的行動(フロー感覚)のバランスがとれていることが、あなたの生活をよりよくしていくコツです。
◇WHOによるライフスキルとは
聞きなれない言葉ですね、ライフスキル。これは、1994年にWHO(世界保健機関)によって定義された生き方に関する技術です。「日常生活に生じるさまざまな問題や要求に対して、より建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」という意味です。つまり、
- よりよく生きるために必要な技術・能力、生活技能
WHOは、学校で学ぶべき10個のスキルをあげています。こんなたくさんあるのかーと、これでは認知脳が暴走して、ライフスキル的にならなくなってしまいそうですね(笑)。
- 意志決定
- 問題解決
- 創造的思考
- 批判的思考
- 効果的コミュニケーション
- 対人関係
- 自己認知
- 共感的理解
- 情動への対処
- ストレスへの対処
■ライフスキルとは、こころを軽やかにすること
難しいことを考えだすと、認知の思考が走り出して、ライフスキル的ではなくなります。こころがフローな状態がライフスキル的なのでした。
- こころが軽やかになることをする
これが自分の内側を向くということです。この一点だけに集中していればいいでしょう。もっと具体的に、ライフスキルをみていきましょう。
自分がどういうときに、こころが軽やかになるのかを10個、20個あげてみましょう。コツとしては「結果」から離れていることです。大きな刺激ではない何か。「試験に受かった」とか「デートに誘えた」などはかなり大きな刺激です。結果に縛られた思考です。では、どういうものがライフスキル的行動かというと、例えば、
- 青空をみるとスッキリする
- やることがいっぱいあっても時間に追われていない
- 雨を見ているとこころがしみじみする
- 夜が明けてくる東の空を見るのが好き
- 寒い夜に一人でホットミルクを飲む
ご自身のライフスキル的行動を書き出してみてください。結構、たくさん出てくるものですよ。結果に縛られることは、現実世界を生きていくうえでは仕方のないことです。業績もあげなければなりませんし。しかし、それだけでは必ず疲弊します。バランスよく、ライフスキルにも視点を合わせてみてはいかがでしょうか。
■ライフスキルを実践する注意点
ライフスキル的視点は、それが育っていないうちは、認知の世界にすぐに吹き飛ばされてしまいます。ですから、バランスよく生活できるまでは、常時ライフスキルのことだけを考えているといいでしょう。こころが軽やかで何か悪いことがあるかというと、そんなことは全然ありませんから。安心して、ライフスキル中毒になりましょう(笑)。ライフスキルは、無害な依存です。
こころが軽やかだと、少々のことがあっても、すぐに持ち直せます。ライフスキル的に生きましょう。
なかなかこころが軽やかにならないときは、ソレア心理カウンセリングセンター(埼玉県)へ