援助者が燃え尽きる原因【過剰な共感】と回復のための3つのポイント

FatigueカウンセリングA to Z
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・相談業務をしているとだんだんと調子が悪くなる
・夜や休日はぐったりとしている

医療関係者やカウンセラーなど相談業務をしている方は、こんな悩みをもっているでしょう。熱心にやっている方は特にそうですね。

なぜ具合が悪くなるのか?それは【過剰な共感】が主な原因です。
解決のコツは、【自分が揺れずに相手の様子をみている】ことです。

このマインドフルネスの技術が支援者を病から救います。病気がちな支援者は自分の業務スタイルを見直してみることも必要でしょう。

詳しく解説します。

■燃え尽きのサイン

Fatigue
疲れすぎて、おふとんから出られません

燃え尽き症候群はバーンアウトともいわれ、長期のストレスによって意欲や感情が枯渇する状態です。次のような症状がみられます。

診断名ではないので明確な定義やチェックリストはありません。

・無力感・疲労感・がっかりしてしまうといった感情を感じる
・人付き合いや簡単な業務にも面倒くささを感じる
・朝起きられない、職場に行きたくない
・無気力、無感動になってしまう
・話しかけたとき、反応がおざなりになる、仕事でミスが増える
・頭痛やめまい、自律神経が乱れるような身体的症状

燃え尽き症候群になりやすい傾向というのはたしかに存在しているようです。

・仕事好き
・まじめで理想が高い
・何ごとも真剣に受け止める
・長時間勤務をこなしている

表面的な性格としてはそうなのですが、愛着という視点でとらえ直すと別の視点が見えてきます。

・親との愛着を形成できなかった人

これが燃え尽きる人々の大きな比率を占めているようです。(*1)

■燃え尽き症候群とうつ病の違いは?

この二つの差を書いている記事がネット上に散見されますが、元来燃え尽き症候群という病名はなく、両者と比べること自体できないと思います。

あえていうなら、燃え尽き症候群を愛着という視点で考えると、難治性うつ病に入るのではないでしょうか。そうならば薬は効きづらくなるでしょう。

うつ病のカウンセリングの経験のあるカウンセラーにまずは相談されることをお勧めします。今後の戦略を練ってもらってください。

■バーンアウトチェックリスト(MBI)

燃え尽きのサインがある場合、下記の17項目をチェックしましょう。(*2)

【あなたは最近 6ヵ月の間に、次のようなことをどの程度経験しましたか】

・こんな仕事、もう辞めたいと思うことがある。
・我を忘れるほど仕事に熱中することがある。
・こまごまと気くばりすることが面倒に感じることがある。
・この仕事は私の性分に合っていると思うことがある。
・同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある。
・自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある。
・一日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある。
・出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある。
・仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある。
・同僚や患者と、何も話したくなくなることがある。
・仕事の結果はどうでもよいと思うことがある。
・仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある。
・今の仕事に、心から喜びを感じることがある。
・今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある。
・仕事が楽しくて、知らないうちに時間が過ぎることがある。
・体も気持ちも疲れはてたと思うことがある。
・我ながら、仕事をうまくやり終えたと思うことがある。

http://needtec.sakura.ne.jp/mentaltest/burnout.html

↑ここに自動計算してくれるサイト(バーンアウト尺度)があります。実際に試してみてください。

さて、自分は燃え尽き症候群に近いと思ったら、続いて下記の記事をお読みください。解決策があります。

■共感しすぎると

共感が半端ない詞を書くのが中島みゆきでしょうか。彼女の「おまえの家」は当時聴いても、いま聴いてもなんだか、同じような感傷を私に運んできます。私も、あの当時の40年前の自分と一緒に揺れているのです。

雨もあがったことだし おまえの家でも
ふっと たずねて みたくなった…

そのように始まるこの歌、6分に渡る楽曲の長さが私を疲れさせるわけではありません。こころがギューッと捻れるのです。そして、捻れた後は、ぐったりと疲れます。

心地よい疲れと言いますか…

■具合の悪くなる医療者

Withered rose
精気を失ったバラ

以前私は、1日に5人ほどカウンセリングすると具合が悪くなったりしていました。カウンセラーは相談相手に共感する仕事なので、共感することで具合が悪くなるわけです。このことは当たり前のように業界では言われています。

共感というのは体力を使うのですね。

でも今は、1日に10人やっても平気です。具合が悪くなるモードを卒業していますのでご安心を。(笑)

共感しなくなったワケではありません。以前よりも共感していますが、それに体力を使わなくなったのです。慣れたワケではありません。

■自分が行動せず、相手に行動させるのがコツ

◇自分は動かないこと

鍼灸の先生が言っていたことですが、治療は見えない疲れをためるのです。鍼灸師は長生きできないといいます。自分の気を使ってしまうから。患者の気を見て、滞りがあったりすると、自分の気を使ってそれを流そうとします。詰まりを通したくなるのです。

しかし、長く鍼灸師としてやっていくためには【自分の気を使って通そうとしてはダメなのです。自分の気を使わずに、患者さんの気だけを流せるようになること】といいます。

◇治療者が使う共感とは?

カウンセリング的にみると、共感はしているが、自分を相手に共鳴させていない感じです。カウンセラーが具合悪くなるときは、相手に自分を共鳴させ、相手と一緒に揺れるのです。

そうではなく、「相手に共感しつつ、相手と揺れたりすることなく、相手の揺れを見ている」こうなってくると疲れません。相手と一緒に揺れていないからです。【余計なエネルギーを使っていない】からです。相手と揺れると2~3人カウンセリングをやった後、ぐったりするのです。

◇コツのまとめ

・共感するが、
・自分は揺れなくて、患者さんは揺れている。

このコツができれば、患者さんにはカウンセラーが共感していることが伝わります。

これだと支援者が燃え尽き症候群になることはありません。たくさん働いても燃え尽きないのです。自分の気は使わず相手の気を流せるようになること。自分は揺れずに、相手に共感を伝えられるようになること。これがコツです。

■日常生活でやれるヒント

上の共感に関するコツは最重要ですが、その前に日々意識できることで5つ紹介しておきます。これは衛生指導ですね。

・野菜と水を取る
・睡眠時間を7時間確保すること
・追加の業務を断る習慣をつくる
・家に帰ったら仕事をしない。メールもチェックしない。
・ヨガと瞑想をする

■まとめ

編集者の方が話されていたことです。「やるべきことが分かっていると、こっちの言動もはっきりして、自分が落ち着いていることができる」と言います。これは先ほどの、共感しているが揺れていない状態です。揺れていないというのは、落ち着いているということです。これをまとめると次の3つが回復のためのポイントとなります。

・自分の気を使わずに患者の気を流せるようになること。(鍼灸師)

・やるべきことは分かっていると、言動ははっきりして落ち着いていられる。(編集者)

・見立てがはっきりしていると、カウンセラーの言動もはっきりするし、落ち着いて話を聴ける。(臨床心理士)

支援者だけでなくて、普通の人の対人関係でも同じことが言えるでしょう。意識して使えるようになると疲労感も少ない日常になるでしょう。

Sea wave splash
いつも、なぎさのように仕事していられますように

Reference

*1)高橋和巳:カウンセリングセミナー講義テキスト, 非売品, 2020
*2)久保真人:バーンアウトの心理学 燃え尽き症候群とは, サイエンス社, 2004

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