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ソレア心理カウンセリングセンター

2020.04.27 |こころカフェ(最新の心理学)

「負けるとスネる子」にやり抜く力【GRIT】をつける最重要なこと



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・負けると(点数が悪いと)モチベがさがってしまう
・すぐに挫折する
・子どもが負けるとすぐ怒る、スネる





こんな悩みをお持ちのあなたへ。この記事では「やり抜く(GRIT)」力をつけるためのコツを紹介しています。お子さんにもぜひ教えてあげてください。





結論は【一生懸命を楽しむこと】これがGRIT(*1)の最重要アイテムです。





勝ち負けとは違うところにポイントがあるわけです。これについては最後に詳しく説明します。ガイドの臨床心理士がお伝えする知恵は、のべ2万人の悩みを聴くなかで学んだものです。





負けるとスネるというのは、学童期前期の子どもの特性なので心配する必要はありませんが、そのような子どもに何かフォローできることはないのか、考えてみました。





■柔(やわら)美空ひばり





1964年、東京オリンピックの年にヒットした美空ひばりの歌です。当時、小学校2年生だったのですが、ヒットしていたかどうかはよく覚えていません。まだ小さかったのでオリンピックも歌も興味がなかったのでしょう。歌の出だしは、





♪勝つと思うな 思えば負けよ♪





勝とうと思った瞬間、緊張が走って自由な気持ちが奪われます。それによって守りに入って、勝負することに消極的になり、その結果負けることになる。そのような解釈ではないかと思っています。





Bicycle race
他人との競争ではなく、自分といかに親和するか




このような体験は、どなたもされていることだと思います。だからヒットもしたのでしょう。





そもそも、「勝負」というのは成人期の特性の1つと思っていいでしょう。確かに未成年も勝負をしますが、勝つとか負けるとかは、本来は人生という社会的な局面で使われるものでしょう。





なぜなら人間は社会的な生き物だからです。だから成人期の特性なのです。このあたりは心理学的にも支持されると思っています。(参考:精神科医、高橋和巳先生の研修、成人期の話)





もう1つは、勝つという概念が出てきた瞬間、反対概念として負けるというものが自動的に浮き彫りにされます。勝負は、2つで1つ、セットなのです。どちらか1つにはなりません。





陰陽の2つの勾玉で表現されているようなものです。陰陽は2つで1つなのです。この2つで1つというのは、葛藤の解消される前段階とも見てとれます。葛藤=成人期ですので、勝負は成人期の大きなテーマであると言えるでしょう。





■負けるとスネる子





ゲームやスポーツなどで負けそうになると、試合を放棄したりスネたりする子どもは珍しくありません。小学生がそれをやっているなら、何ら問題はありませんが、高校生や大人になってもそれをやっている場合は、心理的な介入が必要な場合もあるでしょう。





小学校などの教育現場では、認知行動療法などのSST(Social Skills Training)などを導入して、試合を放棄させないように訓練したり、「負けると悔しいね」と感情を言語化して、その子の精神的な発達を促そうとするかもしれません。





しかし、それらを今やることが妥当なことかどうかも吟味する必要があるでしょう。発達の問題がある場合はSSTは効果があるでしょう。それによって療育というよりも早期の教育をするのです。そうでない場合は、SSTをやる意味が見当たりません。別な方法で試合を放棄しないように促すことになります。





感情の言語化はどうでしょうか。それは悪くはないのですが、やったとしても10歳以降ではないでしょうか。そんなに早く言語化したとしても、意味も理解できず表面をなぞっていくだけでしょう。





そうすると親のほうも別の方法で試合を放棄しないように促すことになります。





■一生懸命を楽しむ





別な方法、そんな魔法のような方法があるのでしょうか。魔法のようなものはありません。が、ある人の話がそれを考えるきっかけになります。





Youth baseball
お互いが頑張りあうとプレゼントがやってくる




小学生のとき少年野球をやっていました。勝ったり負けたりです。今でも記憶に残っている試合というのはいくつかあって、ギリギリで競り合っていた試合は今でも覚えているのです。それが負けた試合であっても、それは覚えています。勝った試合というのは、そのギリギリ度がなかったのかほとんど記憶にありません。





この体験談は、「その試合に一生懸命に取り組んで、充実した時間を過ごしていたときのことは忘れないでいる」ということでしょう。これが「別の方法」です。





【一生懸命にやってそれが楽しいと思えること。】そのような体験を増やしていくこと。そうすると試合を途中で投げたりはしなくなります。勝っても負けてもどっちでも構わなくなります。メインは勝負ではなく、楽しんでいるか、なのです。この考え方は、スポーツで言うところのゾーンとかフローというものに似ているように思います。





そのような体験を増やしていくこと、その体験の重要性を子どもに伝えていくこと。負けた試合でも「楽しかったね」と親(特に父親)が声かけしてあげる。それには親が勝敗にこだわらず、それを楽しんでいなければいけないことは言うまでもないことです。





なぜ父親か?それは人生の頑張りを教えるのは父性だからです。シングルマザーの方は、ご自身の父性で子どもにそれを教えてあげてください。





学童期にこういう体験を積んでいれば、思春期や成人期になってからも、社会で自分が頑張っていこうと思えるようになりますし、子どもにとってはその体験というものは、誰かに盗まれたりしない一生の財産(生きる原動力)となるでしょう。





◇GRITとは?





日本語でやり抜く力と翻訳されているグリット(*1)について、私の意見を交えながら説明します。





G: Guts 度胸―困難に挑戦し、逆境にたじろがない勇気
R: Resilience 復元力―挫折から立ち直る力
I: Initiative 自発性―率先してものごとに取り組む力
T: Tenacity 執念―どんなことがあっても物事に集中しつづける力





この4つの力があれば成功するというのです。





ざっとみると、GRI の3つは父性であると言えるでしょう。この人がいると大丈夫という感覚が父性です。





最後の T は、一生懸命を楽しむに通じていると思います。





するとこのGRITは、一生懸命やると楽しいよ、ということを父親に教えてもらうことで、自然と身についてくることだと分かります。





■まとめ





一生懸命やることが楽しいことが分かると、やり抜く力が身についていくというお話でした。そのベースにあるのは父性ということ。父性が希薄でも生きていけますが、それがあったほうがよりしっかりと歩いていけるのでしょう。





Father and son playing catch
ハリウッドがなぜ父性を描き続けるのか、面白いテーマです。




Reference





*1) Angela Duckworth: Grit:The Power of Passion and Perseverance, Ebury Digital, 2016





なかなかモチベーションがあがらずに苦労している方は、ソレア心理カウンセリングセンターへ







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