誘拐されたいと願う子★甘えのない世界を生きる

愛着とトラウマ(虐待)
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このテキストはビデオの補足です。

「誘拐されたいと思っていました。そうしたら親は心配してくれるだろう。」

そのように話す方がいました。また別の人は、

「誰か後ろから私を刺してくれればいいと思って、夜道を歩いていました。」

そのように話す方もいました。

表現は違いますが、彼らはまさしく甘えのない世界を生きてきた人々です。先に紹介したクイーンのフレディと同じような人々です。愛着の問題を抱えた人々です。

彼らはどのようにその世界を拡大させていくのか。それがカウンセリングという現場で繰り広げられる冒険譚になります。その世界を抜け出していくというのとはちょっと違う。まさに、その世界を広げていくのです。その世界を包含した、もう一つ広い世界へ拡大していく感じです。何か別の世界へ飛び込むような不連続な感じではなく、グーッとエネルギーが励起して、かつその瞬間に遷移するような感じ。(物理用語を使っていて、すみません。私の馴染みの世界なのです。)

息を飲み込むような豊かな色彩のある世界が繰り広げられます。

特に甘えのない厳しい世界を生きてきた人にとって、その世界が広がるということが正に重要な体験になるのです。治療者はその人々と、それらの世界を生きることになります。数年間その世界の証人になるべく、その冒険に参加することになります。複数の治療が進行していますので、多くの豊かなストーリーを同時進行で見ることになります。そのため一日が終わると結構疲れていますが、何かまだまだやれそうな気分になります。

このためか、シリアスなドラマとか映画にはあまり興味なくなりました。ドラマなどはそれがドキュメンタリーであったとしても、それを制作している側が甘えのある世界で生きている人々が多いので、見ていても何故か真に迫らないというか、そういうものが多いように思うからです。これは才能がないとかいう話ではなく、しょうがないんですね。家族再統合の話と同じです。幻を真実を思ってしまうのはしょうがない。(けれど専門家はそうは言っていられません。)

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