・子どもの頃からの爪かみ、指しゃぶりのクセが抜けない。
・爪かみ、指しゃぶりはやめないといけないのか。
・爪かみなどは病院にいかないと治らないのか。
そんな悩み(不安)を持って生きているあなたに、何かのヒントになればと思い、記事にしました。この記事のポイントは、
- 爪かみをやめたいなら、爪に関することで気持ちが満足することをしよう。(前半)
- くちびるをめぐる心理的な話と、カウンセリングを受けたほうがいいケースについて解説します。(後半)
■爪かみをやめたい
爪かみを止めたいときは、爪に関する行動で、あなたにとって爪かみ以上だと思える行動を見つけることです。
【女性専用―爪かみの治し方】我慢しても治りません。【キレイにネイル】して、それを見てうっとりすることです。うっとりしている感情がある限り、爪かみしたい感情は消えます。これをキープしましょう。男性の場合は効果は薄いですが、好きな俳優の爪の拡大写真をいつも見るようにする方法もあり。
— 高間しのぶ(ソレア心理) (@soleapsy) October 30, 2020
【女性専用―爪かみの治し方】我慢しても治りません。【キレイにネイル】して、それを見てうっとりすることです。うっとりしている感情がある限り、爪かみしたい感情は消えます。これをキープしましょう。男性の場合は効果は薄いですが、好きな俳優の爪の拡大写真をいつも見るようにする方法もあり。
爪を噛む、指をしゃぶる。これらは幼児にはよく見られる行動ですね。不安なときこういう行動をすることもあるし、口がさびしいとき、ついくちびるを使った行動をとってしまいます。幼児返りや退行ともいわれますが、病気ではありません。そうは言われても、それを止めたいと思う人もいるでしょう。
何かの行動を変えたい場合、その行動をストップさせる代替のものを見つけることです。キーワードは、【気持ちのいい代替行動を探す】こと。気持ちがよければ、その行動は継続します。その結果、行動が変わります。気持ちのよくないものは続きません。
例えば、爪かみや指しゃぶりをやめさせるために、昔は指に辛いものや苦いものをつけたりしました。あれは【罰】を与えているので、効果は薄いです。罰よりも【報酬】を与えるほうが継続するのは体験的に理解いただけるでしょう。
爪かみをやめたいなら、綺麗にネイルする。そして、そのネイルをみて【うっとり】とする。うっとりというところが大切です。これはネイルすることで報酬を得ているのです。爪かみよりもうっとりのほうが気持ちがいいので、ネイルを続けようとします。自然に爪かみしたい欲求は下がっていくでしょう。こうやって気持ちのいいものを探して実行していくのです。ネイルは女性の特権ですから、子どもや成人男性は工夫が必要ですね。
◇気持ちが満足しているときは指が気にならない
うっとりするというのは【気持ちが十分に満足している状態です】。ここがネイルができない人々への対応になります。つまり、
- 気持ちを満たしてあげる
- 爪かみをしている人は自分の気持ちがよくわからず、モヤモヤしているだけかもしれません。そのときはその気持ちを表現してあげるといいです。「怒っちゃうね」「さみしいね」「かなしいね」「うれしいね」。その気持ちがピッタリだと、他人に理解してもらった満足感で満たされます。
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(引用)
例えば、子どもがアニメをみてしんみりとしていたとします。こころの内では何かの感情を感じていたとします。それを表現することはできません。そんなとき親が「悲しかったね」と声をかけてあげます。そのとき子どもは、その感情が悲しみかどうかはわかりません。モヤモヤとしているだけですから。でも、なんとなくそうなのかと、思うかもしれません。
人間というものは、いろんな局面で欲求不満を抱くものです。満たされていないことが多いのが人間。だから、爪かみや指しゃぶりは生きていくためには必要悪、よくないことだが必要なものなのではないでしょうか。
それでも止めたいと思う人もいるでしょう。そんな人は、自分の気持ちが満たされることを一生懸命に探しましょう。
爪かみや指しゃぶりと違って、毛を抜く、皮膚をむしるという習慣も幼児(や大人)にもときどき見られます。こちらは強迫症の分類に入ってくるので、心理的な治療が必要です。この場合でも、すぐに病院には行かず、まずは親御さんやご本人が安全な雰囲気を作るようにして、様子をみていましょう。【見守る】態勢を取るわけです。それで納まっていくケースも多いです。
■指しゃぶりとくちびる問題
爪かみよりもうっとりする行動を見つけられれば、爪かみは収まる話をしましたが、これはもう少し広い視点でみると【くちびるをめぐる行動のクセ】と考えられます。次のようなツイートをしています。
【指しゃぶり問題】はポピュラーですね。基本的には止めなくていい。指問題は、詰まるところ【くちびる問題】です。くちびるの感触がその人にとって良いものだから指しゃぶったり、爪かんだりするのです。不安だからという指摘はありますが、安心だからやっている面もあるのです。そこに光を当てること。
爪かみや指しゃぶりは見た目にはよくないかもしれませんが、やっている本人はそういう意識はあまりありません。爪かみや指しゃぶりは、口やくちびるを使います。精神分析学派では、フロイトの提唱する口唇期の問題と判断するかもしれません。口唇期とは0~2歳くらいまでです。トイレットトレーニングの手前までですね。
この時期は愛着形成と深い関係のある時期で、くちびるの問題がある人には重大な問題が隠されていると思われるかもしれませんが、そんなことはありません。愛着問題とくちびるをめぐる行動は別物と考えてもいいと思います。
なぜなら愛着問題のある人は、あまりくちびるの問題を出してこない傾向があります。くちびるって甘えですからね。おっぱい欲しいという甘え。愛着問題のある人は、こういう甘えからは遠いところを生きていますから、人前で指しゃぶりなど絶対にしないでしょう。
そうなると、指しゃぶり問題(口唇期の問題)は、さほど心理的にはさほど問題にしなくて良いという結論が導かれます。
◇精神分析的に口唇期をみると
精神分析では、飴をなめたり、ガムをかんだり、たばこを吸ったりすることを、口唇期の時期に十分な欲求が満たされていないからだと主張することがあります。この欲求不満が成人になってからの神経症につながっている、と。【口さみしさ】の背景には【さみしい】という感情が隠れているかもしれません。
この甘えについて、良しと捉えるか、矯正すべきと捉えるか。次のツイートをご覧ください。
【くちびる問題】は、精神分析では口唇期と切り捨てられるかもしれませんが、そんな簡単なものでもないでしょう。例えばキス。キスは長い時間、くちびるとくちびるを重ねることで、深い満足感をもたらします。おっぱいを求めているわけではなく、自立した大人どおしの交歓ですね。(ツイート改訂)
もう1つツイートしています。これは安心だから、くちびる問題をずっとやっているケースです。良しと捉えている、くちびる問題を【光】としてみている例ですね。
【指しゃぶり】マルタ島で診療していた精神科医の故・石川先生は、ずっと指をしゃぶっていたそうです。そうすることで安心していた。故郷の肥えタンクの懐かしい匂いがするらしい。くちびるを使って音を鳴らす人もいますが、そのクセも同じですね。安心する。だからADHDではありません。奥が深いくちびる問題。(ツイート改題)
■気にしてほしいからやっている
子どもの行動は、背景に【注目してほしいから】その行動をしている場合があります。これは、爪かみや指しゃぶりの心理とはちょっと違います。なかには、カウンセリングが必要なケースもあります。
子どもの万引きやリストカットは親に気にしてほしいからやっているのです。これはよく言われることですが、嘘ではなくホントのことです。子どもの行動はそれだけに限りません。身体症状も同じです。頭痛、腹痛、強迫行動、チック。すべて分かりやすいSOS信号です。(でも良い。やってて良い。)(ツイート改訂)
子どもの行動は次の2つに分けられます。
- 心理的なもの
- 脳機能障害的なもの
心理的なものは、親にこっちを向いてほしいという気持ちの表れです。それは身体症状も同じです。頭痛、腹痛などは、親としては、まず身体的な病気として内科にかかりますよね。それで正解です。治ればOK。この中には、親の気を引くために病気になっている場合もありますが、親が面倒を見ることで病気が納まったとしたら、それ以上原因へ降りていく必要はありません。
万引き、リストカット、強迫行動、チックなどは、心理的なものが多いので、病院よりもカウンセリングにかかることをお勧めします。それによって親子の関係がスムーズにいくようになれば、子どもの行動も変化していくでしょう。
脳機能的なものから発生している場合、つまり発達障害などですが、その場合もカウンセリングを受けるといいでしょう。発達障害の二次障害としてそれらが出現している可能性が大きいからです。
■まとめ
爪かみを止めたいときは、爪に関する行動で、あなたにとって爪かみ以上だと思える行動を見つけることです。キーワードは、【気持ちのいい代替行動を探す】こと。
爪かみや指しゃぶりは、くちびるをめぐる行動のクセです。このクセを矯正するものと捉えるのか、容認していくのか、それは親御さんとご本人にまかされています。心理士としては、どちらでもいいと思います。
最後に爪かみや指しゃぶり以外の幼児的クセ、行動、身体症状についてまとめました。中にはカウンセリングが必要なケースもありますので、まずは相談室の門を叩いてみてください。
幼児からの習慣が抜けなくても、それで安全に生きていられたら、それでOKです。
爪かみ、指しゃぶりをどうしても卒業したいときは、ソレア心理カウンセリングセンター(埼玉県)へ