・何か行動をしようとすると、プレッシャーがかかってしまう。
・計画を立てても、すぐにやめてしまう。
そんな悩みを持って生きているあなたに、何かのヒントになればと思い、記事にしました。この記事のポイントは、
- 未来を過去のものとして扱う効果(前半)
- 未来から現在へ逆算して計画を立てる(後半)
■過去形(完了形)にするインパクト
未来完了形、英語で習った記憶がありますね。未来のある時点までに「完了」していることを表す場合に用いる時制表現です。でもいまいちよく分からないですね(笑)。
簡単に言うと、未来のことを過去のこととして理解すること。こう考えると、プレッシャーを下げて行動できる場合があります。次のようなツイートをしています。
【未来の自分の視点から考える】例えば公衆トイレの「キレイに使っていただきありがとうございました。」という過去形目線の張り紙。「ありがとうございます。」より効くと言われます。合格を祈るときも「合格させてください」でなく「合格ありがとうございました」と過去形にする。
過去形にしてしまうほうが人の脳をだませるからと言います。過去形で言われると、「キレイに使ったのか」「合格したのか」と思って、そのときの自分が一瞬、イメージ喚起されます。これが効いているとされますが、本当にだましているのかは科学的に証明されたものではないので、よく分かりません。なんだかそんな気分になるということでしょう。
たしかに過去形にすると、少し安心するというか、積極性が出るかもしれませんね。
例えば、会議などで発表があって緊張していたとします。発表前に、「おちつけ、おちつけ」とやっています。このとき「発表、案外うまくいったな」と思っている未来の自分を想像してみるといいとされます。このやり方には、
- 「うまくいった」という過去形と、
- 「うまくできたと」いう自己効力感がイメージ喚起されているのです。
しかしこのやり方を日常で使うためには、妄想につながらないように注意が必要でしょう。好きな人に対して「私のために微笑んでくれてありがとう」とうっとりと眺めていると、「私」には気持ちいいですが、それが重なると事実誤認がつみあがって、ストーカーになりかねません。それでは、どこまで過去形にすればいいのでしょうか。
◇過去形にする範囲
これに対する明確な答えはありませんが、
- 誰か他人を想定しての【人間関係には使わない】ほうがいいかもしれませんね。
- 自分に対して【励ましたり、注意喚起するとき】に過去形にするとよさそうですね。
■思考は現実化しない。逆算思考にはコツがある。
未来の視点から見るというのは、よく使われる心理学ですね。具体的にそれを自分の生活へどのように落とし込めばいいのかを解説します。次のようなツイートをしています。
心理療法では、「いつ死ぬかを聞いて、そこから逆算していく」というものがあります。70歳で死ぬなら、そのときどんな気持ちで死んでいくのかを聞く。
その質問はこうです→「70歳で死ぬとき〇〇の気持ちで死ぬには、その10年前、60歳のときは何をしていますか。じゃ、50歳のときは何をしていますか。40歳のときは?…これから一年後は?」そうやって現在まで遡ります。死ぬ未来からスタートして現在までの未来を振り返る。これはM.エリクソン催眠の応用です。(ツイート改訂)
一般的な逆算思考のやり方は、未来の夢を書いてそこから逆算していく方法です。未来を書けば実現するというものです。ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」と同じやり方です。でも実際、思考は現実になりません。実際、ヒルも、何度も破産をしているわけで、思考が実現しているわけではないのです。実現するなら破産などしないわけですから。そうすると、夢の未来を書く方法は現実的ではないことがわかります。では、どうやるのがいいのか?
それは、【死ぬところからスタート】させるのです。そのとき成功してるとか、破産してるとか、なんでもいいのです。目標達成とかビジョンがどうたらとか、そういうものにこだわるのではなく、とにかく【〇〇歳で死ぬ】これが逆算するときには重要です。
例えば、私の場合、現在もうすぐ64歳で、75歳で心理の業務を止めるとします。このやり方は、生物学的に死ぬところからスタートするわけですが、仕事を止めるのも、社会的に死ぬことですので、それでもいいです。
- スタートは、【実際の死】あるいは【社会的な死】の年齢からスタートするといいでしょう。
- 何歳ごとに現在へカウントダウンするかは人それぞれです。若い人は10年間隔くらいでもいいかもしれません。下の例では、社会的な死からスタートし、3年ごとにカウントダウンしています。
- そしてそのときどきで、どんな気持ちでいるかを書いておきます。
下の例では【Game is over. 愛着障害の人々と生きた一生を振り返りつつ】がそれに当たります。 - カウントダウンするコツがあって、【その気持ちになるには、その数年前はどんなことをしているか】を明確にしていきます。
- 「○○する。」と予定を断定するのは死ぬとき(最後)だけで、あとは「○○中」みたいな感じにすると、楽ですよ。断定すると、しばられてしまって三日坊主に終わりそう。
75歳:心理業務を廃業する。【Game is over. 愛着障害の人々と生きた一生を振り返りつつ】
72歳:心理業務を降りつつある。【下山は一歩一歩踏みしめながら】
69歳:ウクレレシンガー(笑)活動中。心理x歌xユーモア【心理に歌とユーモアを!】
66歳:愛着の本をもう一冊、書きあげる。【楽しく書いている】
今回の話とは全く別の話になりますが、本を読むときも【逆から読む】とかなりハードル下がります。読めない学術論文も読む気になれます。だいたい私は心理や物理(趣味!)の本は、逆から読んでいます。
■まとめ
現在あるいは未来のことを過去形にして行動することは、その行動がよりよく働く場合があります。自分を励ましたり、注意を促すとき、過去形にするといいでしょう。
スケジュールするとき、現在→未来の方向でやるのでなく、【未来→現在】の逆算でやる方法もあります。そのとき夢の実現からスタートさせないことです。死ぬところからスタートさせる。
未来から眺めると、軽い気持ちで処理できることもあります。あなたの日常が楽にすごせますように。
未来から逆算してもつらいだけの人は、ソレア心理カウンセリングセンター(埼玉県)へ