自己肯定感を高める2つのコツ【お前は変わらなくていいよカラ松】

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日常生活の中で、浅瀬なのに溺れかけているような人がいます。カウンセラーはそれをじっと見守っていることです。足がつくことがそのうち分かるよ、と。そして、その人をリスペクトできるといいですね。そのカウンセラーの態度が相手にそのうち伝わります。すると、溺れかけた人は自分の足が地に着くことに気がつきます。整理すると、次の2つのコツが自己肯定感を高めます。

(1)自分を変えようとしない
(2)(他人から)リスペクトされる

「お前は変わらなくていいよカラ松」というメッセージ

マンガおそ松さんの第10話はカラ松がおそ松に相談する話です。カラ松は、自分がイタイと言われる意味が分からないと、相談します。

そのカラ松に対しておそ松は、「イタイのがカラ松だから変わる必要はないよ」と直球で返します。

この後もおそ松の対応があるのですが、それはちょっとやりすぎというか、結論を急ぎする対応と思いますので割愛して、この「変わらなくていいよ」、このメッセージを取り上げてみます。これはいや、ほんと、実に心理学的に、そうなのです。変わらなくていいのです。

認知行動療法では、変わらないことはNGとされます。変わることを前提に、歪んだ認知を修正しようとします。おそ松さんは、その心理学に真っ向から対抗してきたのです。これは心理学を知らないからでしょうか?そうではありません。おそ松さんのほうが心理学的に深いことをやっているのです。恐るべし、おそ松。

変わるのではなく気がつくこと

心理療法は、変わるというよりも分かるというものを目指します。分かるというのは、明晰とも言います。物事がクリアに遠くまで見渡せている状態です。視界が広がっている状態。視界が広がれば、様々な情報が飛び込んでくるので選択肢が広がります。その結果、一つの認知に囚われなくなります。これが認知の変化をもたらします。

心理的な動きというのは、すべてこの原則で動いているので、何かを変えようとしても、それは逆に働くことが多いのです。

お前は変わらなくていいよ、この言葉はもっともなことで、カウンセラーもそれを目指してカウンセリングをやっているのです。カウンセリングとはどういうものかを理解していただくためにも、この動画を作成しました。

初期設定が変化するには?

自分の中に初期設定があって小さいころからそれに従って動いているとおっしゃる人がいます。真っ白な肌をして(つまり、白人ということです)、英語をしゃべる人々は素晴らしいという初期設定が、小さいころからあった。そしてそれは大人になっても変わっていないと言います。

その初期設定に沿ったやり方ができてないと自分がガタガタになってしまうのです。そのことで病院の先生にも話したら「それら(初期設定)に感謝しなさい」と言われました。

確かにドクターの言うことは真実ではあるけれど、初期設定を否定しないわけなので真実ですが、なかなか感謝などできるものではありませんね。結果的に感謝することにはなっても、急に明日から感謝できるかというとそういう簡単なものではないことを、その人は直感的に捉えていました。

ドクターも急いでしまったのでしょうか。まあ、そういうことも往々にして、カウンセリングの場ではありがちです。

回復してくれば感謝もできると思うのです。自分の初期設定の生き方に感謝できると思いますが。その前に何をするのがいいか。それは、初期設定が変わるのではなく、それに気がつくことですね、と話されました。

浅瀬にいることに気づくと変わる

こういう方は浅瀬で溺れているのです。足がつくのに、溺れる!と焦ってバタバタやっている。そのうちに地面を蹴る。二度三度やっていると「アレ?足ついてる?」と分かって、立ち上がると、海面から上半身が出ていたりするのです。

こういうときは浅瀬でバタバタやっている自分に抵抗しないことです。変えようとしないことですね。すると浮力で身体が浮き上がるので、そこで一息ついて、あ、足ついてた?と分かるのです。

悲劇なストーリーを作って生きている人がいます。幸せなことがあったらそんなことはあり得ないと打ち消して生きています。自分が成功したりすると、まぐれだと打ち消して、悲劇のストーリーへ戻っていきます。

この悲劇な物語が冒険物語に変わっていくこと。精神科医の斉藤学先生がよくおっしゃることです。そのためには悲劇のストーリーに抵抗しないこと。変えようとしないこと。そうするとある時気がつきます。足ついてたんだ!?その瞬間、ガラッと変化するのです。

カウンセラーからのリスペクトがクライエントを救う

そうなるまでカウンセラーはそばで、その人の生き方を信用して見ていることです。浅瀬でバチャバチャやっているのを信用して見ていてあげることです。リスペクトしながら。

相談者の方は、そのようなカウンセラーに出会うまであきらめないことです。いつか出会えるでしょう。それまでは、溺れそうになっている自分を見つけたときも、焦らず力を抜く練習をしていましょう。溺れている自分に「変わらなくていいよ」と声をかけてあげる。そうすると浮上してきます。自己肯定感がアップします。

じゃあ、カウンセラーがいない人は?

カウンセリングをしていない人はどうしたらいいのか。そういうような人は、ある程度、ベースができあがっている人ではないでしょうか。そういう人は、

・自分が他人のために何ができるかを考えて(*1)
・それを早く実行することです。

現在は10年前と比べてもネット空間を利用する手段が格段に増えています。それを利用して、できるだけ早いうちに、自分ができそうなことを、何でもいいので、他人のために一生懸命にやってみることです。

他人のために汗水を流せば、結果的に他人からリスペクトされることになります。

そのとき気つけてほしいのは、いったんやることを決めたら、すぐやることです。時間をかけて考えていると、人間というものは認知脳が優勢なので、頭でゴチャゴチャ良からぬことを考えてしまいます。その隙を与えないためにも、認知脳が起動する前に実行してしまうことです。これはフロー理論(*2)からも妥当性がある行動です。

Reference:
*1)
フランクル:どんな時も、人生には意味がある, 諸富 祥彦, PHP出版, 2006
*2) 辻秀一 :禅脳思考, フォレスト出版, 2014

低い自己肯定感で困っているときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ。

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