なかなか精神的に自立できない人がいます。自立できる人とできない人は何が違うのか。
愛着という軸で次の3つのパターンに分けられます。自立と愛着の問題は切っても切れないくらい深く関係しています。解決方法はそれぞれ違います。
・愛着充足パターン
・愛着不全パターン
・愛着障害パターン
■愛着から自立へ至る道
自立の問題を考えるとき愛着の三角形を描いてください。
△形を描いて、中央に横棒をひっぱって、下へ愛着、上へ自立(分離)と書きます。これが自立と愛着の関係を示しています。
自立と言っても、精神的自立、身体的自立、社会的自立、経済的自立、色々あるでしょう。
ここでは自立とは、精神的な自立を示しています。精神的に自立できていれば、身体的にも、社会的にも、経済的にも自立ができるからです。自立とは様々な自立があるように見えますが、すべてはこの精神的な自立に集約されます。
この図の自立は精神的な自立を示しており、これはアイデンティティの形成と深く関係しています。精神的な自立ができるということは、自分のアイデンティティが形成されたということです。自分として成立している感覚です。それがあれば自立と言って差し支えないでしょう。
ここでアイデンティティという言葉が出てきたことに注目してください。アイデンティティは思春期を通過してようやく得られるものでした。ですので、自立しているとすれば、それは20代であるといえます。
△の下側に描いた愛着とは「つながっている感覚」で、自立とは「離れている感覚」です。つながっているから離れることができる、これが健全な親子関係です。
児童精神科医ウィニコットのいう「ひとりでいられる能力」とは、10か月くらいの母子関係を表した言葉です。それは、この自立をめぐる関係性を代弁したものともいえるのではないでしょうか。つながっている感覚があるからひとりになれる。つまり、愛着が安定していて、はじめて自立へ向かえる。
■愛着充足パターン
愛着は、2歳までに形成されるものです。この時期は、基本的信頼感、絶対的安心感、心理的安全性を獲得する時期です。
△の下部が2歳まで、上部が20歳以降、愛着形成から出発した人間はこれだけの時間をかけて自立へ向かうのです。
これが愛着充足型の基本的なパターンです。
ここに属す人は、何もする必要はありません。年がくれば自立していくでしょう。
そうはいうものの、この愛着充足パターンの人でも不調に陥っている人もいます。親が被虐者の場合です。この場合は、愛着障害の臨床を得意とするカウンセラーに相談してください。
■愛着不全パターン
愛着を養育者と結べはしたものの、濁った、泥沼の愛着関係である親子関係もあります。すっきりいかないのです。
親が子どもへ責任を取らなかったり、親が子どもと競争しあったり、そんな愛着を愛着不全と名付けてみましょう。そのような愛着関係しか築けなかった場合、子どもの自立は阻害されることが多いのです。
そのような子どもは安全性が脅かされた状態で成長して社会化していきます。なかなか社会へ入ることができずにひきこもったりもします。そのような道を歩む人も、紆余曲折しながら自分の道を見つけていく人もいます。
これが愛着不全型の自立パターンです。
ここに属す人は、自分の不調に気がつかない、気がついても身体的な疾患だと思っているようです。そういう人は、周りは大変ですが、そのままにしておくほうが賢明でしょう。余計な蓋は開けない。
もし、そのことに気がついてしまったら、愛着不全のカウンセリングが得意なカウンセラーを見つけてください。そのときのキーワードは、大人の学童期です。
■愛着障害パターン
養育者と愛着を結べなかった人は、社会化が非常に難しいのです。人生モデルもいないので大変です。
そういう人は、一匹狼のように社会を生きていきます。基本的信頼感も希薄なので、世界は敵ばかり、脅かされるばかりですが、その荒野を一人のガンマンのように生きていきます。
カッコいい映画に描かれそうな感じですが、事実はそんな生易しいものではありません。
これが愛着障害型の自立パターンです。
ここに属する人は、愛着障害の臨床を得意とするカウンセラーに相談してください。愛着充足型と同じですね。
■愛着障害に効く食べ物
そんな魔法のような食べ物はありませんが、
・美味しいもの
・最初に食べたいと思ったもの
などを、中心に食べなさいと言われます。
これは食べ物、つまり味覚に安心感を与えているということです。
この間、高級パンの情報番組をやっていました。高級パンは味が違うそうです。私は1斤800円する食パンを買って食べたのですが、うーん、よく分かりませんでした(笑)。
値段というよりも、その人が美味しいもの、その人が「これ食べたい!」と思ったものを食べると良いようです。
閑話休題。
■まとめ
自立には3つのパターンがありました。
・愛着充足パターン
・愛着不全パターン
・愛着障害パターン
これらは愛着障害の臨床が長いカウンセラーなら対応可能です。充足パターンを除いては、カウンセラーに相談したほうが良いでしょう。充足パターンでもつまずいて自立できていない場合は、同様に相談ください。
自立の問題を解決したいときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ
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