PTSDの診断についてお話します。DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引では、7つめのカテゴリーに、「心的外傷およびストレス因関連障害群 Trauma- and Stressor-Related Disorders」があり、ここにPTSD関連の障害が入っています。
具体的には、次の5つの障害群があります。
(1) 反応性アタッチメント障害 Reactive Attachment Disorder
(2) 脱抑制型対人交流障害 Disinhibited Social Engagement Disorder
(3) 心的外傷後ストレス障害 Post-Traumatic Stress Disorder (PTSD)
(4) 急性ストレス障害 Acute Stress Disorder
(5) 適応障害 Adjustment Disorder
反応性アタッチメント障害と脱抑制型対人交流障害の2つは、幼少期から複数の(小さな)トラウマを継続的に受けている状態で、虐待に関連する障害です。複雑性PTSD(C-PTSD)と呼ばれます。PTSDは1回の大きなトラウマによるものですが、C-TSDは複数の継続的なトラウマによるものなのです。
C-PTSDについては、ハーマンの「心的外傷と回復」に詳しいので、ぜひそちらの書籍をお読みください。分厚い本で、専門的な文献ですが、カウンセリングの基礎になるものですので、10年くらいは繰り返しお読みになることをお勧めします。そのくらい大事な本ということです。カウンセラーを目指していない人にとっては、枕くらいにしかならないかもしれませんが、カウンセラーを目指す人にはバイブルとなる本であるということです。
この5つの区分ですが、さらに大きく分類すると、
(1)と(2)、
(3)と(4)、
(5)というように分類されます。
この3つの大きな区分を目安に、
ソレア心理学ゼミの講義を進めます。