【トラウマ】子どもの頃からの不眠や浅い眠りの原因の1つはPTSD

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長期に渡って浅い眠りという睡眠障害に陥っている人の多くには、トラウマが解消されていない可能性があります。浅い眠りですから、どんなに寝ても、寝たという実感を味わうことができません。十分に眠るためにはどうなっていけばいいのでしょうか。

不眠症の乃木坂46

アイドルグループ乃木坂46の2017年のヒット曲に不眠症という歌があります。どんな歌詞なのかというと、寝ていてはダメ、甘えてはダメ、寝てる場合じゃない、すぐ起きてハングリーに立ち向かえ!という、不眠症とは全然関係のない応援ソングのようなイメージです。

不眠症の人が聞くと、余計に気が滅入ってしまいそうな、優しくない歌です(笑)。でもまぁ、思春期はあんな感じでもいいのでしょうか。もっと不眠症についての的確な歌を探せれば良かったのですが、もし、適切なものが見つかったら、この記事の導入部を改訂しましょう。

眠れない

眠れないということを訴える人は少なくありませんが、子どもの頃から睡眠不足に悩まされている方がいます。不眠症というのは通常子どもはなりませんので、子どもの頃から眠れないというのは、その子の身の上に大変なことが起こっているということです。

話を聴くとトラウマ(PTSD)があって、過度に寝ていたといいます。起きているとつらいので寝る。十数時間も過度に眠るというのは現象的には過眠と捉えたりしますが、トラウマによる過眠は、ぐっすり寝ているのではなく、浅い眠りが継続しているだけで、熟睡している状態とは異なります。何かあるとすぐに覚醒する状態です。

PTSDでは次のような行動が見られます。(松崎朝樹著 精神診療プラチナマニュアルより)

(1)常にイライラしていて怒りやすい(怒り)
(2)自己破壊的な行動を取ったり、無謀な行動を取る(怒り)
(3)警戒心(アラーム)
(4)驚愕反応(アラーム)
(5)集中困難(脳機能)
(6)睡眠障害(脳機能)

大きくまとめると、自分に対しての反応(2),(4),(5),(6)か、他人に対しての反応(1),(3)に分けられ、それをさらに細分化すると、怒り、アラーム、脳機能の問題というふうに分けられます。

(6)の睡眠障害ですが、入眠困難、中途覚醒、浅い眠りなどを指します。この浅い眠りですが、トラウマを持っている人の眠りは、十数時間眠っているようでも、浅い眠りがずっと続いている状態です。ですから、何時間寝ていたという基準では推し量れないところがあります。眠っているようで眠っていないのです。トラウマでは眠れない状態が続くのです。

さて、その人は「眠るのは逃げだ」と考えています。逃げに対しては罪悪感もあります。それによって余計に眠れない浅い眠りになってしまいます。

眠る=逃げですので、眠らない=逃げない、ということです。この人は、逃げない自分を肯定しているので眠れない状態が続いているのです。通常の人は、逃げないという自分を肯定します。よくやっているな!と肯定するのです。そういう余裕があります。この人も同じように逃げない自分を肯定しているのですが、余裕がないため、逃げないだけで終わることができず、逃げないということが眠らないというものに寄りかかっているため、不眠症になっているのです。このような心理的な複雑な背景があるのです。

逃げない自分を肯定するのはいいのです。同時に眠れない自分も肯定していくことになれば、結果的に眠れるようになっていきます。この人の治療ポイントは、逃げない自分の肯定→眠れない自分への肯定に拡大していくことだと分かります。

そうすると、十数時間ぐっすりと眠れるようになります。ダラダラと横になって緩むことができるようになります。この場合は、過眠ではなく休息なのです。これを過眠とは言いません。トラウマから離脱してようやく休息できるようになったのです。

私たちはそれが過眠なのか休息なのかを見分ける必要があります。トラウマイベントが見つからず、ぐっすりと十分に長時間眠っていたらそれは過眠ではなく、休息なのです。OKです。治療の必要はありません。

良質の睡眠を確保したいときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ。

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