非行の原因は社会との絆が切れてしまうから【ハーシーの社会的絆理論】

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今回は第二回公認心理師の試験にも出た事柄について、少しお話しします。

それは、非行の原因は何かということです。ハーシーの社会的絆理論についてです。この社会的絆という言葉を知らなくても理解はできます。実にストレートですが、まず非行の原因の中心にくるのが、社会的絆が切れてしまうことと言われています。これは言わずもがな、当たり前のような気がしますが、それだけ絆というものは大事なことなのです。

絆とは愛着のことですが、試験問題の問われていたことは、愛着が強いと非行を起こしやすい、〇か×か。これは社会的な経験上に、愛着があれば非行せずに済むということになります。(現実はちょっと違いますが。)ですから×ですね。非行少年のグループでの結束は、愛着ではないということですね。じゃあ何か?裏切りとか騙しとか、そういうものです。表面的に結束があるように見えるだけです。それを愛着と勘違いしている人もいるようですが、そこには愛はありません。騙し合いの世界です。

実際の非行の原因は、社会的絆(愛着)の問題というよりも、発達に問題のある少年が起こすものと捉えたほうが、より本質的です。実際、少年院や刑務所にいる人々の多くは発達の問題を抱えているという事実があります。そのため、矯正が進まず再犯に至るケースも多いと聞きます。

社会的絆が切れて非行に走る場合は、その絆をつなぎ直せば非行から抜けられそうです。絆が切れるということは、その前は絆があったということですね。そういう環境を作ってやれば非行からは脱出できそうです。

しかし最初から社会的絆がなかった場合、つまり分かりやすく言えば愛着がなかった場合、あかちゃんの頃から笑ったことがなかった場合、この場合は絆をつなぎ直そうにもつなぎ直すだけの素材がないことになります。そう簡単にはいかないですね。

この場合はつなぎ直すというよりも、特定の人との愛着を形成しなおすことが必要になってきます。例えば、少年院の中で本当の養育者となってくれる人、または社会へ復帰したときの保護司等との愛着を基盤に社会的絆が新たに形成されていくことになります。非行少年には経験したことのない領域なので、怖くなって逃げることもあるでしょう。そのへんを理解していることです。

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