なぜ親は子どもを痩せさせるのか?理由は【マルトリートメント】

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メルマガ読者から質問をいただきました。

船戸 結愛ちゃんが虐待によって亡くなりましたが、結愛ちゃんの義父は結愛ちゃんにダイエットをさせていました。
虐待事件においては、親が子どもに無理なダイエットをさせることが多いように思います。
虐待を行ってしまう親は、どうして子どもをダイエットさせたがるのか?
色々な文献を調べましたが、(この説の真偽も含め)どこにも載っておらず、どうしてもわかりません。

この質問に対して、私は下記のように答えました。

それについては、ダイエットに見えるということだと思います。
虐待する親の、子どもへの養育放棄、ネグレクトだと思います。
食べ物を用意しないわけですので、子どもは、結果的にダイエットになります。あるいは、子にお金をかけて食べさせるのはもったいないという思いから、結果的にダイエットになるのだと思います。

すると、

彼ら(虐待をしてしまう親)は、驚く程、同じことを言うんですね。
「モデル体型にする」
「モデル体型でなければ、この子がかわいそう」

虐待をしてしまう親は、文字を早期に教えたり、教育熱心なことも多いので、(自分に対する)自信のなさからくる(子どもをすばらしい人間にして、自分を満たしたい)代償行為なのか、と(個人的には)なんとなく思っておりました。

この子どもにお金を掛けたくない、という、ネグレクトの一種なんですね。

このようにお返事をいただきました。(割愛している内容もあります。)

ここで私が返信している内容と、質問をいただいた方の間に明らかに齟齬(そご)があるように思いましたので、記事にしてアップしました。この誤解は、よくある誤解と思っています。この原因は、虐待というものに対しての定義の不鮮明さにあります。

虐待というのは、性的虐待、身体的虐待、心理的虐待、養育放棄です。(ここに社会的ネグレクトが追加されます。)ここで難しいのは養育放棄です。どこまでをネグレクトというのか?これは、子どもや親の話を丁寧に聴いていかないと分かりません。この方の言う、教育熱心な親については、どこまでを虐待と言わなくて、どこからを虐待というのか、この切り分けをきちんと心理職(援助者)が行うことが必要です。

以前も話しましたが、家族再統合できるのかどうか、そこをきちんと見立てることも虐待問題の解決の最大の糸口になるということです。要するに、その事案が虐待かどうか、これを見立てることですね。そのための専門家の研修があるのです。

虐待かどうかは、その重症度と継続性、この2軸で考えることでした。親による子どものダイエットが、どの程度ひどいのか、そしてどのくらいの期間行われているのか。それらを正しく査定する必要があるのです。

マルファンクション(最近の言葉では、マルトリートメントとも言いますが)は、グラデーションを帯びている概念で、機能不全ということです。もう30年前から、ACという概念が登場してから、機能不全家族という言葉は有名になりましたね。機能不全から無機能までグラデーションを帯びています。

無機能ですと、それはほぼ虐待に限りなく近くなります。その査定は、両親を正しく見立てる必要があります。それによって、家族として再統合可能かどうかが分かります。

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