クライエントとのセッションを、心地よい疲労感を伴って終わらせるにはどうしたらいいのでしょうか。心理職の方には是非参考にしていただきたいです。
安全な空間の中で傾聴され、自由に葛藤を話して整理したいときは、ソレア心理カウンセリングセンターへ。
相談するアラジンの魔法のランプ
アラジンの魔法のランプは、ランプを手にしたアラジンがランプをこすると魔人が現れて、3つ願いを聞いてくれるというものでした。2019年のディズニー映画でヒットしました。
さしずめカウンセラーがアラジンだったら、どうかカウンセリングのあとの疲れを取ってくださいとお願いするのでしょうか。それはあり得ると思います。切実な問題でしょう。
真面目にセッションへ向かうカウンセラーほど、それは現実問題としてのしかかってくるでしょう。心理職が燃え尽きてしまう前にどのように対処していけばいいのでしょうか。
カウンセラーのケア
カウンセラーはどうやって自分のケアをやっているのかと聞かれました。これはカウンセラーにとっても一大事なことですし、相談者にとっても思いっきり相談できるかどうかの瀬戸際に追い込まれることだと思いますので、知りたいところだと思います。
カウンセラーのケアというか余裕を作るためにカメカメハ瞑想をやってくださいと、治療のためのマインドフルネス2019 に書きました。あれは、カウンセラーのケアと言えるものです。
しかし、、それだけでアラジンの魔法のランプのようになるかと言うと、なんだか無理なように思います。じゃ、何がいるのか?と問われると、そこはひとまず企業秘密です、となる。
要は、一言というか数分のビデオでは言い尽くせないところなので、体系立てて話すには数時間必要ですし、それは概略が分かるだけで、自分のものにしていくには数年以上かかるものです。私のスーパービジョンを受けてもらえれば、要所々で分かるようには説明していきますので、そちらをご利用くださいと宣伝になりました(笑)。
どうやって自分のケアをしているかの質問へ戻ります。イメージ的に答えると、一人ひとりが、一つひとつの魔法のランプのようになっているから、それでケアになっているということです。
カウンセリングルームの中にたくさんのランプが並んでいると想像してください。相談者の方がやってくると、その人のランプを取り出します。セッションが始まると、ランプの中から魔人のように、その人のこれまで紡いできたその人の物語が立ち現れます。そして物語はセッションの中で展開し、セッションが終わる頃、またランプの中に戻ります。
セッションが終わると、カウンセラーはランプをそのまま元の棚に戻します。カウンセラーは次のセッションのため、また別のランプを取り出します。
こうやってすっかりとランプの中に物語が納まってくれれば、カウンセラーは自分をケアする必要はないのです。要は、セッションをそのように、ランプに戻すような流れを作っていくことが、結果的に自分のケアにつながるのです。
流れを作るというのは適切ではないですね。流れはできますので、カウンセラーも相談者と一緒に、それに逆らわずに流れることです。それがうまく流れると、セッションの終わりに適切な場所、つまりランプにすっかりと戻ることができます。この「うまく流れると」というところがカウンセラーの腕の見せ所でしょうか。そのためには特別なことをしてはいけないのです。
何やら禅問答のようですが、それに近いところもあるでしょう。タオイズムと心理療法という本があります。ハコミセラピーの真髄を書いた本です。ああいう感じでしょうか。でも本を読んでいない人には分かりませんね(笑)。心理職の方は、ぜひお読みください。
ミヒャエルエンデのモモの最後に、モモが時間どろぼうから追われているときに、亀のカシオペイヤから授かる言葉があります。「後ろ向きにゆっくり進むと、前へ早く進む。」これが物語をキレよく終わらせる秘訣です。