6月13日のレター返しへの質問です。放送の中で愛着障害と思われる方への質問箱(6/4)に他の方が共感されるレターをされてて愛着障害への理解がより進みました。いつもありがとうございます。そのお便りの中で一点だけ自分とは違うのはパートナーとの親密性というお話があり、レターされた方はパートナーとの絆を再確認されてるご様子が印象的でした。丁度、海外在住のトラウマケア専門の心理士さんの動画で「カウンセリングよりもリソース構築の方が大事といっても過言ではない」というのを観たタイミングで、リソースとはソレアさんで言うところの「双子のカメレオン」に繋がる【現実世界での親密な関係性】のことかな?と思いました。以前、高間先生は愛着障害の人は「自分はこんなもんだから」と自分を低い所に置く癖があるとご説明されてた気がします。例えば心の回復の手助けにあまりならないような配偶者を選んでしまってて、その現状を甘んじて受けているなど。同じ愛着障害でも配偶者選びに違いが出てくるのはどんな背景からなのでしょうか?より重篤なほど余裕なく生家から逃げるように結婚などするからでしょうか?そしてそれは回復に必要なリソースへも大きく影響してくるのでしょうか?その場合カウンセラーはリソース構築を促すのでしょうか?それよりも「どうして自分はそのような人間関係をつくるのだろうか?」という自己理解にまず集中させるのでしょうか?混み入った質問ですみません。
愛着障害の臨床でもっとも大切なことは【安全基地】です。安心・安全な場所で生きていくこと。これが大切です。
- カウンセリングルームという安全な場所
- 日常の中の安全な場所
愛着障害の治療を通してこの2つの場所を行ったり来たりすることで、安全感のない世界に安全が芽生えてきます。徐々に「安全」という大気が出来上がってきて、呼吸ができるようになります。
それは質問者さんのいう「現実世界での親密な関係性」を構築するためのもの(リソース)と言えます。
双子のカメレオンもそうですね。一番最強のもののひとつと言えるでしょう。双子のカメレオンはレオ・レオニの絵本にヒントを得て、わたしが創作した概念です。ソレアの人気記事です。再読してみてください。ここには様々な安全基地の形態を紹介しています。
【愛着の治癒】自分の色がないカメレオンが見つけた安全基地の作り方|双子自己対象という生き方
「同じ愛着障害でも配偶者選びに違いが出てくるのはどんな背景からなのでしょうか?」に関しては、回答を持ち合わせていません。もう偶然としか言いようがないように思います。いろんな偶然が一致して良い配偶者を選ぶのでしょう。
これは愛着障害でも愛着不全でも同じです。そういう前提でありながら、いつもわたしが思うのは、
それでも、いい人に出会えればいいね
配偶者がいい人でなくても、他にいい人がいればいいのです。配偶者がいい人でなければ離婚してもいいし、離婚せずに低空飛行の環境に甘んじながら、自分の人生の立て直しに向われる方もいます。つまりいい配偶者に出会えることだけが回復ではないのです。
先ほど紹介したカメレオンの記事を読んでいただくと、安全基地の3つのレベルを紹介していますので、理解していただけるのではないでしょうか。
これが愛着治療の回復であり希望です。