ご著書はじめ大変学ばせて頂いております。拝読しとくに自分の中で整理出来てないことについて質問箱失礼致します。
相談者は治療者の持つ回復ロードマップやまた人生観や臨床哲学に影響を受けることなどはありますでしょうか…?愛着臨床は幼児期や学童期で止まった精神をラポールを形成して親代わりとは言い過ぎかもしれませんが人生観を変えるような影響を与えるようにも思えるので、治療者の持つ回復ゴールイメージ(社会との関わり方)などに多少は影響があるのではないかと考えることがあります。
愛着障害のゴールイメージは「わき道や流れ続けること自体がホーム」で、回復前よりは圧倒的に楽に生きるようにはなるが「普通の人のようにならず一人で生きてる感じは残る」と理解してたのですが、追って高間先生が学ばれた高橋和巳先生の刊行本をほぼ読ませて頂いたのですが、高橋先生は「愛着障害から回復すると積極的に人の中に入っていく」など、いずれも「普通の人になる」というゴールイメージに受け取りました。
ゴールイメージは結構重要に思えて繰り返し先生方の文章を読み返して頂いてるのですが、読み落としか誤読か、上記の違いを感じます。混み入った質問ですみません不適切な質問でしたらご回答無しで大丈夫です。
おたよりありがとうございます。
相談者は治療者の持つ回復ロードマップやまた人生観や臨床哲学に影響を受ける
これはその通りです。相談者が影響を受けるばかりではなく、治療者も相談者の人生から影響を受けます。それがラポールということですね。相互作用します。この「相互」というところが、治療的に働きます。
おそらくコフートはこの相互の重要性を認識しており、死ぬ間際に双子の存在を示したのでしょう。
- 治療の枠の中では治療者が相談者の双子
- 生活の中ではトモダチが相談者の双子
こうやって治療内と治療外で双子を経験していくことが、回復への原動力となります。
わき道や流れ続けること自体がホームで、回復前よりは圧倒的に楽に生きるようにはなるが、普通の人のようにならず一人で生きてる感じは残る
上は私の臨床でみる回復イメージですが、臨床現場ではこういう感じで回復する人が圧倒的な気がします。下記の記事もそんなゴールを書いています。
▶愛着障害の人の回復は、症状が消えて、つまらない日常になること|クチコミ投稿
確かに高橋先生は、愛着障害から回復すると積極的に人の中に入っていくなど、いずれも「普通の人になる」というゴールイメージがありますね。
私のところにくる愛着障害の人は、そのような人は結構少ないです。皆無とはいいませんが。若い人はそのようなイメージがありますが、30代以降は、先の記事に書いたようなイメージです。つまらない日常ですね。積極的な交わりとはやはり遠いです。
これは臨床スタイルの差があるからかもしれませんし、高橋先生の書籍は一般書なのでそういう表現になってしまうこともあるかもしれません。あまり本当のことは書けないというか。出版するときに出版社の意向も入るでしょう。大人の判断がそこには入ります。私の場合は出版部数も少ないので書き放題です笑。そういう差もあるかもしれません。
ただ、高橋先生も私もどちらも、「相談者が楽になる」ここは同じものを目指していると思います。これは他の治療者でも異論はないでしょう。
□この回答についてご意見・ご感想などをお聞かせください。コメント欄でお待ちしております。
□質問箱リストへ戻る https://solea.me/questions/
いつもありがとうございます。気になったのですが…愛着不全も回復したら「つまらない日常」になるのでしょうか?