いつもありがとうございます。ラジオでティファニーのホリーを例にした愛着不全の流れ者のお話興味深く拝聴しました。「全ての愛着不全が流れ者になるわけじゃないけど年をとってから(の治療.回復?)は流れ者になるパターンが多い」とのことですが、普通の(愛着の世界からの)感覚では年をとってからの方が流れ者には難しいように思ったのですがどういう感じなのでしょうか?
流れ者というと言葉通りティファニーのホリーやスナフキンなど住む場所を定めない転々とした浮草のようなライフスタイルが浮かびます。古い例えですが沢木耕太郎の深夜特急のように30代前の若い頃にはそのような生き方も可能かもしれませんが成人期に入ってからの流れ者の生き方というのが想像できません。深夜特急やスナフキンへの志向性は思春期特有で成人期には落ち着くように思います。これも普通の世界からの不理解でしょうか?
放送にあったランボーも20代までは放浪を重ねますが30代になると流れを止めてアフリカを終の住処に生涯を閉じました。生涯の流れ者の事例などご教示頂けたら幸いです。
流れ者の話が続いています。愛着のある人々は、好き好んで流れ者になったりはしないでしょう。思春期は反乱を起こすために、あえて流れますが、大人になっていくにしたがって、その漂流も落ち着いて、どこかに辿りつきます。居場所探しに決着がつくのですね。これが普通の人々です。
ですから愛着のある人が年を取ってから流れ者になるのは、かなりリスクが高くて大変になると想像がつきます。つまり、何が言いたいのかというと、40代、50代の愛着不全の人(不完全な愛着のある人)が流れ者になるのは、とっても厳しいということです。
ここは質問者さんの「年をとてからの方が流れ者になるには難しいのでは」という部分と合致します。そうですとても難しいのです。しかしそれくらいしか選択肢がないとすれば、そこをやっていくか、別の選択肢を開拓していくかしかありません。これが不時着ということですね。何かを見つけるためにカウンセリングは進みます。その一つが、厳しい流れ者という状態に身を投じるということです。
ランボーが愛着の問題を抱えていたのかよく分かりませんので何とも言えませんが、生涯の流れ者の事例はたくさんあると思います。例えば、仕事に関して言えば…
- 大学や院生のとき就活をしない
- 数年ごとに転職を繰り返す
- 小規模の会社を渡り歩く
- あまり知られていないマイナーな専門職につく(現代だとIT職以外)
- 30代でフリーランスに転じる
- もえつき症候群になってもおかしくない働き方をしている
- お金や稼ぐことに興味がない
これらの行動を選択しながら高収入を得て、周りの人から見たら成功者のように思われている人々がいます。このような人は、一生そのような生き方をするでしょう。休みが増えて、家族と過ごす時間が増えて、財産が増えたとしても、流れ者の気質は消えることはないでしょう。こういう感じの人って結構、周りに発見できるかもしれません。
そしてそういう人の生育を聞くと、愛着に問題のある人々が多そうです。