資格のないカウンセラーさんについて

クライエントの方ですね。いつもご苦労さまです。

わたしはカウンセラーになりたいという人には大学院へ行くことを勧めています。臨床心理士になる必要はないけれど、大学院で心理を勉強し、色々な学説、療法、考え方を経験し、多くの先生に会って議論して等、そういうことができるのは大学院しかないでしょう。

そうやって視野を広く持つためにも、大学院は有効に機能します。カウンセラーにとって必要なのは、広い視野ということになります。これは本を読んでいるだけで身につくものでもなく、何か特別な心理療法に傾倒して身に付くものでもないと断言できます。なぜならわたしがそうだったからです。

言ってみれば大学院という場所は、多くの先生に出会って、その中から一生の師に出会う場所なのです。誰でもそういう師に出会えるかというとそういう訳でもなく、そういう先生に出会うには運もあります。しかし院へ行くことでその確率を大幅にアップできるはずです。

それを踏まえて、あえて資格を持っていない、大学院へも行っていない人がどういうカウンセリングをできるかというと、精神年齢が成人期にまで達している人の悩み、つまり人生相談のようなものを聴く場合には、うまく機能するのではないかと思います。葛藤の解消を図るカウンセリングですね。ただ人生相談ですから、人生経験の浅い若いカウンセラーには太刀打ちできない領域かもしれません。

相談者の立場としては、安心できる良いカウンセラーに出会うのが一番と思います。資格の有無は重要ではないとは思いますが、資格は最低ラインと考えてもいいかと思います。資格あってのスタートラインですね。これは医者でも同じですね。

色々な情報を得て、いろいろととやってみるのはいいかと思います。しかしそれがトラウマになる場合もあるので、注意も必要です。先日、「7日で自己肯定感をあげる」というような本を読んで、4日目あたりの「許す」ワークで苦しくなったと話していた方がいました。その人に対しての私の見立では、7日で自己肯定感があがるわけではなく、その100倍の日数がかかるなと思いました。そういう見立てがあれば、許すワークなどは絶対にやらないわけです。

ですから結論としては、信頼できるカウンセラーと一緒に色々やってみるのが、一番安全で確実な方法なのではないでしょうか。人生相談以外は資格が最低ラインでしょうか。