いつもお世話になっております。先生がブログで紹介されていた「聴く技術(高橋和巳)」を読みました。
とても勉強になりましたがわからないところがあり質問です。ご多忙のところすみませんが教えていただけると嬉しいです。
人の悩みの四つの分類
「人が怖い」「自分を責める」「人とうまく付き合えない」「死ぬのが怖い」というのがあるそうです。
反応性愛着障害などの人は人が怖いという悩みに分類されると表にまとめてかいてありました。
ですが虐待などをされていたら死ぬのが怖い(殺されるのが怖い)になりそうな気がしました。
私自身、悩みを分類して整理してみたのですが「死ぬのが怖い」なのか「人が怖い」のかわかりませんでした。
本にある死ぬのが怖いは自然な死(病気とかも含む?)のことについてでしょうか?誰かに脅かされて死ぬのが怖いのは人が原因なので人が怖いに分類されるのでしょうか?
理解力がなくすみません…よろしくお願いします。
聴く技術は、読みやすいですが、内容はかなり高度なことが書かれています。あの本に書かれていることができているカウンセラーは結構少ないかもしれません。ですから中堅カウンセラーの人にとっても、普段の自分の業務を振り返るきっかけになるでしょう。
四つの悩みについて、本を読み返してみました。あの本に書かれていないことを補足しながら、わたしなりに読み解いてみます。
■人の悩みの分類
まず前提として、四つの悩みは脳機能に問題のない人の話でしょう。例えば、統合失調症、双極性障害、高次脳機能障害、発達障害、認知症、知的障害の人々は除外して考えてください。
- 人や社会が怖い:被虐者の抱く悩みです。
- 自分を責める:精神年齢が成人期にまで発達した人の抱く悩みです。
- 人とうまく付き合えない:思春期以前に親子関係でつまづいた人の抱く悩みです。
- 死ぬのが怖い:事故(PTSD)や近しい人の死など、理不尽な事態に遭遇した人の抱く悩みです。精神的には成人期にまで発達した人の抱く悩みです。
ご質問の「自然な死」については喪の作業があり、誰かに脅されるのはPTSDに入ります。ですから「人が怖い」には分類されません。あくまでも「死ぬのが怖い」ということでしょう。
また被虐者の悩みは人が怖いだけでなく、ここで紹介されている4つの悩み全てが含まれるように思います。メインは「人や社会が怖い」ですが、かりそめの成人期にいる人は「自分を責め」、かりそめの思春期にいる人は「人とうまく付き合えない」、かりそめの成人期が打撃を受けると「死ぬのが怖く」なります。
また本書では人が怖いに、反応性愛着障害とありますが、脱抑制も「人が怖い」に入りますのでご注意ください。
ご多忙のところ、お返事ありがとうございました。
被虐者にとって悩みはひとつではなく、複合的だったんですね、本では読み取れなかったので勉強になりました。
ありがとうございます!