LGBTQにトランスジェンダーという体と心のジェンダーの不一致がありますが、最近「トランスエイジ」というものがあるそうです。実年齢と心の年齢の不一致のことだそうで、愛着障害や愛着不全が浮かんだのですが、トランスエイジ当事者達は、実年齢と心の年齢の解離を強く自認してて、人によってはそれを主張しLGBTQ運動に連なる最新トピックとして取り沙汰されてるようでした。愛着障害や愛着不全の場合、心の年齢の自認はどのようになってるのでしょうか?
トランスエイジという概念があること、知りませんでした。教えていただきありがとうございます。
こんなYouTubeがありました。
【トランスエイジ】なぜ年齢ありき社会に?自認する心の年齢って何だ?非公表の若新雄純と考える
精神年齢(こころの年齢)の問題はカウンセリングではとても大きなテーマになります。つまり「実年齢とこころの年齢は乖離していては問題症状が起きる」ということです。それが離れていていいことは一つもない、とも言えます。
動画では実年齢30代後半の男性が登場し、こころの年齢が20代後半と語っています。この男性はまだモラトリアム、つまり思春期(理想主義)に片足つっこんでいる状態で、この年齢差は誤差範囲ともとれるでしょう。
動画とは真っ向から対立する意見ですが、カウンセリングの現場では、こころの年齢が追い付かずに、そのことで悩んでいる方々が多数やってきます。ソレアにも35歳の少女に関しての記事があります。
これらはLGBTQとはまったく違った状態であって、治療の対象になるものです。そして、この乖離が起こるのは多くの場合、ほぼ愛着がらみのことなんですね。
「こころの年齢が低くて、それを主張して」開きなおっている人々は、ちょっと問題があると思います。開きなおることなく、その乖離をつらいこと、大変なことと分かっている人は治療構造に乗ってくる人々でしょう。カウンセリングにやってくる人は、ほぼそういう人々ですね。
またトランスエイジを話すときに、LGBTQと同じ土俵に乗せるために「自認」という言葉を使っていますが、これにはとても違和感を覚えました。
おそらく自認するためには、長く苦しんだ期間があって、そこを乗り越えてきた過去が必要です。理論上、愛着について決着がつくと「自認」という状態に至ることもありますが、愛着に決着がつくということは、実年齢にこころの年齢が追い付くということですので、自認ということも、臨床的には起こらないのではないでしょうか。
実年齢が50歳なのに精神年齢が10歳という主張をする場合、確かに「自認」しているわけですが、自認という言葉を使った瞬間、そこには幼すぎる自分に対しての恥ずかしさのようなものが消えるわけです。
これは治療にとってマイナスとなります。実年齢よりもこころの年齢がずいぶんと低いと感じる場合、それは治療対象になります。➊愛着がらみのときもありますし、➋発達の問題が潜んでいる場合もありますし、❸重篤な精神疾患がある場合もあります。
このへんは、こころの年齢(精神年齢)の治療に詳しいカウンセラーに相談するのが良いでしょう。
- 愛着障害の場合のこころの年齢は幼児期、愛着不全の場合は学童期・思春期相当であると思われます。
- 発達障害の場合は、学童期相当であると思われます。
- 重篤な精神疾患のある場合は、途中までは成人期直前まで発達しますが、その病気によって学童期に急落するような状態に陥ります。病態が良くなれば、また成人期に近づいていくでしょう。
ご回答ありがとうございます。「自認」という言葉についてのご説明で、心の年齢と実年齢のギャップが臨床ではどう向き合っていかれるものなのかイメージできました。自認した時点で、それはもう病態ではなくアイデンティティ的な「選択」や「意志」になるということでしょうか。まだ理解はこの程度ですが、性自認の問題とは、全く別物ということを理解出来ました。