愛着不全は何故、双極性障害の様な言動になるのでしょうか?
自分の人生を振り返るとまさにそんな繰り返しで、本当に脳に障害があるのかもと不安になってしまいます。
国立国際医療研究センター病院のサイトにある双極性障害の説明を抜粋します。双極性障害は、昔は、躁うつ病と呼ばれていましたが、同じ疾患です。
またこのサイトには書いてありませんが、双極性障害は脳機能の問題があります。ですから治ることはありませんので薬を飲み続けることになります。20歳前後での発症が多いというところは統合失調症と同じですね。こういった事情で、統合失調症と双極性障害は各々誤診されているケースもあります。
■双極性障害、統合失調症、ADHDを考える
双極性障害とは、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」が繰り返される精神疾患です。「躁うつ病」と呼ばれることもあります。双極性障害の患者さんには、いつも症状が現れるわけではありません。躁状態でもうつ状態でもない、いわゆる普通の状態があることが特徴です。双極性障害は20歳前後の若年期に発症することが多いと分かっています。
「普通の状態がある」という記述に注目してください。双極性障害の人は、通常では、精神発達は「成人期」なのです。
双極性障害の躁状態ではハイテンションになりますので、ADHDとも間違われたりします。その鑑別のひとつの材料として、当事者の精神発達をチェックをしておくのも重要でしょう。
つまり、双極性障害の精神発達は成人期であり、ADHDは学童期あたりです。
ADHDなら幼少期からADHDですので、ハイテンションな状態がいつからあったかも、ひとつの判断にはなります。
■双極性障害II型というブーム
双極性障害にはI型とII型があるとされています。I型は程度が激しいもの。II型は程度が軽いものです。
一般的にI型の、躁とうつの周期は何年ものサイクルがあります。数年間うつ状態が続いた後、数年間躁状態にスイッチします。
ゴッホ、北杜夫、ゲーテなどが有名ですね。
II型は、一日のうちで躁とうつがスイッチすることもあります。軽い躁とうつのサイクルですので、普通の人が気分良くなったり、悪くなったりするのと鑑別が難しいのが実情ですが、結構、双極性II型と診断されている人は多い印象です。
これはつまりどういうことかというと、よく分からないので双極性II型にしておこうという判断が働いているのです。診断ブームの一つと見てもいいでしょう。発達障害や境界性パーソナリティ障害なども、そのブームの一つです(でした)。
双極性I型は確実に遺伝的な疾患ですが、双極性II型と病名をつけられているときは、「怪しい」と思ったほうがいいかもしれません。遺伝的というよりも心理的な要因が強いのではないかと考えることです。
■愛着不全と双極性II型
ここで質問者さんの質問への回答になります。愛着に問題のある場合、愛着障害であっても、愛着不全であっても、双極性II型という病名が付けられているケースが少なくありません。わたしのクライエントさんの中にも多くいらっしゃいます。
ざっくり言うと、愛着に問題のある人の言動は非常に不安定なんですね。この不安定をこころの問題でなく、脳機能の問題にしようというのが双極性障害への診断につながります。
双極性障害の人なら、原則として精神発達が成人期に達しています。ですからそうでない場合、つまり思春期や学童期の精神発達で止まっている場合は双極性障害ではなく、まずは家族の心理的な問題がないかどうかを、じっくりと傾聴するところから始めるのがいいと思います。