高間先生は愛着不全の治療は難しい、時間が必要とおっしゃる時があります。
治療が難しくなる要因は、なまじ母親との愛着が十分ではなくても存在しているため、母への期待を持ち続けてしまうからでしょうか?
過去に既出の質問でしたら、すみません。
質問は回答が閉め切られています
ソレア心理カウンセリングセンター 公開状態を変更しました 2023年1月9日
愛着不全のカウンセリングに時間がかかるのは、質問者さんのおっしゃる通りです。それ以外の要素もありますが、まとめてみました▽
- 愛着でつながっている母親への期待が大きい。いつか変わってくれるはず、いつか分かってくれるはず、という期待です。
- 愛着不全の人々は乳幼児期はちゃんと母親とつながっていた人々です。
- そのときにできあがった愛着のパイプはその人の人生にとっての縁(よすが)となり、それを頼りに生きて行こうとします。
- しかしそれが途中で機能低下していったのが愛着不全の家庭です。
- そのため機能を回復させようとします。そこには回復できるはずという期待があります。しかしその期待は必ず打ち砕かれます。
- なぜなら、いつまでたっても親が親らしいことをしてくれないからです。親も自分と一緒に子どもをやっているので、子どもはそれにいら立ちます。しかし、子どももそれを諦めきれません。
このように出来上がった愛着関係にメスを入れていくのが愛着不全の臨床であり、変わらない親を子どもがどう諦めていくのか、その道は容易い道ではありません。生きるために人生早期に出来上がったものに見直しをかけないといけない作業は壮大なものであり、理不尽さも覚えるでしょう。
しかしこの関係はいつかは大団円を迎えます。その過程はカウンセリングで体験していただくことになりますが、公けにもそのストーリーを示せればいいなと思っています。それは私の今年の取り組みの1つです。
この大団円はなにも家族が再構築されるといったものを想定している訳ではありません。それができなくても、いっこうに母親、父親が変わらなくても、成し遂げることができます。キーワードは双子です。母性よりも父性よりも強いものがある。この希望が彼らの回復への原動力になっていくでしょう。
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ソレア心理カウンセリングセンター 公開状態を変更しました 2023年4月4日