こんばんは。
私は不安型愛着スタイルがあり愛着不全との見立てでカウンセリング中です。
私は母に共感してもらった記憶があまりありません。泣いているとそんなことで泣くなと叱られる。悲しんだり傷ついていると、弱い、神経質と言われる。怒るとお姉ちゃんなんだから我慢しなさい、というようなかんじです。
これは情緒的ネグレクトに当たりますか?情緒的ネグレクトと愛着はあるけど十分感情を受容してもらえない、あまり共感してもらえないケースの差がよく分からないので教えてほしいです。
ソレアのサイトやソレアのnoteで「情緒的ネグレクト」「社会的ネグレクト」と検索すると記事がたくさん出てきますので、それを片っ端から読んでいただくと、あぁ、そういう感じか、というのが分かるかもしれませんね。
言葉で表現するのは簡単ですが、実感を伴って理解するのが難しいのが「情緒的ネグレクト」です。多くの角度から光を当てて、多くの角度から理解するとようやく中心部が見えてきます。
愛着障害の情緒的ネグレクトと愛着不全の差を見立てるのはとてもむずかしい。専門家さえも間違える領域です。愛着の専門家はどのようにそれを間違えないようにしているのか。わたしの場合を少し話しておきます。
これは色々な記事で何度も言っていることですので、またそれか…と思われるかもしれませんが。心理職向けの話になります。
- 親子三代のジェノグラムを取って、各構成員の見立てをします。特に兄弟姉妹も大切です。自分だけなのか、他の兄弟はどうなのか、その視点も重要です。
- それによって母親の見立ても見当がつきます。
- 母親の見立てがついたら、相談者の見立てもおおよそつきます。
- 相談者の話をよく聴いて、母親と相談者の見立てを強化していきます。
- この手順の中で、愛着障害の情緒的ネグレクトか愛着不全かの見立てが決定していきます。
- 以上が見立てです。オプションですが、友人関係もチェックして記録していきましょう。こちらは見立てというよりも治療に活かせるからです。「●●との関係はもっとキープしましょう」等のサポートができます。
ここで気をつけてほしいのは、母親が愛着障害だとその子どもが愛着不全のように見えてしまうことがあります。この場合、子どもは思春期心性(愛着不全)ではなく成人期です。そういうところを読み違いしないように進めてください。
こういう手順をていねいに踏んでいくことで、
泣いているとそんなことで泣くなと叱られる。悲しんだり傷ついていると、弱い、神経質と言われる。怒るとお姉ちゃんなんだから我慢しなさいという
この母親の行動に対しての評価が決定していきます。これだけでは切り分けにくい場合は、カウンセリングの中で話される他の訴えも強化材料としながら、総合的に見立てが決定されていきます。
愛着障害と愛着不全の切り分けは、実際に簡単な場合もあります。しかし情緒的ネグレクトのレベルになると、かなり難易度が増すのです。
不思議なことですが、カウンセリングを始めた当初は結構分かりやすいクライエントが登場します。だんだんと年を重ねるごとにクライエントの難易度が上がっていきます。これはカウンセリングをやっている方なら、誰しも経験していることでしょう。