ラジオやブログなどを見ていると、自分が愛着障害、愛着不全どちらの特徴にも当てはまります。見捨てられ不安もありますし、愛着障害的な回避もしています。そもそも人を信用していません。そんなケースもありますか?
カウンセリングを受けていますが、ちゃんと伝わるかが不安です。
愛着障害と愛着不全を見立てるのが困難な人もいます。そこをちゃんと見立てていくのがカウンセラーの腕の見せ所となります。私の発信するラジオやブログは、それらの標準的な例ということで考えてください。愛着不全は高橋和巳先生いうところの成人学童期とほぼ同じです。
今回の解説は心理職向けの話になります。
■愛着スタイルで考えていく
見捨てられ不安や回避傾向というのは、愛着不全や愛着障害だけでなく結構広く見られる行動です。広くは見られるのだけど、何が違うのかというと、
- 見捨てられ不安が愛着スタイルの中核であるのが不安型、つまり愛着不全
- 回避傾向が愛着スタイルの中核であるのが回避型、つまり愛着障害
しかし見捨てられ不安や回避傾向が愛着スタイルにまでなっているかどうかというのは、なかなかご本人では理解できないかもしれません。
そのためにカウンセラーは、ご本人が話される内容を精査しながら状況証拠を集めていきます。一番の手がかりは次の5つです。
■愛着障害か愛着不全かを決定する5つの要因
ご本人の行動パターン、感情の動き方などが見立ての中核になることは変わりませんが、その他にどういうことが参考になるのか5つの要因として解説します。
- ➊ご本人の生育歴
- ➋親の生育歴
- ➌祖父母の生育歴
- ➍兄弟の生育歴
- ❺ご本人の話しの組み立て方
つまり➊~➍をみてわかるとおり、家族の情報が重要なのです。とにかくご本人の見立てに迷った場合はご家族の情報で「ウラ」を取っていくのです。
そして❺の「話の組み立て方」です。ここはよく分からないでしょう。話しをどのように組み立ててまとめて話しているのか、そういうところをチェックしています。このためにはカウンセラーが話しをひっぱってはダメなので、傾聴に徹することです。カウンセラーが見立てをするときに、質問するのでなく傾聴が大切というのは、この「話の組み立て方」をチェックするためでもあるのです。
- ➊~➍までは数回のカウンセリングで明らかになるでしょう
- ❺は1回目のカウンセリングで明らかになるでしょう
愛着障害、愛着不全どちらにもあてはまるように見える場合は、上の5つを精査していく必要があります。これはご本人ではムリですので、愛着に詳しいカウンセラーとの共同作業になります。
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