先日のラジオで目標はないほうが良いと言われてて意外でした。カウンセリングでは治療計画をカウンセラーさんと相談しながら作成するイメージがあったので。ざっくりとしたものは作るけど臨機応変にということでしょうか?
それからクライアントが治療を受ける際に意識したほうがいいことはありますか?何となく素直に話すことが大事かなと思うのですが、他にもカウンセラーを信頼するとこと、安全基地を作るんだ!という目的をしっかり持つことなど、心がまえを教えてください!
こちらの放送に対しての感想ですね。↓
今回の質問と同じようなレターがスタエフにもありました。近いうちに放送しますが、真意が伝わってないなと思って、補足をここでしておきます。
- カウンセリングの治療目標と、人生を生きていくための目標は違うものである。私がラジオで伝えたかったのは、後者の、人生を生きていくための目標であり、それについては目標は要らないよ、という意味です。特に月単位の短期的な目標は邪魔になるだけなので、目標をもたずに、そこはマインドフルネスで生きていきましょう。
これは、自己啓発などで言われる、スモールステップでクリアしていきましょう、という常識とは真っ向にぶつかる思考です。しかし、それでいいのです。スモールステップさえ考えずに、自由に楽しく、人生の課題に取り組みましょう、ということです。
カウンセリングの治療については、見立て(目標)と数年間のざっくりとした治療イメージは、クライエントもカウンセラーも持っているわけので、やみくもにカウンセリングをしているわけではありません。しっかりした目標に乗って進んでいきます。
カウンセリングの実際では、相談者の実年齢、精神年齢(発達段階)、脳機能の問題、カウンセリングの進度によって、対応は様々に変わってきます。スモールステップの話をしたほうがよさそうなときは、そういう気づきを入れながら進みます。また人生の話に展開していった場合は、哲学的な話にもなるかもしれないし、またすべての目標を取り去った話にもなっていくでしょう。つまりこの「目標」という問題は、カウンセリングでは柔軟に取り扱われる、と思っていてください。そして何よりもカウンセリングの目標としては、柔軟に動けるようになることが、最終目標ですから。
■カウンセリングを受ける心がまえ
クライエントが治療を受けるときに注意することは、別にありません。何かをしゃべってやろうと思うと、肩に力が入りすぎて、語りに緊張が出てきますが、それはそれでいいです。何でもありなのがカウンセリングの場ですので。
緊張していても、信頼感や安全感がいまいちでも、今日もあの部屋へ行って、ちょっと話してこようかな、くらいの気分で来てもらえるといいかもしれません。カウンセリングは、楽しいとか待ち遠しいとかいうものではなく、
- 淡々とやっていくこと
これが一番大切な心構えかもしれませんね。