はじめまして。質問失礼します。愛着障害の就労状況についておたずねします。ラジオレターですでに愛着障害を回復されてる方が親密の恐れからの制限で経済的不安は常にあるとの旨を言われてて、高間先生はそれは致し方ないとのご回答をされてたことが気になりました。
私は常に仕事とお金の不安があります。愛着障害かはわかりませんが、親は手帳持ちでまともではないので可能性はあります。
話は少し飛ぶのですが、臨床心理士さんが虐待を受けた人について新聞連載(Web)されてて非常に気になるある男性のお話がありました。彼は養護施設を出る時に社会福祉士に生活保護を勧められて以来10年就労せず「社会とどう関わっていいかわからない」とその生活から抜け出せないとのことでした。回復の過程は書かれてませんでした。その臨床心理士さんの愛着の説明は高間先生のご説明と似通っており、また関連情報で高橋和巳先生のお名前があったので多分高橋先生の研修を受けられた心理士さんだと思われます。
愛着障害は働き過ぎるくらい働くと高間先生はご説明されてましたが、この男性の事例のように就労出来ない事例があるというのは非常に恐ろしく思いました。私は就労が続かず転職を繰り返してて経済的な困難がずっとあります。愛着の問題が原因だとしたらカウンセリング代は高額ですが一度腰を落ち着けて受けてみたいと前々から思ってたのですが、カウンセリングを受けても仕事の問題は変わらないのかと勝手に落ち込んでしまいました…。愛着障害がカウンセリングで回復すると就労状況や経済状況はどう変化するのか、少しでもお話頂けましたら幸いです。私の長年の悩みは仕事とお金で家族が欲しいとかいい暮らしをしたいとかそういうのはありません。ただ最低限の暮らしを安定的にできる人間になりたいと願っています。件のラジオ放送の最後に高間先生が「回復したら何もかも上手くいくというわけではないです。そうだとしたらそれはまた別の疾患です」と言われてたので、妙な期待はしてないつもりですが…小さな灯火を頂けたらと投稿させて頂きました。
愛着障害の人が回復すると、普通の日常がやってきます。それは楽に生きられる世界です。これは間違いありません。その世界は普通すぎてツマラナクも感じるでしょう。この感覚になっていれば完治と言えるでしょう。
しかし一方で、ささいな不安はつきまといます。その一番は経済的不安です。ちょっとでも仕事が切れると不安になります。そのために馬車馬のように働きます。これがワーカホリックですね。でも治癒前のようなワーカホリックではありません。どこかで自分を客観的に見ている自分がいます。こんなに働かなくてもいいのに、と自分を笑っています。こういう働き過ぎならダウンすることはないでしょう。成果も出るでしょう。
まぁ、しかし、安心はできないのです。年収が2000万越えても安心できない。それは仕方のないことですね。
このように働きづめの人もいれば、全然働けない人もいます。この違いは何でしょうか。働きづめの人は脱抑制型の愛着障害、働けない人は反応性の愛着障害、こんな傾向もあるように思います。世間的には前者が良しとされますが、精神的にみるとどちらも愛着障害で「同じ疾患」です。生涯年収も全然違ってきますが、両者とも同じルーツなのです。
また、かりそめの思春期にいる反応性の人は、脱抑制に見えたりします。反応性と脱抑制はルーツは同じことを考えれば、これも納得のいく現象です。
新聞掲載されていた被虐の方の例は、虐待があったわけですが、ひょっとするとそれ以外の別の疾患もあるのかもしれません。そのために社会で働けなくなっているのです。
20代後半の方ですので、まだかりそめの成人期に達していないとすれば、つまり、かりそめの思春期を生きていれば就労も難しい場合があります。というか、思春期的な、就労したくない、という気持ちで就労できないのです。しかしこれも、思春期問題をひきずっているのか、それとも発達の問題なのか、分かりませんね。
いろんな可能性が考えられます。
彼は、二十歳になる前に生活保護を受けたわけなので、そのいきさつが気になるところです。10年の生保の時期に、彼は何をしていたのか、何もできなかったのか、何かを促す支援はなかったのか。彼が社会との関わり方が分からなかったのは、養護施設を卒業した後の受け皿のないという現実からくるものだったのかもしれません。
生活保護という制度は使い道がよければ、たいへん優れた制度ですが、人々から活力をうばっていく制度といわれることもあります。入るのは簡単ですが、抜け出すのが至難のワザなのです。
愛着障害の人は、転職を繰り返す傾向があります。これは一か所に定住することによる親密さの深化を防ぐためでもあります。この生き方は悪くないので、自立して、個人事業主として生きていくこともできます。一つの専門職を極めるのです。個人事業主となり専門的に働ける状態ですと、業務委託してくれる会社を転々としても、あなたの専門スキルは積み上がるわけです。そうやって企業を転々と波乗りしながら、ひとつの専門を特化していくという道が開けているわけです。
愛着障害の人は「ひとり」で生きていく人です。世間的には結婚して子どもがいたとしても、それは変わりません。その特性を活かし、一匹狼として世の中を駆けめぐっていく、そのチャンスがあるのが愛着障害の人々です。
ひとりで生きていくわけですから孤独です。社会的には、個人的に受注した仕事と通しての交流があるので孤立していません。孤独を楽しみつつ、孤立しない生き方がそこにはあるのです。
あなたがもしカウンセリングを躊躇されているのでしたら、愛着障害に詳しいカウンセラーに出会ってみるのも一つの灯火になるかもしれません。あなたの人生がうまく行きますように。
ありがとうございます。今日のスタンドFMでもレターが来ていましたので、追加の回答ということで、お聴きください。脱抑制の方はフリーランスもありかと思います。
いつもありがとうございます。脇から失礼します。いつにも増して興味深いご質問とご回答に該当の連載記事を探し拝読しました(別物でしたらすみません)
https://president.jp/articles/-/64506?page=1
愛着障害の現実的な困難さを非常に想像できました。この記事を読むとより、人を頼れない・社会の輪の中で生きれない愛着障害に、高間先生の個人事業主という生き方のご回答が、灯火になるだろうな感じました。