大学の授業で瞑想を実践する課題が出たのですが、「今、ここに注目する」のが辛いです。
課題の瞑想は「1点を見つめる」というものです。瞑想中は言葉のない不安の波に襲われ、波は確かに時間とともに静まります。でも、その浮き沈みでとても消耗します。終わった後には自分の抱える問題が余計にはっきり感じられます。終わった後には、「初めての場所は怖い、不安だ、苦しい」のように心配事にとらわれてしまいます。今もそんな状態で、昨夜もよく眠れませんでした。
元々、私は自分の心を癒す方法を持っていました。それは「現実、今ここから離れる」ものです。これまで読んだ漫画や小説の好きな登場人物に、自分の魂を少しのせて好きなように動かす、というものです。小説の創作のようなものです。それも感情をかなり強く揺さぶられ、時に涙するのですが、自分と意識の遙か遠くで呼応しながらも、その感情は完全に他人のものなので、なぜか絶対的な安心と癒しを感じるのです。
自分に注目するのは辛いです。胃の不調も強く感じます。課題の瞑想は少し試しただけなのに、自分なりの癒し、すなわち自分の中に住む誰かにうまく逃げ込むこと、ができない状況が続いています。
自分は20歳です。自分には抑圧と脅迫の傾向があると思いますが、この年だと精神疾患ではなく、「思春期」という病なのでしょうか?この瞑想は、そんな私には危険なものなのでしょうか?
あなたの場合、瞑想によって「言葉のない不安の波に襲われて」いるわけですので、ただちに瞑想を止めましょう。
大学の課題でそのような状態になったのですから、課題を提出するときに、自分が体験した状態を、短い文章で書けば大丈夫です。十分に課題を実行したことになります。そして、臨床心理士に聞いたこと(この回答)を課題提出時に添付してください。
もともと瞑想というものは、こころに問題のない人がやるものです。こころの問題がある人が、誰のサポートもなくやってしまった場合、あなたのように、大きな不安定さに直面することがあります。
心理サポートのできる人がそばに居れば、そこから脱出してグラウンディングできるかもしれません。グラウンディングとは不安定さから脱出して、平穏な世界へ戻ってくることを意味します。ですから、瞑想を終えても、そこで体験したことが意味を持つこともあります。しかし、意味を持たないこともあります。ここが重要です。グラウンディングしても、瞑想時の体験が、日常生活の何気ない瞬間に、フラッシュバックすることもあるのです。これでは、その体験には意味がなかったということになります。
特にトラウマを抱えている人が瞑想することは、フラッシュバックを引き起こす可能性が高いので、止めた方が無難です。
あなたは、「今ここ」から離れて心を癒していたということですので、これは軽い解離をしていた状態です。解離しないと癒えない状態というのは、瞑想などをやってはいけない状態と言えます。リスクが高いので瞑想や催眠からは距離を取るようにしてください。こころのフタは、不用意に開けてはいけないのです。フタを閉めたのはそれなりの、あなたの理由があるからです。
繰り返しになりますが、催眠も瞑想と同じですから、止めてください。
時間が経てば安定が戻ることもありますが、不安定さが続くようであれば、大学の学生相談室や、瞑想のリスクをよく理解しているカウンセラーを探して相談することをお勧めします。学校の課題から起きた事故なので、まずは学生相談室へ相談するのがいいかもしれません。課題を出した先生へ連絡がいくでしょう。そのときも、わたしのこの回答を示してください。
最近はマインドフルネスのブームで、瞑想のすそ野が広がってはいますが、瞑想を「誰でもできるもの」と勘違いしている人々も多くいるように思います。瞑想は誰でもできるものではなく、瞑想をするには条件が必要だということです。それは、
- 日々の生活が安定して送れていること、です。