ネットでは回避依存症という言葉を度々見かけます。脱走者、搾取者、ナルシスト、独裁者という4つのタイプに分類できるというような記述もあるのですが、精神医学上はどのように理解すれば良いのでしょうか?
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ソレア心理カウンセリングセンター 公開状態を変更しました 2024年6月10日
そもそも「回避依存症」という言葉は造語であって、そういう疾病が存在しているわけではありません。回避に依存するという定義は、とても乱暴で、やさしくありません。また焦点がぼやけてしまっているように思います。
なぜなら回避することは決して悪いことではないからです。理由があって回避しているわけですので、その理由へ対応することのほうが、現実的でしょう。ですから、ひとまず逃げるのは正解なのです。
精神医学上で、回避という言葉が出てくるのは、わたしが記憶している限りでは以下の2点です。
・PTSD
・回避性パーソナリティ障害
PTSDでは、「その体験が起きたような現場を回避する行動を取る」ような使い方をします。
回避性パーソナリティ障害は、「回避傾向のあるパーソナリティを持っている」ような使い方をします。
しかし「回避」という行動は特別なものではなく、様々な疾病群に共通してみられる行動であって、何か特別な症状として扱うことはない、というのが、1つの見解としてあります。わたしはこの立場を取っています。
ですから、回避性パーソナリティ障害という診断は意味のないものであって、回避という言葉を使うのなら、PTSD関連に絞ればいいでしょう。
ちなみに、愛着障害もPTSD関連の一つですから、回避型の愛着スタイルというのは、理にかなった表現なんですね。
ソレア心理カウンセリングセンター 公開状態を変更しました 2024年6月10日