愛着障害の場合は、母親へのファンタジーの崩壊が回復おける一つの重要なステップとなるかと存じますが、愛着不全の場合では同じ様なステップがあるのでしょうか?愛着不全の状態はどの様な過程やステップを通じて回復していくのかをお伺い出来ればと思います。
愛着不全の回復過程については、詳細に書いた本を知りません。高橋先生の「母と子」という病にも、Sタイプの親子関係が出てきます。あれが愛着不全ですが、回復過程についてはぼんやりとしか書かれていません。ということは、愛着不全の回復プロセスは、現状でも手探りのままともいえます。
しかしそれでは治療できないので、偶然出来たとしても再現性のないものになってしまいますので、治療家としては何とか自分の理論を打ち立てつつ進むしかありません。
考えるに、わたしのカウンセリングのスタートは愛着不全の人々も大いに含んでいたと思います。なぜなら、ACへのアプローチを色々と勉強してきたからです。ということは、ACイコール斉藤学です。斉藤先生の本を読んで、研修に行くのが、愛着不全の回復過程を理解するには必要では?と思ってきました。
これをベースにして、わたしは「不時着」スタイルを取ります。彼らが墜落せずに不時着するには、その最適な場所を探しながら蛇行飛行を続けていきます。不時着を成功させるには、様々な心理療法やクライエント体験が必要になってきます。それらを一冊の本にまとめられればいいと思います。そこまでわたしのカウンセラー生命が持つかどうかは分かりませんが、なんとかしたいなという思いはあります。
さて不時着ですが、さまざまな不時着があります。何十パターンに分けられるかどうか、わかりません。しかしベースにあるものは変わりません。それはカウンセラーなら常に直面させられていることです。
- 受容すること
これをエンジンとして不時着に備えてカウンセリングは続きます。途中、様々な困難が待ち受けているでしょう。それに一々動揺していては身が持ちません。
- カウンセラーがまずはしっかりとすること。
これも基本的なカウンセラーの態度です。これらはスキルというよりも経験から生み出される「態度」なんですね。カウンセラーの皆さん、頑張ってください。