自分の中に汚い欲望が亡者のようにうじゃうじゃいます。芥川の「蜘蛛の糸」みたいな感じでしょうか。細い細い頼りない糸でも上へ上へ向かわないと亡者達に引きずり下ろされてしまう。もう引きずり下ろされて結構な時間が経ってます。少し休んだらまた登ろうとしてましたが体中が欲望に侵食されてもうどうしようもないというか身動きが取れない感じです。一歩行動しようとしてもドロドロと欲望が呼吸も足も絡めとってすぐネをあげてしまう。抜け出る手段はあるのでしょうか。それともこういうことを避けて来た人生だからツケがやって来てるのでしょうか。。
自分の中の汚い欲望が見えてきているということは、あなたは40代以降の方でしょうか。
人生においての後半戦である40代以降は、自分がこれまで捨ててきたものをこころのゴミ箱から拾い出して、自分に統合していく時期である。
そのようにユングは言っています。これを個性化といいますが、あなたにも個性化が始まったのかもしれません。個性化は死ぬまで続きます。最初の10年くらいは悶々と時間が流れていくでしょう。
それに抵抗せずに、個性化をルーティンにしましょう。そうやって見たくない自分に10年ほど向き合っていると、その10年間という時間に対して親しみがわいてくるでしょう。
中年期の10年って長いですよね。体力も落ちていく中でいろいろな事件も起きるでしょう。しかしこれは、エキサイティングな体験でもあります。キレイごとでは済まされない時間を過ごすことになります。ドロドロとした欲望の泥炭地を歩くことになります。
一人では心細いかもしれませんね。そういうときはカウンセリングを利用してください。中年期以降のカウンセラーなら、彼らも個性化の真っ最中でしょうから、あなたの泥炭地の旅を祝福してくれるでしょう。
10年も格闘していれば、そこから抜け出して大地を歩いている自分に出会うでしょう。その自分は、これまでの自分とは違って、ちょっとダークな影を引き連れているでしょう。顔に刻まれたシワの深さがあなたの人生を深いものにしてくれるでしょう。