愛着の問題を抱えた人はそのままの状態でいると、生きてゆく中でその他の人間関係でも沢山の傷を増やしてゆくと感じています。
自分自身、傷を増やしましたがそのひとつひとつを癒したかとゆうと生きてゆくことに精一杯でないがしろにしたままです。
親との問題に取り組んでいくのが第一だとは思いますが、その後の人生で出来てしまった無数の傷についてはどのように扱えばいいのでしょうか?
親との問題が癒されればそちらは取り扱わなくていいのでしょうか?
カウンセリングの時にいつも迷ってしまいます。
人間関係で作る傷とは、
・➊他者との関係から由来するもの
・➋自己の脆弱性から由来するもの
の2つの局面があるでしょう。実際はこの二つがブレンドされて、傷となっていくわけです。
ですから、愛着の問題ある、なしに関わらず、人間関係が発生する場面では、ストレスが生じるため、こころの傷は避けられないとも言えます。
人間は社会的な生き物ですので、自分ひとりでは生きていけません。ひとりで引きこもったとしても、完全にひとりになれるわけではなく、どこかで誰かとつながっています。そのためにストレスは必ず発生します。これは避けては通れないところです。
わたしたちができるとすれば、➊他者との関係については、それを避ければ回避できるでしょう。これは重要なスキルです。「逃げ恥」も使い方によっては役にたちます。
➋自分の脆弱性に関しては、こころを強化していくことでしょう。この方法には、①親との関係性を見て行く、②自分の弱さを受け入れていく、③カウンセリングと日常場面の両方で、自分を理解していく。等があります。
何よりも、
- ①弱い自分を再発見して、
- ②弱い自分とともに存在し、
- ③弱い自分を理解していくこと。
これらができれば、弱さから脱却していくことができるでしょう。これが自己の脆弱性からの脱却のヒントです。
これらを実践するために、親の話、職場のパワハラ上司の話、いじめの話などが語られていくでしょう。これらの語りをカウンセリングの場面でやっていくのですね。つまりナラティブ=自分の物語を語るわけです。
人生の傷を語っていく上で、自分の物語が浮上してくれば、無数に負った傷も、一網打尽(いちもうだじん)に、治癒が進むでしょう。